『A FUNK ODYSSEY』の米国発売前夜、NYでの1回きりのライヴ

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『A FUNK ODYSSEY』の米国発売前夜、NYでの1回きりのライヴ
 

「正直に言ってみな、こっちよりMichael Jacksonのほうに行きたかったんだろう」

最新アルバム

A FUNK ODYSSEY
EPICインターナショナル ESCA-8400
2001年8月29日 2,520(tax in)

1 Feel So Good [Album Version]
2 Little L {Album Version]
3 You Give Me Something
4 Corner Of The Earth
5 Love Foolosophy
6 Stop Dont Panic
7 Black Crow
8 Main Vein
9 Twenty Zero One
10 Picture Of My Life
11 Do It Like We Used To Do*
12 Deeper Underground*

*は日本盤のみボーナス・トラック


今一番ホットなこのライヴ会場にやってきたニューヨーカーたちはこう思っていたにちがいない。――あの軽快なフットワーク・ダンスをみせる態度のでかいソウル・シンガーは、どうやって今夜1回限りのライヴで再びアメリカのファンをつかもうというのか。

それを見越したように、JamiroquaiのリードシンガーであるJay Kayも「正直に言ってみな、こっちよりMichael Jacksonのほうに行きたかったんだろう」と言ってクックと笑った。

しかし、通りの向こうのMadison Square Gardenで同じときに行なわれているショウで、いかれたJacksonがいくら過去の栄光を取り戻そうと躍起になったところで、アメリカでの『A Funk Odyssey』発売記念として行なわれた1回限りのこのライヴでの、イギリス的な躍動感のあるディスコ・メロディとKayの素晴らしいヴォーカルにはかなわない。

安っぽいマリファナや香水の煙がたちのぼるステージの上、痩せたからだに銀色の髪飾りをつけたKayは激しく、ノンストップで動きつづける。同時に9人からなるバンドのメンバーは「2001」「Little L」「Feel So Good」といった新曲、「Cosmic Girl」「Canned Heat」などのヒット曲を進めていく。とくに「Deeper Underground」では激しい演奏とブレイク、ファンキーなギターと、音楽的なリーダーであるキーボードのToby SmithがKayのヴォーカルを引き立てて盛り上がった。

Straussの「Blue Danude Walts」(映画「2001:A Space Odyssey/2001年宇宙の旅」のテーマ)の間奏では、グランドピアノに横たわるシャンソン歌手のようにスピーカーの上からいたずらっぽい笑顔を見せたあと、一転、ディスコ・クィーン、Donna Summerの名曲「Bad Girls」のダイナミックなカバー曲で観客をひとり残らず踊らせた。

まだ俺は終わってないぞ!」熱狂的な観客にはげまされたKayは宣言した。新たな、さらにグルーヴィになったJamiroquaiの復活、それは以前にも増して強力ものであることはまちがいない。

By Michael A. Goldberg

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