【第45回グラミー賞】リンプのフレッドとS.クロウ、NARAS会長が“戦争発言禁止”騒動についてコメント

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今年のグラミーの裏側では、受賞スピーチの際、アーティストに対イラク戦争について発言しないよう指示があったという噂がホットな話題になっていた。先週、ネット記者のMatt Drudgeは、グラミーのプレゼンテーターや受賞者に対し、戦争について意見を述べないようお達しがあったとリポート。また、Public EnemyのChuck Dも、土曜の夜(2月22日)に行なわれたRock The Voteのイベントで同じ話を繰り返している。このDrudgeの報道に対し、グラミー側は2月21日、アーティストはどんな考えを述べようが自由だという声明を発表していた。

最優秀ハードロック・アーティストのプレゼンテーターとして登場したLimp BizkitのFred Durstは、禁止とされている戦争についてこう発言した。

「今すぐ戦争から手を引くべきだという意見に、みんなが賛成してくれてるといいんだがな」

バックステージでDurstは、戦争のコメントを避けるように言われたわけではないと言い、戦争の見通しについて話す人が少なかったことに驚きはしなかったかという質問にこう答えた。

「いや。でも俺について言えば妙な感じだった。俺はいつも言いたいことを言ってる。だから俺にとってはパーフェクトな機会だったね。たくさんの人がそうするって聞いてたんだ。まぁ、誰もがやるとは思ってなかったけど、もちろん俺はやるつもりだった。ほんとに早く解決してもらいたい。自分が生きてることをほんとに幸せに思ってるし、息子を愛してるんだ。だから、ほんとに止めてもらいたいって思ってるよ」

アメリカン・ミュージック・アワードで戦争反対のTシャツを着ていたSheryl Crowは、グラミーで同じか、似たものを着る予定はなかったのかという質問をバックステージで受けた。

「そのつもりだったの。そうしたら、グラミーの協会がマネージャーに電話してきて、私が何かフザけたものを着るんじゃないか探りをいれたのよ(笑)。彼らは中立の立場を取りたいの。私は……、今夜はそのことについてどうこう言う気はないわ。それはみんなの心や意識の中にあるでしょうから。たくさんの人がそのことについて語ってる。特にプレスルームではね。今日だってIndia.Arieが声明を発表してる。何が問題なのか、みんなわかってるはずよ。誰も急いで戦争を始めたいなんて思ってない。みんな、平和について話さなきゃいけないって思ってる。そのことが目的なのよ」

Flaming Lipsのリーダー、Wayne Coyneは顔にバンドエイドを、Peter Gabrielはリボンを付けて、暗に戦争反対を表明していた。Gabrielはこう語っている。

「昨晩、Rock The Voteのイベントにいて、戦争についての言及は編集でカットされるって言われた。ほんとかどうかわからないから、リボンを付けたんだ。誰も連絡してこなかったけど、Rock The Voteはそう言ってたし、Chuck Dもそう話してたからね」

NARAS(The National Academy Of Recording Arts & Sciences)の会長、Neil Protnowは、グラミーは誰にも検閲を行なうつもりはないという声明を発表して、ことを鎮めようとしている。

「我々は、論争などなかったと考えている。アーティストが言いたいことに関して、何か指示するつもりなどない。アーティストはクリエイティブな人々であり……だからこそ、素晴しい音楽や詞を書いているんだ。彼らには何を言ってもいい権利が与えられている。我々が唯一気に掛けているのは、スピーチの時間だけだ」

Crowが言ったように、アーティストが何を言うつもりか知ろうと、協会は直接マネージャーに連絡をとったのではないかという問いに、Portnowは「そんなことはない。事実無根だ」と答えている。


【第45回グラミー賞 各部門の受賞者リスト】

 主要部門/ポップ/ロックの受賞者

 R&B/ラップ/カントリー/ジャズの受賞者

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