ナイトメア:結成10周年目前、5人の心を覗くソロ・インタヴューで綴る総力特集

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メンバー・ソロ・インタヴューで綴る、ナイトメア 10th Anniversary Eve 総力特集

ナイトメアの挑戦は、終わらない。

INTERVIEW-01 YOMI編

昔の自分との一番の違いって、精神的なところなの。
なんかね、強くなれた気がする。

ダイエットして痩せて以降、ステージにいるフロントマンとして、 歌、キメのポーズ、表情一つとっても、いまは自信に満ち溢れてるね。

YOMI:ファンの子のなかには“ぽっちゃりしてた頃のYOMIさんが大好きです”っていう子がいるんですけど。俺も昔の自分は大好きだし、いまの自分も大好きで。だけど、昔(の自分)といまの一番の違いって、精神的なところなの。なんかね、強くなれた気がする。そういう面では、ダイエットしてよかったなと思いますね。

それだけ自分の内面が強くなれてるからこそ、同じ歌を歌ってても言葉の説得力が違う。そういうものをまざまざと感じた武道館だったから、今日は褒めまくろうと思って(微笑)。

YOMI:あざっす!!(超笑顔)

フロントマンというところでも、ライヴでは、いまはすごくバンドを引っ張ってるというか。まさにナイトメアの看板、という存在感がステージからにじみ出てた。

YOMI:昔って、どっちかっていうと自分は“ついていく”感じだったじゃないですか? キャラ的にもライヴでの見え方でも。だけど、このままでは自分たちの目指すところにはいけないんじゃないかなって、2年前に武道館やったときぐらいから思いだして。フロントマンというのを意識しだして、変わってきたっていうのがあるのかもしれない。

2年前、このままじゃあみんなと約束を交わしたドームまで連れて行けないかもしれない。そういうことに気づいて、ダイエットであったり、フロントマンとしての意識を変える努力をしてきた。

YOMI:うん、そうですね。やってきましたね。始めた頃は、自分的にも“前よりもよくなるだろうな〜”ぐらいのやわらかい感じでやってたんだけど、いまは全部やってきてよかったなって、すごく思います。

BARKSでのアルバム(『majestical parade』2009年5月発売)取材のときに咲人君は、そういう風にYOMI君が努力していることをとても喜んでたんだけど。メンバーから褒められたりは?

YOMI:いや、特には(笑)。褒められないですね。みんなは“もっともっと!”なんですよ。いま自分でも成長できているとは思うけど、みんなは“もっともっと!”って感じでいってくれる。そのほうがうれしいかな。

あと、ヴォーカリストとしては、Ni〜ya曲「Nothing you lose」を歌うYOMI君に大きな発見があった。これまではテクニカルなところで“上手い”といわれるヴォーカリスト像を目指していたイメージがあったんだけど、この曲に挑んでるときのヴォーカル・アプローチは、それを越えたところで、豊かに感情表現していく新しいYOMI君のヴォーカリスト像を見た気がしたよ。

YOMI:今回のツアーではきっちり歌う曲と、感情重視で歌う曲を、自分のなかで分けて歌ってたんですよ、曲によって。今回のアルバムのなかでも Ni〜ya曲は、新たな自分の発見が一番できた曲だったんですよ。俺が今後歌っていきたい曲はこういう曲のなのかもしれないってことに気づけた曲でした。

そして、武道館の最後には、さいたまスーパーアリーナでのライヴが発表になったけど。

YOMI:デカイですよね〜。でも、柩とNi〜yaと一緒に、GLAYの日産スタジアムのライヴの2日目を観に行かせてもらったんですよ。あれを観たおかげかもしれないけど、その後にやった武道館はすごく近くに感じたし。だから、さいたまスーパーアリーナも、あれを観てるからそこまでの気負いはなくて。しかも、何年後かの自分たちをGLAYのライヴに重ね合わせて観ることができたんですよ。

すごいね〜! じゃあ、さいたまなんか全然怖くないぞと。

YOMI:怖さはないかな。最近、ナイトメアって、ちゃんと(客席が)うまる会場しかやってなかったから。こうやって、うまるかどうか分かんない、みたいなところで自分たちにプレッシャーを与えて。そのほうがプラスになるんじゃないかな。メンバーも事務所もレコード会社も。苦しまないとダメです。“ヤバい”って自分たちが思わないと、成長が止まっちゃう気がする。

ナイトメアは苦しんで、追い込まれてこそ伸びるバンドだと。

YOMI:そうそうそう! 叩かれて叩かれて。

だからスケジュールも年々ハードに?

YOMI:いや、それはどうかなぁ(笑)。

だって、理にかなってるよ?

YOMI:咲人やRUKAさんは、“曲作り期間が欲しい”っていってるけど、もらったらもらったでできるかどうかは分かんない、みたいなことを本人はいってるからね。(一同笑)そうなのかも(笑)。

では、今回のシングルに関してだけど。まず「Rem_」について。

YOMI:「Rem_」のほうは歌いやすかった。いままでのナイトメアという感じでやれたから。

対して、「love addict」は?

YOMI:難しかったですね〜。こういう曲調自体、ナイトメアでは初めてなんで戸惑った部分もあったんですけど……最近、プライベートとかで普通に友だちと飲みにいくときも、意識して歌が聴こえるバーだったり、ピアノの弾き語りで歌ってくれるようなお店に……。

そんなお店で飲んでるのっ!?

YOMI:そそそそっ(笑)。

やっぱ、痩せてモテ期に入ってる人はいくお店も違うね〜。(一同爆笑)

YOMI:違う違う、デートとかじゃないから。友だちとだから(笑)。そうやって、人と遊ぶときも歌の勉強じゃないけど、そういう場所にいって雰囲気のある曲を聴いてるのもあって、(この曲は)自分が、そういところで歌ってるイメージで歌ってみた。

その結果、YOMI君が得意とする声を張って歌う感じではなくて、息を抜いて歌うヴォーカリングになっていった。

YOMI:声を張って感情を表すって、意外と簡単なんですね。こういう風に声を張らずに、弱く歌いながらも歌に起伏をつけていくのはすっごい難しくて。そういう部分はもっと勉強しなきゃって思いましたね。

こっちは、歌詞も含め暗い曲だけど。

YOMI:だから歌ってるとせつない気持ちになりますよ。昔の彼女を思い出して。

逆に「Rem_」はどんな気持ちになる?

YOMI:咲人的には、“君”の部分を人それぞれいろんな意味を持ってくれていいっていってて。自分的にはこの“君”っていうのは、ファンだったりナイトメアに関わってくれる関係者の人たちだったりに置き換えて歌いました。来年(2010年)は結成10周年というのもあって、ナイトメアはもっとすごいところに連れてってくれそうだなっていう感じを出せればいいかなっていう風に思ってました。

では、来年10周年に向けて抱負を。

YOMI:自分のなかでは「Nothing you lose」的な、感情を重視したヴォーカリストになっていければいいなというのと、個人的な目標としてはピアノとか習って、10周年の間に自分で作曲してたり、もちろん歌詞も書いて。そういうところを頑張っていきたい。

取材・文●東條祥恵

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