ZEEBRA、ヒップホップ本来のポジティヴィティみつめた原点回帰!~アルバム『The New Beginning』特集

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ZEEBRA 「世の中に対して、社会のために、自分が何かできるか。そういうポジティヴィティ」


  

――実に2年半ぶりとなるアルバムは海外大物プロデューサーの参加や、豪華ゲスト陣の集結など、トピック満載ですね。曲毎の色合いも様々だし。 ZEEBRA:間違いないね。俺もアルバムできたときに「曲、バラバラ~」って思ったから(笑)。 ――これまでのアルバムには、どこか空気感やテーマ性に一本、筋があったんですが。 ZEEBRA:うん。今回はね、その筋が俺なの。俺をど真ん中に置いて360度いろんな方向から見て頂こうと。今までにやってるところとかは従来と少し切り口を変えて、自分の360度をうまく表現したいなって。 ――加えて、今回のアルバム作りのテーマは「原点回帰」だったとか。  ZEEBRA:前作を作り終えたときに、次のアルバムは俺の主軸に戻す感じだなっていう意識はあったんだ。だけど、いざ主軸で作ろうとなったときに、主軸ってなんじゃい?って漠然と思ったわけ。そんなときに、自分がヒップホップを好きになった頃とかの曲を聴いてたら、昔抱いた初期衝動を呼び起こされて。やっぱり、いいんだよ。「これは素晴らしい」と思えるものがいっぱいあってさ。で、現行のヒップホップが当時のヒップホップにあった影響力を持ってるか?と訊かれたら、俺は持ってないと思うし、それを今の若い世代にわからせたいなって。「Slow Down」で言ってることもそうだし、「Street Dreams」もそうだし、「Save The World」もそう。ヒップホップがもともと持っていた、他のジャンルとは違う素晴らしさ。そこをもう一回クローズアップしたいと思ったんだ。 ――当時のヒップホップが持ってた素晴らしさとは? ZEEBRA:端的に言えば、ポジティヴィティ。前向きな姿勢。 ――今のシーンにも「頑張っていこうよ」と歌うポジティヴな歌はたくさんあるじゃない? ZEEBRA:あるね。だけど、俺が今回言ってるポジティヴィティは、個人のガンバレじゃないんだ。今は車とか宝石とかステイタスとか、そういう個人的なことに対してポジティヴに歌う曲が多いと思うけど、そうじゃないと思うから。「Save The World」のような、世の中に対して、社会のために、自分が何かできるか。そういう考え方なんだよね。そこが他と違うところなんだ。だから、今回は歌詞をすんげえ聴いて欲しい。 ――ポジティヴという言葉は今、世の中にものすごく氾濫してるけど、ヒップホップが元来唱えていたメッセージとちょっと解釈が違うんじゃないかと。 ZEEBRA:うん。たとえば「Do What U Gotta Do」は、比較的、世間一般にあるようなガンバレ・ソングだよ。だけど、そういうガンバレ・ソングは大抵、感傷的なメロディで、「大丈夫だよ。心配しないでいいよ。そのまんまでいたらいいんだよ」みたいな生ぬるいガンバレじゃん。これは生ぬるいガンバレじゃなくて、「気合い200%で行け、コラ!」って曲だから。「やることやれよ!」っていう。そこがホントに違う。俺、キライだもん、感傷的なガンバレ・ソング。 ――キライって言わなくても(笑)。 ZEEBRA:いやいや、だってさ、そんなに自信なくすなよって、ホント思うから。日本人はね、自信がないんだよ。だけど、みんなもっともっと自信持った方がいい。自信を持てるくらい、何かに打ち込めばいいと思う。そこが甘いんじゃん? だから、この曲は甘くない人たちでやりたいっていう気持ちもあったし。この3人(AI、安室奈美恵、Mummy-D)はいろんな意味で自分に超ストイックだと思うよ。全部違うパターンだけどね。

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