タイナカサチ、「愛しい人へ」リリース特集インタビュー1

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タイナカサチ

タイナカサチ:“ありがとう”と、ただ伝えたい 勇気をくれた あなたに 「愛しい人へ」リリース特集


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Interview

──まずは4月のワンマンライヴの感想を聞かせて。初めてのワンマンで1時間半、自分だけが主役ってどんな気分だった?

タイナカ サチ(以下、タイナカ):大阪が初めてだったんですけど、最初は1曲1曲をこなすのが精一杯で、客観的に自分を見たり楽しむ余裕なんてなかったです。でも2回目の東京では、ほんの少しだけ余裕が出てきて、楽しもうという気持ちがありました。本当に“こんな感覚を味わうのは初めて”っていう発見がいっぱいあったんです。だから改めて思ったのは、“ワンマンライヴができて、やっとここからスタートできるかな”ということなんです。私はライヴが好きで、大きい舞台にいつか立ちたいという気持ちが強くなりました。といっても、いまは課題だらけなんですけどね。

──例えば、どんな課題に直面したの?

タイナカ:もう、自分の技術面は反省することばっかり。ほかは、ライヴをもっと盛り上げるためには、アップテンポの曲がもっと欲しいなとか。あとはトーク(MC)もそう。真面目に喋りすぎちゃったんで、もうちょっと楽しく喋れたらいいなあと思いました。自分らしく。でも、やっぱりライヴは楽しい。私はステージで生きて行きたいと、本当に思いました。

──ピアノを弾きながらと、スタンディングではずいぶん表情が違ってたね。

タイナカ:歌うことに関してはそんなに違いはないんですが、やっぱり慣れなのかな、弾き語りの方が落ち着いてやれましたね。立って歌うのって、ほとんど初めてだったんです。だからマイクを持ってないほうの手をどうすればいいのか…。だから鏡の前で、ものすごく練習したんです(笑)。でも、立って歌ってみてわかったのは、バンドのサウンドが背中を押してくれるんですね。これが気持ちよかった。自分が歌える以上のことを引き出してもらったような気がします。

──全14曲のライヴの最後はアンコールの「mother」で締めくくろうと決めてたの?

タイナカ:これは私のこだわりの一つだったんです。ほかの曲は話し合って決めたんですが、生まれて初めてのアンコールなので、ここはこだわりたいと。つまり、最初はアップテンポで出て、最後はバラードで締めたい、と。ワンマンライヴがやりたいと思ってたときから決めてたんです。そこは頑固にお願いしました。それで「mother」にしたんです。いまの私を一番伝えられるのは、ゆったりとした曲に乗せた言葉だったんで。

──アルバムからまだ3ヶ月。どんどん曲が湧いてきているのかな?

タイナカ:やっぱりメロディが出てくる周期ってあるみたいですね。ワンマンライヴをやったりと、刺激を受けることが多い時期なので特にそうなんだと思うんですけど。いまは、まさにメロディが出てくる時期にいますね。でも、この「愛しい人へ」は去年の12月くらいに作ったんですが、この時は相当悩んでたんです。21歳になって初めての作品ということで、“成長しなきゃ”っていう焦りがあったんでしょうね。アルバムよりもっともっと、っていう風に考えて曲を作ってたら、どのメロディがいいのか、どれが成長しているのか、何がなんだかわからなくなっちゃって。自分自身を超えなくちゃっていう変なプレッシャーを感じてたんですね。歌詞も同じで。早ければ1週間くらいで作るんですけど、この曲は2ヶ月くらい悩んで。

──そういう迷宮を突破したのは、何かキッカケがあったの?

タイナカ:もう期限は過ぎているし、どん底の気分だったんです。そんなときにふと、このどん底の自分を書いてみたらどうだろうと思ったんですね。それで書き出したら、すごくスムーズに書くことができて。それは、悩んで落ち込んでいるときに、自分の周りの大切な人たちから元気になる言葉をかけてもらったり、思いやりに溢れたことをしてくれたり、そういう心遣いが胸に染みたんですね。ファンの人たちからのメッセージも、普段以上に感激してしまって。そんなことを書こうと思って始めたら、かなり早く書き上げることができたんです。そして、出来たらすぐにレコーディング(笑)。アレンジャーさん、ごめんなさい。

──落ち込んだからこそ、できた曲なんだね。その時に支えてくれた多くの人へ“ありがとう”って言う曲だからね。

タイナカ:普段なら、もしかしたら恥ずかしくて書けない言葉かもしれないですからね。私、変にシャイで、いままで遠回しの表現をしてきたから、こんなに直接“ありがとう”なんて言葉をサビの一番最初に持ってくるなんて、普段の私ならしなかったかも。でも今回は、ちゃんと伝えたいなと思ったんですね。

──「愛しい人へ」は、単に男女のことじゃなくて、広く自分の愛しい人に向けた歌になってるね。この曲を書きあげることによって、自分自身も救われたような気分になったんじゃないかな?

タイナカ:自分が書いたことだから当然なんですが、歌詞に共感して、一人で歌っちゃったりしてます(笑)。でも、この“ありがとう”っていう気持ちに気づけたことによって、ちょっとでも成長できてたらいいな。聴いてくれる人にも、同じように感じてもらえたら幸せです。

──メロディも耳に残るんだよね。サビのところの。

タイナカ:それは嬉しい! メロディは普遍的っていうか、覚えてもらいやすいツボを探していたんですよ。だから、覚えてもらえるのが凄く嬉しい。

──囁くんじゃなく、声を張って“ありがとう”って歌ってるのが、聴く側もとても気持ちいい。

タイナカ:Aメロ、Bメロは低めの音でどっしり土台を作って、サビでドカンと行きたいっていうのをずっと考えてましたね。今回の曲では、言葉を伝えるためには声を張っていこうと。

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