多和田えみ、2ndミニアルバム『LOVE&PEACE』リリース特集 INTERVIEW

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──うんうん。同じく私的な内容の「MISERY」は精神的にオチてますよね? ♪床に転がったままのピアスに 気づいた頃にはひとりぼっちで♪って描写はかなりリアルだし。

多和田:かなりリアル、かなり激オチ(笑)。これを書いた時の気持ちを、そのまんま歌詞に綴ったんで。逃げたいほどの苦痛や惨めな感じ、心の影、闇の部分の気持ちをストレートに書いてます。他の曲は妄想系の歌詞だけど、この曲は珍しく、本を読んだ後にポッと浮かんだ情景にリアルな気持ちをくっつけた、みたいな。

──妄想系の歌詞?(笑)

多和田:妄想系…映像系っていうんですか(笑)。本を読んで、ふと思い浮かんだ映像や情景、過去の思い出を思い浮かべて、妄想しながら書くことが多いから。例えば「eternity」も、海辺の風景、波の音、潮の香り…過ぎ去った夏のことを思い出して書いてるんですね。

──香りも重要ですよね! ♪香りの記憶を辿るように 潮の満ち引きがつなぐ 運命の糸♪って大サビにあるけど、香りによって思い出されることって案外多いかも。

多和田:一瞬、フワッと何かの匂いがした時、“この匂い、嗅いだことある…何だったかな?”って反応して、次の瞬間、昔の記憶が鮮明に蘇ったりしますよね! まるで糸で引っ張られているように。好きだった人がつけていた香水の匂い、葉っぱの匂い、誰かと一緒に過ごした時に、その空間で香ってきた潮の香り…香りによって呼び起こされるんですよね、いろんな記憶が。

──葉っぱの匂い、潮の香り…、もしかして多和田さんにとって恋の季節は夏なんでしょうか?

多和田:そういうワケではないんですけど(笑)。何ていうか…夏の終わりって切ないじゃないですか。夏の最中は熱いし嫌だなって思う時もあるけど、空気や太陽の日差しが秋っぽくなってきて夜風が肌寒く感じるようになってくると、どっか寂しく切なくなって。その夏の儚さが恋の儚さに似てるなって思うんですね。儚いものだからこそ失いたくないっていう。

──だからこそ強烈に愛したいんですか? ♪I love you♪っていっぱい入ってるし。

多和田:…あ、ホントだ(笑)。大丈夫ですかね? 言い過ぎですかね?(笑)

──全然あり(笑)。で、ラストでは「潮騒」をカヴァーしてらっしゃいますが。

多和田:元々、オリジナルの「潮騒」がものスゴく大好きで、よく聴いていたんです。で、今回の作品に、この曲の海辺で繰り広げられるホンワカとしたラブ・ストーリーがスゴく合うなと思って歌わせてもらいました。オリジナルは30年近く前のものなんですが、山下達郎さんの曲は、いつでも鮮やかな世界を持っているな、と。

──ですね。実は前回の取材で“音楽で幸せにしたい”っておっしゃってたんですが、そういう想いが本作5曲から感じられたというか。歌から溢れ出してるなって思ったんですよ。

多和田:そうですか! だとしたら嬉しいです。


──レコーディングはスムーズでした?

多和田:今回、ダンス・チューンのようなアップ・テンポでリズムを感じるのが大事な曲が多かったので、よりリズムを感じながら歌いたいなと思って。ちょっと跳ねて歌った方が良いかな?とか考えながら試しながら歌いましたね。逆に、動かないで歌え、と言われたら、それは私にとっては過酷なことで。

──えっ、踊りながら歌入れする!?

多和田:とりあえず靴は脱いで(笑)、跳んだり跳ねたり後ろへ行ったり伸び縮みしたり(笑)、めちゃめちゃ動いてます。例えば「eternity」の大サビの♪運命の糸♪のロング・トーンを歌い終わった瞬間、ピョーンと後ろに跳んでいったり(笑)。

マネージャー:…そんなに動きながら歌ってたんだ(笑)。

多和田:(笑)もう恥ずかしすぎて誰にも見せられないからカーテンで仕切ってもらって。誰からも見えてないから解き放たれすぎるっていうのもあるかもしれないんですけど(笑)。で、しまいには髪の毛でマイクをこすっちゃって”何かバサッて鈍い音が入ったんでもう1回”とか”足音が入ったからもう1回”とか言われて、結局、歌い直しするハメになったり(爆笑)。

──(笑)。夏に行われる、いくつかのフェスにも出演されるそうですが、野外や海辺の大きなステージなら思う存分、自由に表現できますよ、歌でも動きでも(笑)。

多和田:♪運命の糸~♪って歌った後には2メートルくらい後ろにピョーン!と飛んでもOKみたいな(笑)。もうホント、全身で楽しみたいですね。

●取材・文 増渕公子

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