タイナカ サチ、綴った壮大なバラードで描く史上最高のリアルなラヴ・ソング「また明日ね/code」リリース大特集

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タイナカ サチ ラブ・バラード「また明日ね/code」リリース大特集

別れたばかりなのに またすぐに会いたくなる そんな女の子の気持ちが溢れた恋愛ポップスの金字塔

岡本真夜「TOMORROW」のカヴァーも収録


――「また明日ね」は、ずいぶんとリアルなラヴ・ソングですね。会いたいけれど会えない想いを綴った曲で……もしや、これって実体験?

 

タイナカ サチ(以下、タイナカ):そうですね(笑)。私が書く恋愛の曲って8~9割は実体験なんですけど、その中でも今までで一番リアルで身近な言葉を、私が大好きな壮大なバラードに乗せてみました。

――だって相手の男性像まで見えますもん。“手帳には真っ黒に潰れたデート”とか、よっぽど忙しい人なんだろうなって。

タイナカ:あはは(笑)。この時代、女性も男性も忙しいじゃないですか? 夜、電車に乗ってると疲れ切ってる女性もよく見るし、私自身もちょっとずつ忙しくなってきて、思うように好きな人に会えないことも多いんですよね。で、夜に一人で好きな人のことを考えながら“あ、全然会える予定がないなぁ”とかって思うと、果てしなく1週間が長く感じたりするんですよ。友達との約束だったらアッという間に当日になるのに(笑)。

――ああ。それでサビが“好きになるたびに 時間が未来が 少しだけ遠くなる”と。

 

タイナカ:そうそう。でも、仕事で忙しい毎日だからこそ恋が希望になる瞬間もあるから、ホント大げさなことじゃなく日々ある恋愛の中での1コマをつまむことで、“小さな幸せ”を歌にできたらなと。それで今年の夏、アコースティック・ライヴ・ツアーで全国を回ってたときに地方のホテルで書いたのが、この曲なんです。そうやって自分の生活を背負いながら誰かのことを想っているのは、私だけじゃなく誰でも同じだと思うんですよ。だから、聴いた人それぞれに自分のことのように感じてほしくて、PVでも何人かエキストラの女性の方々に出ていただいたんですね。

――パーソナルな出来事から生まれた曲だけれど、本当に幅広い人たちの心に響く曲ですよね。Aメロ、Bメロで淡々と抑えてサビで一気にエモーショナルに広がる曲展開も、胸にグッと迫るし。

タイナカ:確かに冷静さと情熱っていう要素は入れたいなぁと思ってましたけど、そこも計算して作ったわけじゃなく、自然とそうなったんですよ。ただ、私は本当に生音が好きなんで、ピアノ、ストリングス、ギター、ドラム、ベース……と、すべて生でレコーディングできたことは、本当に感謝したいですね。バンドの方たちが演奏してくださると、より曲に魂が籠もっていく感じがするし、すごくお気に入りの作品になりました。

――壮大で、温かい曲になりましたよね。「また明日ね」っていうタイトルも深いなと思うんですよ。単純に“また明日会いましょう”っていう意味とは違うでしょう?

 

タイナカ:私、明日会える予定がなくても、好きな人と電話してると“また明日ね”って、よく言っちゃうんです。切ない一言だけど、そこには“明日も電話できたらいいな”とか“明日も元気でいてね”っていう希望が込められているから、個人的にすごく好きな言葉なんですね。やっぱり恋をして人を好きになると、そうやって相手を思いやれるようになれる……自分が優しい人間になれるんです。

――いや、それが恋をする素晴らしさじゃないですか。

タイナカ:…そうなんだけれど、でも、常にどこかでサプライズを期待してる部分もあって。その本音を思い切って素直にぶつけたのが“窓の外も駅でも 突然待っててくれないかな…なんて”の部分なんです。“会えなくても大丈夫。頑張るよ”って口では言ってても、実際“あ、そう。わかった”って返されたら、“そこで納得しないで!”って思っちゃう。だから、自分が彼に言ってることなんて、ほとんどが綺麗ごとなんですよね…。

――でも、それが複雑な女心だし、男性には理解していただきたいところですよね(笑)。一転、両A面のもう一曲「code」は非常に抽象的な楽曲で、その対比が面白いなぁと。

タイナカ:これは曲も詞も提供されたものだったので、普段以上に“歌”にエネルギーを注ぎました。デビュー曲がオープニング・テーマになっていた「Fate」というアニメが今度ゲーム化されることになって、その主題歌として“歌ってください”と依頼された楽曲なんですよ。そういうスタイルも私にとってはチャレンジだなぁと思ったし、自分の楽曲解釈が果たして正しいのか最後まで悩み抜きながらも、できるだけ声に生命力を込めて歌いました。

 
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