楽器ができなくても音楽がバッチリ作れる「Music Maker 3」特集

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バンドマン必見!宅録だってバッチリ

新搭載のギターエフェクトでサウンドメイク

MIDIデータで鳴らした内蔵ソフトシンセのギター音色、録音したエレキギター・ギターアンプシミュレーターをかける

従来の「Music Maker」シリーズでもギター用エフェクターが内蔵されてきたが、3ではより強力なエフェクターが内蔵された。「VANDAL SE」がそれ。13のギター/ベース・アンプとギタリストにはおなじみの4つのコンパクトエフェクター(オーバードライブ、ディストーション、コーラス、フェイズシフター/トレモロ)を装備、キャビネットはスピーカーとエンクロージャーを個別に選択可能だ。これらを自由に組み合わせられるので、本格的な音作りが楽しめるギターアンプシミュレーターになっている。

停止状態では音の確認ができないが、再生・録音時にはリアルタイムでエフェクトが付加された状態の音が確認できる。ギターを弾きつつつまみをいじってサウンドメイクができるのだ。なお、録音されるデータはエフェクトなしの生音。録音後にエフェクターの設定をさらに追い込む、いわゆるリアンプも可能だ。

「Music Maker 3」に付属するギター素材、自分で入力したMIDIデータにこのギターエフェクターを通すのもオススメ。クリーンなギター素材に迫力ある歪みを加えるだけでもぐっと本格的になるのが実感できるはず。もとから歪んだ音を和音で再生するよりも、クリーンな音の和音にエフェクターで歪みを加えるほうが、リアルなギターサウンドになるのだ。

試聴サンプルはMIDIデータと録音したギターの両方を掲載。最初に原音、続いてエフェクトを付加した音になっている。オマケでエレキギターでコードをかき鳴らした録音にエフェクトをかけ、ギターソロ、ブラスやドラムなどのパートを追加したものも掲載。弾けないパートは素材頼りで。

ギターアンプシミュレーターのVANDAL SE。ペダルエフェクターなど見た目もやる気をそそるデザイン。アンプを録音するマイクの角度・距離も調整できるかなりの本格派だ。1つのアンプだけでも、設定によりかなりのバリエーションが得られる。
慣れるまでは用意されたプリセットを基に試してみよう。ちなみに、VANDAL SEにはチューナーも用意されている。

歌を録音して音程調整・ハーモニー付加

ボーカリストが注目すべきは「エラスティックピッチ」。これも強力かつおもしろい。音程補正やハーモニーの追加ができる機能で、メロディを変えられるほか、今はやりのロボ声、ケロケロ声も演出可能。極端に補正すればPerfumeみたいな特徴的な声にもできるのだ。低価格ソフトでここまでできるのは「Music Maker」のみ。この機能のためだけに購入する人も多いくらいだ。ぜひ、自分の声を録音して試してみてほしい。「自分の歌に自信がない」「恥ずかしい」という人はVOCALOIDとの連携を試してみよう。

試聴サンプルでは原音に続いてエフェクト後の音を収録。メロディの変更、ロボット声のような効果のほか、ハーモニーの付加(メジャー/マイナーなどを選択可能)、声の特徴を決めるフォルマントを調整したものを掲載。フォルマント調整では、声を甲高くしたり太くしたり、男女入れ替えなんてことも表現可能だ。

収録素材のボーカルパートから調整前のサンプル。
四角で表される音を上下することで音程を修正したりメロディが変えられる。
オレンジの線を直線にすれば無機質なロボットのような声も表現できる。
エラスティックピッチで声をさまざまに加工。

バッキングパートはMIDIで

用意された素材に飽き足らないという人はMIDIデータを自分で作成することになる。MIDIキーボードでのリアルタイム録音や、マウスでのデータ入力に対応。これなら、思い浮かんだメロディ・フレーズの再生もOKだ。サンプリングされたリアルな楽器音を自由に演奏できるシンセサイザー「VITA」は、ギター、ドラム、キーボードなどのバンド系はもちろん、ストリングスやブラスといったオーケストラ向け、民族楽器などのアコースティック楽器、テクノ向けシンセなど豊富なサウンドが揃っている。

このほか、人間らしいドラムフレーズをイントロ/Aメロ/サビごとにプリセットから選ぶだけで叩いてくれる「LiViD」や、テクノ向けシーケンスフレーズ生成に便利なシンセ「Revolta」、各種ドラムマシン、雰囲気演出に活躍する「Atmos」など多彩なサウンドが揃っているので、音源の追加はしばらく考えなくてもいいだろう。

MIDIデータの入力はピアノロールと呼ばれる方法で。縦が音程、横の幅が音の長さを表す。楽器音が豊富に用意されているので、多くのジャンルに対応可能だ。
ドラムパートにはLiViD。ポップス、ロック、ファンク、ラテンのジャンルをカバー。Intro、Verse、Bridge、Chorus、Outro、Fill-inと曲の展開に合わせて選択するだけで人間っぽいドラムフレーズを叩いてくれる。シャッフルやヒューマナイズといった調整も思いのまま。
環境音生成装置といった趣のAtmos。その名のとおり雰囲気演出に役立つ。ジャングルなどの自然音のAmbient、雷やストリングスなどが重厚なMovieScore、ストリートの雑踏を表現するHiphop、雨や虫の音が聴けるHilloutのプリセットを用意。
ルックスもナイスなアナログリズムマシンROBOTA。パターン、ドラムキット(音色)ともに豊富にプリセットが用意されている。パターンはローランドTRシリーズライクにボタンのON/OFFで構築できる。
ドラム音源LiViDは4ジャンルパターンを内蔵。Atmosは環境音、ROBOTAはアナログリズムマシンだ。

マスタリングエフェクトでCDに負けない音圧

ミックスが終わった曲はマスタリングで仕上げ。市販CDに負けないだけの音圧アップはマスタリング専用エフェクターで一発だ。iPodに入れたときに、ほかの曲と比べて音量が小さい、なんてありがちなこともこれでオサラバだ。

マスタリング用のエフェクトはミキサーのマスタートラックからボタン一発で呼び出せる。設定はまずはプリセットを選ぶだけでいいだろう。

音楽ジャンルごとに最適な設定がプリセットとして用意されているので、これもまったく知識なしでカンタンに試せる。音質調整のイコライザー、音量が上がりすぎて歪むのを防ぐリミッター、粒をそろえるコンプレッサー、ステレオ感(広がり)を調整するエフェクトも装備する。マスタリングが終わった曲はMP3ファイルで出力して、Webにアップしてみんなに聴いてもらおう!

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