シンフォニックメタル・プロジェクトLIV MOON、名曲の数々を歌うカヴァー集『COVERS ~Scream As A Woman~』特集

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LIV MOON

最新アルバム『COVERS ~Scream As A Woman~』2010.06.23 リリース

シンフォニックメタル・プロジェクトLIV MOON
恐ろしいほど美しい“4オクターブの女神”Akane Livが
その美貌と人間離れした美声で名曲の数々を歌う

INTERVIEW-02

――帰国後は舞台のお仕事をしながら、LIV MOONの活動が始まるわけですね。しかもシンフォニックメタルをやろうっていうのはどういう流れなんですか?

Akane Liv:北欧には有名なシンフォニックメタルバンドがたくさんありますし、スウェーデンのチャートの中には、普通にシンフォニックメタルがチャートインしています。日本では、今のところあり得ない状況ですね(笑)こんなにも多くの人が楽しめる音楽があるということを日本の皆さんにも聴いてほしいと思って。たまたまタクシーの中で、フィンランドのシンフォニックメタルバンド ナイトウィッシュの『オペラ座の怪人』を聴いたんです。その時に、「これをやろう!」と。シンフォニックメタルはまだ日本に全く浸透していないので、どういう曲がシンフォニックになるのかというのを1から手探りで作り始めました。1枚目のアルバム『DOUBLE MOON』はクラシックを聴いてる人がメタルを聴くようなきっかけになればなと思って、サラ・ブライトマンとアンドレア・ボチェーリがデュエットしている『Time to say good-bye』をカバーしたり、また逆に、メタルファンがクラシックに興味をもってくれたらなと思って、工夫して作りました。今回の『COVERS~Scream As A Woman~』はカバーなんですけど、3月のライヴでオリジナルが足りなかったので、カバーをやるならどんな曲が良いのか自分のブログで募集したんです。メタルに限らず、ジャンルも幅広く、色んな曲のリクエストをいただきました。それがきっかけで、カバーアルバムを作ってみたら面白いんじゃないかということになって。ファンの皆さんの意見が今回のアイデアの元になっていますね。ヘヴィメタルをシンフォニックメタルでやっても面白くないので、あえてジャンルの違うポップス……マドンナだったり、BLONDIEだったり、ABBAの曲を選んでみました。シンフォニックメタルを聴いてもらうきっかけにもなるだろうし、ABBAが好きな人がLIV MOONを知るきっかけにもなったら良いなと思っています。

――ロックとは違う歌声が、ロックサウンドに乗ってるんですけど、一見相反するものなのに融合している面白さがありますよね。

Akane Liv:そう。でも合うんですよね(笑)。ジャズなんかだと、ある程度技術があればその場でアドリブでセッションできると思うんですけど、クラシックやメタルは絶対に前もって練習することが必要なんですよ。LIV MOONは難解なフレーズも多いですし(笑)今回は声質的にもミュージカルでもオペラでも使わない声を使っています。1stのときは完成してない声もあったし、こういう声も出せるけど、みんなに聴いてもらうにはまだ早いっていう声もありました。1年経って、この曲ではこういう声で唄いたいっていう提案もできるようになって、挑戦できるジャンルや曲も増えた感じなんですね。そういう意味でも1枚目は手探りだったものが、今回は1枚作ったあとなので、理解も深まった上で作り上げたという印象です。

――すごい研究熱心ですね。

Akane Liv:そうかもしれないですね(笑)でも、まだまだですよ。歌詞に関しては、カバー曲だからこそ、重点的に掘り下げました。ケイト・ブッシュの『Wuthering Heights』(邦題:嵐が丘。エミリ・ブロンテの小説『嵐が丘』が題材になっている)はワンマンライヴでも唄ったんですけど、その時は時間がなくて掘り下げられなかったんです。でも今回は、『嵐が丘』の小説を読んだり、映画を見たり、テレビでやったドラマも見て、キャサリンっていう主人公の気持ちや嵐が丘の風景までも掘り下げてからレコーディングに望みました。その準備のおかげで、あの世界観にも入っていきやすかったですね。亡霊の世界観(笑)クイーンの『The Show Must Go On』は、私の大好きな曲です。フレディ・マーキュリーが生きた時代は、エイズへの捉え方も今とは違ってたと思うし、歌詞の中でも、この言葉が差しているのはどういうことだろう?って常に考えながらプロデューサーの西脇辰弥さんと話し合いましたね。部屋で練習している時には、歌詞に感情移入してしまい涙が溢れて歌えなくなることもありました。

――英語だからこそ、日本でリリースした場合に感情で伝える部分が大事ですもんね。お芝居の役作りに似てませんか?

Akane Liv:そうかもしれないですね。英語だから余計に深くしなきゃと思ったんですよ。日本語でも同じですけどね。だから、対訳を見るのではなく、自分たちで解釈していったんです。それをバンドのメンバーに伝えて。ベースの廣瀬“HEESEY”洋一さんも『これはこういう意味だったんだ!』って、涙を浮かべながらレコーディングに参加されたりとか。

――曲のイメージをバンドメンバー全員一致させたんですね。すごいチームワーク。

Akane Liv:はい。それだけで歌だけでなく、演奏も変わりますからね。ずっと同じメンバーでやってるので、これからもそうやって積み重ねて重厚な音楽にしていきたい。これを元に、2枚目のオリジナルを作るときはもっと世界を広げて作れるんじゃないかと思います。

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