『ゲット・ラウド』、小林克也、Char…ジャパンプレミア大盛況

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9月9日公開の音楽ムービー『ゲット・ラウド ジ・エッジ、ジミー・ペイジ、ジャック・ホワイト×ライフ×ギター』のジャパンプレミア試写会が、六本木ミッドタウン内にあるビルボードライブ東京にて開催された。

◆『ゲット・ラウド』予告編映像&画像

ここでは、本作の字幕監修を手掛けた小林克也、Char、鈴木おさむ、映画コメンテーターのLiLiCoが登壇、それぞれの言葉で本作の魅力「人生」と「ギター」について語った。

Charは、ギタリストじゃないと分からない会話や考え方が随所に出てくる点に共感を持ったようだ。「ギタリストとしてギターのドキュメンタリーを観るとつまらないんですよ。でもこの映画は、この三世代が詰まっているところが面白いですよね。音楽じゃないところでも、何をテーマにすれば世代を越えて付き合っていけるのか、凄く分かりやすい映画になっているのかな」と、世代感をテーマにした映画として分析。

また、小林克也は「一回涙が出ましたね。何回か鳥肌が立ちました。一番の鳥肌を感じたところは、ジミー・ペイジ自らが、ジョン・ボーナムのドラムの録音場所の種明かしをするシーン。そこで演奏したのか!と感激しました」と語り、「僕からひとつ言いたいことは、この映画はギターの映画に見えて、ギターの映画ではないということ。例えば、おそらくみんなも3人のいずれかの音楽を聴いているはず。世代を繋ぐ感動がまずあって、そしてもう一つ、クリエイトすることの悩みを体験した人は、この映画を観ると救いがいっぱいあると思いました」と感想を述べた。

様々な創作を手掛ける鈴木おさむは、「好きなことを創り続けるって辛いことじゃないですかでも、その辛さを越えた人たちの人生の物語だから、なんだかそういう人ってカッコイイなって思いました。ギタリストとしてではなく、男として」と大きくうなずいた。

紅一点LiLiCoは、「何かに夢中になることって、幾つになっても遅くないし、その夢中になったことで成功して、みんなに影響を与えているってことは本当に素晴らしい。みんな趣味を持たない、何も夢中になれない、どうしたらいいか分かんない、草食男子ばかりの今の世の中で、本当に気持ちいい男性たちですよね」と女性的な視点から感想を添えた。

御年70歳の小林克也は、「ついに大台に乗った今、この映画が本当にいい冥土の土産になった!」と本作に太鼓判を押す場面も。


   ◆   ◆   ◆

鈴木おさむ:(観客を観て)いいですね~、お酒飲みながら~(笑)。さて、今回の映画、まず最初にご覧になった感想は?

小林克也:僕は涙がいっかい出ましたね。何回か鳥肌が立ちました。一番の鳥肌は、ツェッペリンが1970年代(に収録に使った)家があるだけど、あそこを紹介するシーンです。ドラマーのジョン・ボナムの太鼓を、そこで演奏したのか!っていうところですね。僕が一番年上なもので(笑)。

Char:僕が一番年上だと思っていたんですが(笑)。やっぱりギタリストじゃないと分からない会話や考え方、そういうものが随所に出てきて、いわゆる60年代、70年代に活躍したジミー・ペイジと、80年代、90年代以降、まったく世代の違う3人ではあるんですけど、ギター馬鹿、といっては自分もそうなんですが、ギターに魅せられた、それが無かったら自分の人生がどうなってたか分からない3人の集まりなんで、非常に自分にフィードバックしました。ジミー・ペイジの世代も背伸びしてみてきたから分かるし、ジ・エッジが1960年代生まれで、自分の弟みたいだし、あーうちの弟もこうだったなって分かるし、今度はジャック・ホワイトは自分の息子を見ているような感じです。

LiLiCo:一番ギターも何も関係していない自分ですけど、映画としてやっぱり音楽ものとか、特にドキュメンタリーもので、観ていてどこかで分からなくなってしまったり、飽きてしまったりするときが多いんですね。出ている人が分からなくなったりすると、余計にそういう現象が起こると思うんです、特に女性に多い傾向ですが。でもずっと(この映画に)夢中だったんですね。全然違う世代の3人の男たちが、ギターというものを通して、こんなに熱く子供のように、新しいギターの箱を開けた時の喜び、表情が最高で、こんなにも子供に戻っている可愛い面、3人の絆みたいなものがすごい熱くて、ホント夢中になりました。こんなによくできた音楽映画は珍しいな、て思いました。

鈴木おさむ:監督は、『不都合な真実』の監督なんですよね。音楽ロックばっかりの監督でない、ってところが映画として凄い良くできている。

LiLiCo:それだからこそ、みんなが知りたいことを、興味を持つように作ろう、という作りになっていて、あっという間の時間でしたね。

鈴木おさむ:まず、このギタリスト3人が揃うこと、というのは凄いことですか?

小林克也:凄いことですね。

鈴木おさむ:この3人は不良ですか?

小林克也:不良であり、「オタク」であり…。

Char:不良じゃないですね。ほとんどのギタリストが不良っぽいですけど、この3人は志がはっきりあって、この映画を観ると分かるんだけど、僕にしてみれば、ザ・ベンチャーズが日本でエレキを普及して、ザ・ビートルズが居て、ザ・ローリング・ストーンズが居て、星の数だけいろいろ出てきた中で、突然ジミー・ペイジ率いるレッド・ツェッペリンが出てきて。今までのイギリスのポップス、アメリカのロックとは全く違うのもがラジオから流れてきたわけなんですよ。それは今回の映画を観て、なるほどジミー・ペイジはこういうことを考えていた、かなり計画的犯行だったのか、ってことが分かりましたし、それはやっぱり何かへの反発が必ずあって、その反発がエレキギターに乗り移っている。他の2人も、この映画を見て、あんまり僕は知らなかったんだけど、ジャック・ホワイトを初めて映像で観たんですね。「なんだ、コイツは?」と思ったんですよ。コイツは何かやりたいこと、言いたいことがあるんだけど、何かコイツは計画してるな、って感じました。U2もそうで、アイルランドのバンドなんだけど、何か根底に言いたいことがある。ただそのマーケットに乗ってきて、出てきている奴らではないな、と思いました。ギターの上手い下手という見方もありますが。

鈴木おさむ:そういうのってやっぱり気になりますよね。3人のギターテクニックは、僕はまったく分からないんですけど、上手いとかそういうレベルでは無いんですか?

Char:やっぱりもちろんそういう意味では、ジミー・ペイジが一番長くやっているので、オンタイムで30年代、40年代、もしくは50年代の音楽を聴いていた人だと思うんです。でもジャック・ホワイトは僕の子供みたいなものなんで、ブルースという音楽があったらしい、と逆行していくんですよ。逆行していく途中で、ジミー・ペイジが居たり、そこにエッジが居たり、そうすると上手いか、上手くないかではないですね。3人とも男の子みたいな感じなんですけど、男の子が何かこれしかできないってものが必ずひとつあるですよ。それを、水を得た魚のように、ギターというアイコンを持った瞬間に、突然自分の中にあるものが吐き出せていく、っていうところでの、3人のキャラクターをよく集めたと思いますよ。ココに、エリック・クラプトンを入れても面白くないでしょ(笑)?昔は良かったね、とかあいつ覚えてる?とか丸っこいセッションで終わっちゃうんだと思うんですけど(笑)。

鈴木おさむ:そうですね、僕はぜんぜんギター詳しいわけではないですけど、セッションが始まるときの、なんですかね、あの空気のトゲトゲしさ。

Char:一瞬あるでしょ?緊張感が。

小林克也:打合せ無しでやったみたいですよ。で、コードを結構忘れてるでしょ?いいかげんなセッションだし。

Char:「あそこ、Bマイナーだったっけ?」って、そんなこと誰でも知ってる(笑)。

小林克也:ストーンズが集まっても、ビートルズが集まっても、みんな意外といい加減だもんね。

Char:(映画は)それまでは、ペイジ中心でトークを含めてやっている感じがあって、ギターを持った瞬間に全員「お前には負けないよ」みたいな感じになるですよ。

小林克也:そのギターの上手い下手って、癖・個性になってきたとき、その人のものになる。例えば、Charなんかすごいテクニックがあるんだけど、Charのギターになってるってところなんだよね。

Char:自分の魂をギターに乗せて弾いているので、やっぱりはじめから引っかかってくるんだよね。アマチュアの時に、ジミー・ペイジを聴いてコイツ何か違うな?と。U2を聴いたときも何か違うな、と感じたし。自分もジミー・ペイジと同じような年になってきたとき、ホワイト・ストライプスが出てきて、コイツなにか引っかかるなって。ジョン・メイヤーもその一人なんですけど。

小林克也:でもね、いろんなところからアーティストが出演するコンサートがあって、最後にCharが出てきてね、その時Charがね、後光が差してたんですよ(笑)。憎らしいなあ~(笑)おおおおって口を開けた感じ見るアーティストだよ。ジミー・ペイジがまずそうだよね。

Char:最初に日本に1971年でしたっけ?武道館来日があって。それまでは動くアーティストは、アメリカのTVショーでは見たことあったし、当然その時は日本にはグループサウンズがいっぱいあって、そういう人たちのは観たんですけど、いわゆる(外国の)ロックバンドは観たことがなかった。自分は高校一年だったんですけど、もうショック。今まで自分がやってきたことってなんだったのか?なんでかというと、凄く自由だったんですよ。今までのコンサートは、持ち歌があって、ヒット曲があって、そして盛り上がってという流れだったんですが、ツェッペリンはステージの上で何かを表現しようとしてて、その時の印象がいまだにあって、のちのち後の2人もツェッペリンに影響されていると思うんですけど。向こうの評論家が言うには、ロックバンドだと、ローリングストーンズ系になるか、レッド・ツェッペリン系になるか、どっちかしかなくて。ギタリストが中心になって何かをプロデュースしていくバンドになるか、フロントが煽って何かをやっていくか、なんです。そういうことなんで、キース・リチャーズは下手ウマでもいいです(笑)。キースは3つくらいしか、コードを知らない(笑)。

小林克也:ジ・エッジなんかが出てきたときは、ワンパターンのギタリストと言われたしね。この人は、グループとともに成長した人だよね。下手だったからか、独特の演奏をして、それが彼じゃないと弾けないという個性になった。ストーンズのキースじゃないけど、ミック・ジャガーがソロをやっても絶対成功しないのは、キースのボケギターが無いから(笑)。だからCharとやるボーカルは、ボケボーカルじゃないと駄目だね(笑)。この映画について、僕からひとつ言いたいことは、この映画はギターの映画に見えて、ギターの映画ではない、ということ。例えば、雑誌社の人だったり、TVの人だったり、みんな3人いずれかの音楽を聴いてきてるじゃない。その共通項がまずあって、そしてもう一つ、クリエイトすることの悩みを体験した人は、この映画を観ると救いがいっぱいあると思いました。

鈴木おさむ:好きで、ものをやるって辛いことだな、ってあるじゃないですか?でも、好きで始めて、それを越えた人たちの人生の物語だから、なんだかそういう人ってカッコイイなって思いました。ギタリストとしてではなく、男としてどうですか?この3人。

LiLiCo:何かに夢中になることって、いくつになっても遅くないし、その夢中になったことで成功して、みんなに影響を与えてることって本当に素晴らしい。みんな趣味を持たない、何も夢中になれない、どうしたらいいか分かんない、草食男子の世の中で、気持ちいいですよね。

Char:ギターを弾けなかったやつが、ギターに出会って弾いていくんですよ。ジミー・ペイジにしたって最初からうまい訳ではないし。そこが凄く面白くて。

小林克也:楽屋で話してたけど、オープニングのシーン、みんなショック受けると思うよ。

Char:僕も子供の頃、お年玉が300年分くらい必要なくらい、エレキギターは高いもので。絶対手が届かなかったもの。それをオープニングのシーンでね…コレでいいんだ!と(笑)。

鈴木おさむ:編集もすごくうまいですよね。これを観た日本のアーティストが1年以内に、パクると思いますよ(笑)。

小林克也:ジミー・ペイジは完成した映画を観て、編集した本編を観て、事実と違う!て言ったらしいよ。俺らが思った映画と違うと思ったらしい。(LiLiCoさんへ)ギター無しで考えると、ジミー・・ペイジは(頭が)おかしい人に見える(笑)?エッジは当時パンクで怖かったけど、この映画で見ると、なんかアイルランドのじいさんになる感じが出てる。二枚目とかいないよね?

LiLiCo:心が二枚目ですよね(笑)。でもそれも気にならないくらい、伝わってきました。

鈴木おさむ:興味深い話もありますが、もうそろそろお時間に…。では最後に一言ずついただきます。

LiLiCo:(映画に出てくる)熱い男たちに恋して、楽しんでください!

Char:ギタリストとして観ると、ギターのドキュメンタリーってつまらないんですよ。古いもののアーカイブだったりすると、すごく面白いんですが。これは、この三世代が詰まっているところが面白いんですね。ご覧になったら、音楽じゃないところでも、何をテーマにして世代を越えて付き合っていけるのか、凄く分かりやすい映画になっているのかな、と思います。

小林克也:僕はもう大台を越えて、なんとなく冥土の土産を探すようになってきた。この映画が良い冥土の土産だと思う(笑)。

鈴木おさむ:小林さんに冥土の土産と言わせたこの映画、凄いですね。あと、このTシャツもコラボして作っていたりして。

小林克也:こういうのも良いよね。

Char:それじゃ、普通の土産じゃないですか(笑)!

   ◆   ◆   ◆

豪華ゲストたちの、一夜限りのトークジャムセッションの終了後は、五感を満たすライブ空間と、5.1chの最高のサウンドが備わる会場「ビルボードライブ東京」にて本作を特別上映。観客は生演奏さながらの音響に酔いしれながら、特別な一夜を過ごした。

映画『ゲット・ラウド ジ・エッジ、ジミー・ペイジ、ジャック・ホワイト×ライフ×ギター』
9月9日(金)より、TOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国ロードショー
出演:ジミー・ペイジ(レッド・ツェッペリン)、ジ・エッジ(U2)、ジャック・ホワイト(ザ・ホワイト・ストライプス)
監督:デイヴィス・グッゲンハイム(『不都合な真実』)
提供:ソニー・ミュージックエンタテインメント
配給:アスミック・エース
(C)2009 Steel Curtain Pictures, LCC, All Rights Reserved

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