【インタビュー】Brandel「バンドのグルーヴを突き詰めることができて初めてお客さんも楽しく踊れるかなって思うんです」

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■4人で合宿して曲作りをしながら
■新しいBrandelとしてのチューニングを重ねていった

――より世界に向けての想いが強まったわけですね。それで最新作の「WHERE THE SUN RISES」はすべて英語詞で。タイトルもそうですが、再スタートのイメージが強い内容ですね。

Juker:タイトル自体、「日が昇る場所」っていう意味ですし、「ここから行くよ」っていう意識で作ったミニアルバムになっています。

――以前は叙情的でUKロック的なイメージで捉えていましたが、今作はわかりやすくアメリカンが入りましたね。「Let me go」や「Crazy Time」のような複雑というよりはシンプルで、わかりやすさがある曲のイメージが強いというか。これは今までにない色なのかなぁと。

Kaz:そうですね。たくさんライヴを重ねる中で、お客さんをどうやって盛り上げるか、乗ってもらうかっていうような方向にシフトしてきて。昔は踊らせるとか、乗ってもらうとか、ドラマーとして個人的にはそうしたかったけど、バンド全体的にはそこまで考えてなかった。でも3人でライヴをやっていくうちにどんどんそういう方向にシフトしていって。今作はリズムを意識した曲が増えたと思います。お客さんを気持ち良く踊らせたりっていうのが、アメリカンなテイストに聞こえるのかもしれない。ライヴとなると4人でしか音が出せないじゃないですか。音が少ない中で、どうやったら自分たちの音楽を表現していくかっていうのも追求したことの一つで。それがこのCDにシンプルさとしてうまく現れたというのがあります。

――4曲ありますが、どこを柱に作っていっ(た)んですか?

Kaz:タイトルの基にもなっている先行配信曲の「Sunrise」が中心ですね。この曲は昔からあった曲だけど、3人でやっていたときにはギター二本の絡みの関係でできなくて。だからTakiさんが入って早々に覚えてもらった曲でもあって。Takiさんも気に入ってくれたから、これを4人で録りたいよねっていうところからアルバムを作り始めたんですよ。

Lyuon:4人で合宿して曲作りをしたんです。曲を作るだけじゃなく、ご飯を食べたりして交流を深めつつ、どういうCDにしたいかっていう話も。その中でできたのが一曲目の「Let me go」。ボーカルのTakiが「この曲どうかな?」って初めて弾き語りで原案を持って来て、みんなでアレンジした曲です。

――合宿はどれくらいの期間でやってたの?

Lyuon:一泊二日を何回かって感じですね。その時間の使い方が効率が良くて。合宿以外にもちょこちょこ集まってはいたけど、次の合宿までの間に原案を持ってくるとか。各々が考えをまとめてくるとか、そういう時間も作りつつ、徐々に新しいBrandelとしてのチューニングを重ねていったっていう感じですね。

Juker:しばらく3人でライヴをやってたから、うちら3人とTakiとの距離感を詰めるのも大事だなって思っていて。集まって帰って、また集まってってやってると、その距離感も縮みづらいなっていうのもあったので。一泊でも一緒に過ごし、寝食を共にするのは大事かなって。

Taki:やっぱり、そういう時間って大きかったですよ。お酒の力を借りてってこともあったけど、みんなで一緒にご飯食って、その後、「晩酌しますか」ってなるじゃないですか。そのときに、言いたいことが言えたり、初めて腹を割って話せる時間ができて。それはすごく良かったなぁって思いますね。

――距離さえ縮まれば、楽曲に対して深く掘って行くことも、より楽にできるようになりますもんね。

Juker:そうですね。僕ら、曲はみんなで作っているんですよ。だからクレジットも全部「Brandel」で。だからこそメンバー間のイメージの共有が大事なんです。僕らは全員曲が作れるから、イメージの共有に時間を割いてます。

――イメージの共有っていうのは、Brandelが曲作りで以前から大事にしているところでしたよね。

Lyuon:そこは全員が曲を書けるからこそ大事にしているところでもありますね。1人で絵が描けないと全員で絵を描くのは難しいですから、常に追求している部分。

Taki:バンドのみんなでイメージの共有なんてやってなかったから、「なんで今までやって来なかったんだろう」って思いました。やっぱりみんなで同じゴールに向けて進んでいる中で、誰かが別の方向を向いていると、ハタから見てる人にもわかっちゃうってことが理解できました。

Juker:僕ら、歌詞が英語じゃないですか。でも、今はあくまで日本で活動をしている。そう考えるとやっぱり英語って伝わりにくいなぁって部分が大きいんですよ。だから、音楽を通じて、僕らの伝えたいことをいかに伝えるかってことを考えた結果、イメージの共有っていうのは必要なんですよね。日本語でやっていると、伝えたいことはサラッと伝わっちゃうと思うんですよ。

Lyuon:イメージを共有して音楽を伝えようとしている人って、歌詞がわかるかわからないかの前に、サウンドだったり、ヴォーカルの唄い回しで、悲しい、嬉しいっていう感情もわかると思うんです。そういうダイナミクスとか、楽器の音色、フレーズ……どれをとっても4人で一つの表現をしたいんですよね。時にはそれぞれが別の方向に行くアレンジもあると思うんですが、あまりそうやってお客さんに丸投げしすぎるのはどうかと思う。なおかつ、自分たちもわかってないとなると、ライヴをやってても「どうなの?」って想いもあって。ただでさえ初めて見るお客さんと対峙してるのに、通じ合えないまま終わるっていうのは嫌なんですよね。

Kaz:僕らはあくまでバンドのグルーヴっていうのも一つの武器にしたいと思っていて、そのためにはそれぞれの楽器が何をしているかっていうのを把握していないと、本質的なグルーヴには繋がって行かないと思っています。なんとなく合ってるよねっていうのは、ハタから見たら合ってるように聞こえるかもしれないけど、もっと細かいところで詰めて行くことがバンドのグルーヴに繋がるし、そうなって初めてお客さんも楽しく踊れるかなって思うんですよね。

――新生Brandelの楽曲が4曲増えましたが、まだまだいろんな曲が聴きたくなるような作品ですよね。

Kaz:もう次の作品の制作もやっているんですよ。

Lyuon:次の作品は、突っ走っているっていう感じが出るようなものになってると思います。僕らのライヴに来ていただくとわかると思うんですが、僕らのライヴのスタイルっていうのも自分たちの中でできていってるんです。そのスタイルに近いのが次のアルバムだと思います。楽しみにしていてください。

取材・文●大橋美貴子

●「WHERE THE SUN RISES」ダイジェストムービー
『WHERE THE SUN RISES』
\1,260(tax in) / GUGC-2002
2013年5月08日 発売
1. Let Me Go
2. Crazy Time
3. Acceleration World
4. Sunrise

<WHERE THE SUN RISES Tour>
6.22(土)姫路 Beta(-NEW-)
6.24(月)神戸 KOBE 太陽と虎
6.25(火)京都 KYOTO MUSE
6.26(水)和歌山 CLUB GATE
6.27(木)大阪 ROCKTOWN
6.28(金)滋賀 U-STONE
6.29(土)奈良 NEVER LAND
6.30(日)岐阜 RAD REVER(-NEW-)
7.01(月)豊橋 club KNOT
7.04(木)京橋 ism (Semi Tour Final)(-NEW-)
7.05(金)広島 ナミキジャンクション
7.06(土)鳥取 AZTiC tottori
7.13(土)渋谷 RUIDO K2(Tour Final)(-NEW-)

◆Brandelオフィシャルサイト
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