【ライブレポート】ビクターのロック愛に応える熱演の連続。<ビクターロック祭り~音楽の嵐~>

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さあいよいよトリを務めるサカナクションだ。シンセの音に導かれるように照明が明るくなると、ステージ正面にヘッドフォンをつけたメンバーが一列に並んでいる。ラップトップを前に歌う山口。曲は「ミュージック」。2013年大晦日に紅白歌合戦で見せた光景だ。後半、それぞれの定位置につくとサビでは観客も一斉にジャンプ! 幕張メッセが揺れている。続く「アルクアラウンド」ではキメのハンド・クラップが壮観だ。緑色のレーザー光線が飛び交うステージとサカナクションの音楽が一体となり、昂揚感につながっている。「一緒に踊ろう!」と観客に声をかけてから「夜の踊り子」へ。サビのロングトーンがサカナクションの楽曲の特徴であることがよくわかる。

曲が終わると、すかさずパーカシッヴなイントロが流れてドッと沸く観客たち。「アイデンティティ、みんな一緒に歌えますか!?」と始まったコーラスから、サビまでもちろん大合唱だ。そのまま「ルーキー」になだれ込む。ひたすらアガるセットリストだ。ラストは「Aoi」でステージを降りたものの、鳴り止まぬアンコールの声に応え、1月にリリースされた新曲「ユリイカ」を披露。手振り身振りを交え都会の孤独を歌う。「本日はビクターロック祭りに来て頂いてありがとうございます。CDが売れなくなってフェスで稼ぎを生み出そうとしていますが……。」とのMCに笑いが起きたが、「こういうイベントを機に各アーティストのCDを手にとって頂ければな、と思います。」という言葉には大きな拍手が送られた。そしてレコード会社のスタッフへの感謝を気持ちと共に、「これからもビクターをよろしくお願いします。本日はお越し頂きまして本当にありがとうございました!」と出演者を代表して挨拶。最後は同じく新曲の「グッドバイ」でフェスを締めくくった。

初めての開催となった<ビクターロック祭り>。レコード会社によるフェスということでショーケース的な意味合いも想像していたが、各アーティストの熱演により、ビクターがロックへの愛情をもって音楽を世の中に届けていることが良く分かるイベントだった。サカナクション山口のMCではないが、ぜひ今後も続けていってほしいと思う。日本の音楽シーン自体はいまやとてもレベルが高く、素晴らしいミュージシャンが沢山いるのだから。

取材・文 岡本貴之

「ビクターロック祭り~音楽の嵐~」セットリスト
●SPECIAL OTHERS
1.PB
2.AIMS
3.Uncle John
4.IDOL

●家入レオ
1.太陽の女神
2.SHINE
3.a boy
4.Who’s that
5.Bless you
6.Linda
7.Papa&Mama
8.サブリナ

●THE BACK HORN
1.コワレモノ
2.声
3.罠
4.シリウス
5.バトルイマ
6.シンメトリー
7.コバルトブルー
8.刃

●Cocco
1.ありとあらゆる力の限り
2.強く儚い者たち
3.夢見鳥
4.ドロリーナ・ジルゼ
5.樹海の糸

●サンボマスター
1.世界を変えさせておくれよ
2.ミラクルを君とおこしたいんです
3.未練は残さず踊るつもりだ
4.そのぬくもりに用がある
5.世界はそれを愛と呼ぶんだぜ
6.できっこないをやらなくちゃ

●THE BAWDIES
1.ROCK ME BABY
2.IT’S TOO LATE
3.YOU GOTTA DANCE
4.LEMONADE
5.DANCE THE NIGHT AWAY
6.SHAKE A TAIL FEATHER
7.HOT DOG
8.SING YOUR SONG
9.JUST BE COOL

●くるり
1.ワンダーフォーゲル
2.ブレーメン
3.ロックンロール・ハネムーン
4.everybody feel the same
5.花の水鉄砲
6.Loveless
7.虹
8.東京

●Dragon Ash
1.Run to the sun
2.Trigger
3.The Live
4.Still Goin'On
5.百合の咲く場所で
6.Fantasista
7.Lily
8.Viva la revolution

●サカナクション
1.ミュージック
2.アルクアラウンド
3.セントレイ
4.夜の踊り子
5.アイデンティティ
6.ルーキー
7.Aoi
En-1 ユリイカ
En-2 グッドバイ


◆BARKSライブレポート
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