【ライブレポート】日本の音楽にシンガポール熱狂。<JAPAN NIGHT 2014 in MUSIC MATTERS>

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続いて登場するのは、2014年の“J-Rock代表”でもあるTHE ORAL CIGARETTES。ちなみに現地では、この転換タイミングで、ステージ後方の店舗の2Fに設置されていた関係者スペースから、ナオト・インティライミがふらりと顔を出して、観客たちの歓声に応えるというサプライズも。

2010年に結成され、2012年にMASH A&Rオーディションにてグランプリを獲得。そして2014年7月16日にメジャーデビューするTHE ORAL CIGARETTES。日本では耳の早いリスナーからすでに騒がれている彼らだが、当然、シンガポールでの知名度は皆無。だからこそ、彼らがどんなライブを行なうか、そして初めて出会う彼らの音に、シンガポールはどんな反応を示すのかは興味深いところであった。

初めての地で、初めましての、しかも言葉が通じない観客を前にしたライブ。不安もあるのではないかと思いきや、ステージに出てきたTHE ORAL CIGARETTESのメンバーは、みんな笑顔。ワクワクが止まらない感じのようだった。

「J-Rockの熱いパッションを感じてくれ!」というMCの紹介と、沸き起こる歓声にサムズアップで応えた山中拓也(Vo&G)。気合いも十分。お決まりのオープニング「一本打って(Gt:ジャッ) ただいまより 二本打って(Gt:ジャッジャッ)  THE ORAL CIGARETTESの 三本打って(Gt:ジャッジャッジャッ) インドの……間違えた!(会場 笑)シンガポールでのライブを四本打って(Gt:ジャッジャッジャッ ジャッ)始めたいと思います!」での間違いもご愛嬌。若さと勢い、シンガポールでライブできることの喜びを音に変換して、アグレッシブなTHE ORAL CIGARETTESのステージは「mist...」からスタートする。

中西雅哉(Dr)とあきらかにあきら(Ba/Cho)が作り上げるパワフルなビートに、髪を振り乱して奏でられる鈴木重伸(Gt)の歪んだギターと山中のシャウトがシンガポールの夜の熱気をグッと上げていく。「N.I.R.A」でのハンズアップ、メロイックサイン、クラップ、声を上げながら身体を大きく揺らして自由に酔いしれる人波。それは、彼らのサウンドとスタイルが、言語という壁を越えた瞬間だった。

MCでは、山中が不慣れな英語を駆使しながら、最近、激しい雷雨に見舞われて、“Satan is coming”だと思ったと話す(前日までシンガポール周辺は天候が悪く、記者も行きの飛行機の中でサンダーストームに見舞われた)。そして、「“Satan is coming!!” in Japanese,“DAI-MA-OU-SAN-JYO(大魔王参上)”。」と、曲は「大魔王参上」へ。異国の地で起こる「大魔王」「参上」のコールアンドレスポンス。地球の遠心力が最大になる赤道直下ということで、気圧も日本より若干低めなことから(?)定番の足あげダンスを披露するあきらかにあきらの足も、気持ち高め。最後まで感情をぶつけるようにステージを縦横無尽に激しく動きまわりながら、THE ORAL CIGARETTESは最後に「Mr. ファントム」で一気に駆け抜けた。

終演後に関係者を集めて行なわれたパーティーにて、「すごい楽しかった!!」と、興奮いまだ収まらずな様子で語っていた彼ら。今回のシンガポールでのライブは、“自分たちの音楽は国境を超えるのだ”という確信にもつながったはずだ。


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