【ライヴレポート】Jupiter、GALNERYUSなど4組との共演に「ハンパじゃない。信じられない」

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Jupiterが8月14日、東京・新宿ReNYにて主催イベント<The Wishing Ceremony vol.3>を開催した。今回のステージに招かれたのは、今や日本を代表するヘヴィメタルバンドの一つとなったGALNERYUS、後続に多大な影響を与えてきたGARGOYLE、個性的なスタイルで一世を風靡したSEX MACHINEGUNS、欧州で先行デビューした新進気鋭のGYZE。言わずもがな、Jupiterの音楽的基盤でもあるヘヴィメタルがキーワードとなる豪華絢爛な顔触れだ。

◆<The Wishing Ceremony vol.3>画像


出演順は公開されていなかったため、どんなオーダーになっているのか予想する楽しみもあったが、暗転した満員の場内に聞こえてきたのは、HELLOWEENの「Invitation」。そう、一番手は意表をついてのSEX MACHINEGUNSだった。いつものようにオープニングからハイテンションの煽りで、いきなり「みかんのうた」を叩きつける。文字通りの代表曲ゆえに、フロアの盛り上がりもかなりのもの。そしてすかさず破壊力抜群の「ファミレスボンバー」である。途中の台詞パートでSHINGO☆(B)はGALNERYUSのSyu(G)をネタにするという、この日ならではの趣向が盛り込まれていたのも一例だが、SEX MACHINEGUNSは“対バンキラー”と呼ばれ、イベントに出演した際には話題をすべてかっさらうことでも知られてきた。その大胆不敵なアプローチは今も変わらない。


リーダーのANCHANG(Vo&G)はアウェー戦になることを想定していたようだったが、オーディエンスからのあまりの好反応に上機嫌の様子。自ずと笑顔も溢れてくる。バンドとしての勢いも増すばかりで、「まさかのCMソング」(ANCHANG)と紹介された最新シングル曲「メタル経理マン」、スラッシーな疾走チューン「森の熊さん」でのアクティヴなステージングは、目を見張るばかりだ。気付けば、2階の関係者席では、この日の多くの出演者が彼らのパフォーマンスを食い入るように見つめていた。SEX MACHINEGUNSのライヴが気になって仕方ない……その気持ちはよくわかる。

最後は「桜島」と「GERMAN POWER」という初期からの名曲を連発。“伝統芸”といっても過言ではない、ポジティヴな意味での定番構成だが、いかなる場でも自分たちの流儀を提示できる強みは何物にも代えがたい。「よーく覚えとけ! 俺たちがSEX MACHINEGUNS!」と、いつものように締め括り、颯爽とステージを去った彼らのパワフルさは、初めて観た人にも大きなインパクトを残したに違いない。


続いての登場はGYZE。札幌で結成された3人組で、今、国内のヘヴィメタルシーンで最も注目されている若手だ。今回の出演は、JupiterのHIZAKI(G)が偶然にも彼らの存在を知り、オファーをしたとのことだが、その期待に応えるステージを披露したと言っていいだろう。音楽的にはメロディックデスメタルとされており、アグレッシヴさの一方で奏でられる叙情性は、特に際立った個性となっている。2015年2月にリリースされた2ndアルバム『BLACK BRIDE』に準じて、「Black Bride」と「In Grief」で幕を開けた序盤。思っていた以上に観客からのリアクションは上々だ。


ここで彼らは大勝負に出る。Ryoji(Vo&G)は「生きている証明を見せてくれますか!」と煽りながら、「今日は伝説の夜にしたい」と、何と次曲「Final Revenge」でのウォールオブデスを誘導したのである。曲の中盤で上手寄りフロアのオーディエンスは左右に分かれ、合図と共に一気にぶつかり合う。こういった盛り上がり方を知らない観客も少なくなかったはずで、後に賛否両論の声も起こったものの、結果的にこの仕掛けが、どことなく昂揚感を抑えていたと思しき人たちの気持ちを発散させる起爆剤になったのも確かだった。以降は自然にサークルピットも生まれる環境となり、泣きのメロディに導かれる「Nanohana」やGYZEの代名詞的マテリアル「Desire」でも熱狂空間はもちろん継続。シーンの先達である他の出演者に対する敬意を具体的な形として表現していった。

この日も「俺たちは世界をツアーする最強のメタルバンドになりたい」といった旨のMCがあったが、今秋にはDRAGONFORCEとCHILDREN OF BODOMの東アジアツアーにおけるオープニングアクトに抜擢。10月にはドイツ遠征が行われることも明らかになった。さらに各国から招聘の声が寄せられているようで、今後もその動向にはますます目が離せなくなりそうだ。国内においても<LOUD PARK 15>への出演が決定している。


活きのいい2組が生んだ熱気をさらに上昇させたのがGARGOYLEだった。オープニングSEに続いて始まったのは初期の名曲「HALLELUYAH」。そのセレクトだけで鮮烈だが、とにもかくにも彼らが繰り出すバンドサウンドの説得力たるや、すでにこの時点で圧巻というほかなかった。幾度となく体感してきたが、改めて感服する音塊なのである。この約1週間後にリリースされることになっていたビデオクリップ集『龍の銃が死の影を結ぶ』収録の新曲「Dragon Skull」へとスムーズに移行していく巧さもさすがだ。


「結成以来、28年間、ずっと休まずにやっています」。KIBA(Vo)はそう自己紹介したが、これほどの長期に亘って活動を継続できているのは、強靭な精神力があってこそ。そして何よりもGARGOYLEそのものをメンバー自身が存分に楽しんでいるゆえである。それは揃いの手振りを誘う「VIVA!-aso-VIVA!」で、積極的に“遊び場”的一体感を作り出す光景にも明らかだろう。いかに自分たちのライヴに観客を“参加”させるか。この試合巧者ぶりに彼らの一つの本質が見えてくる。もちろんKIBAだけでなく、タイトな演奏を保ちつつ、アクティヴな動きで引き込んでいくTOSHI(B)とKENTARO(G)の魅せ方もいい。

会場全体を掌握すれば、あとは思うがままといったところ。すかさず、現時点での最新アルバム『解識』(2014年発表)のリードトラック「Gordian knot」と一撃必殺の「死ぬこととみつけたり」というアグレッシヴな疾走曲で畳み掛けると、フロアには瞬時にフィスト/ヘッドバンギングの波が起こる。ザ・クロマニヨンズでもプレイしているKATSUJI(Dr)の圧巻たるドラムプレイも凄まじい。そのまま「ラスト行くぞ!」と始まったメロディックスラッシュ「影王」も見せ場の連続だ。4人から発せられる波動に身体を揺さぶられていくオーディエンス。終演後、他の出演者が口々にGARGOYLEのパフォーマンスを絶賛していたのは至極当然のことだろう。


2014年発表のアルバム『VETELGYUS』の構成と同じく、「Redstar Rising」を導入にして「Endless Story」からライヴをスタートさせたGALNERYUS。世界屈指の演奏力とはよく言われるが、この日の安定感も言わずもがな。尋常ではない平均レヴェルの高さである。昨今は単独でのテレビ出演も多いSHOこと小野正利(Vo)の突き抜けるクリアなハイトーンヴォイスも、バンドの重要な魅力となって久しい。


「まだ力は残ってますか!」(小野)と軽く揺さぶり、幾度かシャウトのコール&レスポンスをしてコールされたのは「Future Never Dies」。Syu(G)とTAKA(B)は適宜、さり気なく右へ左へと位置を変え、ステージを映えさせる。間奏を始め、インストゥルメンタルパートは超絶なアンサンブルで驚愕させるが、それが活きるのは、メロディのみならず、楽曲そのものの作りがキャッチーだからこそだ。そのまま、たおやかなギターフレーズを前奏に始まった「My Last Farewell」も重厚なサウンドで聴かせた。

しばしのMCタイムを経て、「みんなでジャンプ!」(小野)と「There’s No Escape」が披露されると、観客もダンサブルなリズムに合わせて飛び跳ねる。バンドにとっても新たな側面を採り入れた楽曲だが、ライヴにおいて効果的な起伏を生み出す役割を果たしているのは、この日も同様だった。そしてエンディングを迎えた瞬間に奏でられ始めたYUHKI(Key)のピアノ。ファンはすぐにその旋律から「Silent Revelation」が演奏されることに気づく。初期からプレイされてきた代表曲の一つだ。日本にGALNERYUSありと世界のメタルファンに知らしめた、ドラマティックなメロディックパワーメタル。大いに盛り上がって、彼らのパフォーマンスはあっという間に幕を閉じた。

現在のGALNERYUSは年内リリース予定の新たなアルバムのレコーディングを進めている。すでに明らかになっているように、ストーリー性のあるコンセプト作品になるという。<LOUD PARK 15>出演時には、より具体的な詳細がアナウンスされるだろう。楽しみに待ちたい。



すべてがヘッドライナー級といっても過言ではないラインナップによるイベントを締め括ったのは、もちろん主催者であるJupiterだ。否が応でも注目度は高まるが、やはり序盤からメンバーの気迫が違った。1曲目の「ARCADIA」の冒頭からロングトーンシャウトを響かせ、その後も随所に攻撃的なフェイクを入れ込んでいったZIN(Vo)を始め、積極果敢に仕掛けながらオーディエンスと対峙する姿は、それだけでこの日ならではの特別な空間を作り出していた。「B.L.A.S.T」「Darkness」といったハードなマテリアルを続いて配置させた狙いも頷ける。このアイデアの発端はメタル好きのオーディエンスへの訴求力をより高めるためのものだったはずだが、ステージに立つメンバーも自ら鼓舞されていたのは間違いないだろう。彼らの中に流れる“血”の純潔さを改めて垣間見た瞬間でもあった。



ZINは「今日はハンパじゃないバンドが集まりました。信じられない」と顔を紅潮させながら口にする。続いて各バンドについて触れられたコメントも興味深かった。SEX MACHINEGUNSについては「メタルの入口になったバンド」とZINが言えば、TERU(G)は「バンドスコアを買ってコピーしてた」と告白。HIZAKIは「YouTubeで観ていて、いいなと思っていたら、その2日後にARCH ENEMYのライヴで見かけたので、声をかけた」とGYZEとの出会いを話しつつ、GARGOYLEについては「1曲目の“HALLELUYAH”で泣いた」、GALNERYUSについては「これも泣きましたね。というか、それぐらいSyuくんが好き」とファン心理も吐露。今回の5バンドの組み合わせの必然性がファンにも伝わったことだろう。



ここである種の連帯感が生まれたがゆえに、「メロイックサインでこの会場を埋め尽くしてください!」(ZIN)と導かれた「絶望ラビリンス」からは、さらなる熱気がステージからもフロアからも発せられる。シングル曲「LAST MOMENT」でのメンバーの躍動的なパフォーマンスは、新たな歴史創造へと歩みを始めつつある昨今のJupiterが心に抱く勇壮さが、自然と体現されたものだったのかもしれない。その雰囲気は観客も感じ取っていたようで、劇的なイントロダクションに始まる「Symmetry Breaking」では、ついにサークルピットが出現する事態に。様々なファンが画一化されることなく、それぞれの思いのまま楽しみを表現する。「好きに身を委ねてください」とZINは言ったが、Jupiterの音楽が作る一つの理想が形になった瞬間だった。最後に「全員の輝く未来へ」(ZIN)と届けられたデビューシングル「Blessing of the future」における、清々しいまでの5人の表情は、すべてが順風満帆とは言えなかった始動時からの紆余曲折を乗り越えてきた自信そのものだろう。無論、<The Wishing Ceremony vol.3>を盛況に終えられる充実感も、個々の内面をより強いものにしたに違いない。




無事に大役を果たしたJupiterだが、8月26日には最新シングル「TOPAZ」をリリースしたばかり。彼らが伝えてきた“美”と“愛”の概念が、バラードという形態で描かれたマテリアルであり、新機軸とも言える「Iolite」、敏腕演奏陣の実力を再認識するインストゥルメンタル「Rose Quartz」というカップリング曲を含め、来る3枚目のアルバムを想像してみるのも面白いだろう。本作を引っ提げた全国ツアー<Prevenient Grace>も9月5日からスタートすることになっている。

また、思いもよらなかった多彩な顔触れとのライヴも決定しつつある。すでに発表になっているもので言えば、9月10&11日に行われるDRAGONFORCEの東京・赤坂BLITZ公演にサポート・アクトとして参加し、11月7日のメキシコ公演ではDIR EN GREYとステージを共にする。これまでになかった展開が繰り広げられていくのは確かで、今後のJupiterに関する情報を心して待ちたいところだ。

取材・文◎土屋京輔 撮影◎KEIKO TANABE


■New Single「TOPAZ」

2015.8.26 Release
【初回限定盤】POCS-9102 (CD+DVD) ¥3,000 (税抜)
【通常盤】  POCS-1345 (CD) ¥1,250 (税抜)
01. TOPAZ 
02. Iolite 
03. Rose Quartz
[初回限定盤DVD]
Live Video of「Temple of Venus」2015.4.29 Shinjuku ReNY
01. The Birth of Venus 
02. Darkness 
03. Red Carnation
04. Shining 
05. ARCADIA 
06. The History of Genesis

■<Jupiter Tour「Prevenient Grace」>

2015/09/05 [土] 福岡DRUM Be-1
2015/09/06 [日] 岡山IMAGE
2015/09/12 [土] 仙台MACANA
2015/09/13 [日] 高崎club FLEEZ
2015/09/16 [水] 新横浜NEW SIDE BEACH!!
2015/09/19 [土] 柏PALOOZA
2015/09/20 [日] HEAVEN’S ROCK さいたま新都心
2015/09/22 [火・祝] 水戸ライトハウス
2015/09/23 [水・祝] HEAVEN’S ROCK宇都宮
2015/09/26 [土] 札幌cube garden
2015/10/02 [金] 名古屋ell.FITS ALL
2015/10/03 [土] ESAKA MUSE
2015/10/17 [土] 新宿ReNY
スタンディング ¥4,500 (税込) DRINK代別

■Jupiterライヴ&イベント情報

■<全聯妖怪音樂祭 -GHOST ROCK FEST.->
2015/08/30[日] 台中(台湾)高鐵新烏日藝文廣場

■<DRAGONFORCE 「Maximum Overload World Tour Japan 2015」 >
東京2公演にサポートアクトにJupiterの出演が決定
2015/09/10 [木] 赤坂BLITZ
2015/09/11 [金] 赤坂BLITZ

■<JAPAN LIVE 2015>
2015/11/07 [土] メキシコシティ(メキシコ)Plaza Condesa

◆Jupiter オフィシャルサイト
◆SEX MACHINEGUNS オフィシャルサイト
◆GYZE オフィシャルサイト
◆Gargoyle オフィシャルサイト
◆GALNERYUS オフィシャルサイト
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