Jupiterが4月29日、新宿ReNYにて<Jupiter Tour ~CREATED EQUAL~ Tour Final “BLESSING OF THE FUTURE”>と題したライヴを開催した。同公演のレポートをお届けしたい。

◆Jupiter 画像

HIZAKI (G)、TERU (G)、MASASHI (B)、YUKI (Dr)というVersaillesで活動してきた4人が、ZIN (Vo)を迎えてJupiterを始動させたのが2013年4月のこと。その後の歩みは、これまでも各方面で伝えられてきたが、彼らは表現のコンセプトに“愛”と“美”を据えて、音源やライヴにおいて崇高な思いを具体的に形としてきた。単なる初期衝動だけでは実現しない、アーティスティックな感性が備わっているバンドであることは、何よりも他と一線を画す強みである。もちろん、そこにはロックが本来的に持つ熱さも共存している。


この固有のバランスが、Jupiterの揺るぎない魅力と言っていいだろう。<CREATED EQUAL>と題されたツアーの最終日となる東京・新宿ReNY公演<BLESSING OF THE FUTURE>は、約3年に渡る活動の集大成となる充実したパフォーマンスが繰り広げられた。

既報の通り、この日を最後にリズム隊の2人が脱退するという事実が、メンバーとオーディエンス双方の気持ちに様々な作用を及ぼしていたことは間違いない。いつにも増して自身の最高到達点を刻み込みたいバンド側のモチベーション、その光景を一瞬足りとも見逃したくないオーディエンスの集中力。冷静に判断するなら、そういった精神面での化学反応が、一つ一つの場面をより劇的に転化させていった面はある。しかし、やはり目を向けるべきは、理想を具現化させるための試練を厭わず、Jupiterたる基盤を築き上げてきた足跡だ。



オープニングは「The Birth of Venus」と「LAST MOMENT」を立て続けにプレイ。この序盤の2曲のセレクトに、彼らの普遍的な自己主張が表れているように感じた人も少なくないだろう。とはいえ、それは感傷的な気分へと導く演出ではなく、ただただ力強くJupiterの世界を提示するものだった。その後も矢継ぎ早に多彩なマテリアルを並べていったが、時間経過と共に躍動感も勢いも増していく。前半を締め括った12分超の大作「Classical Element」の圧巻たるドラマ性は、Jupiterの高いポテンシャルを存分に知らしめたはずである。

ライヴは二部構成になっており、後半は観客とのコール&レスポンスを随所に織り込みながら進んでいった。彼らのステージ運びの巧さが再確認できたところだが、こういった見せ方も一朝一夕に成し得たものではない。誤解を恐れずに言えば、ZINのフロントマンとしての著しい成長があるからこそだ。プロフェッショナルな活動はJupiterが初めてだった彼が、敏腕として知られる4人の楽器陣と今や対等に渡り合っている。そこに生まれる信頼感が、バンドがさらなる高みへと邁進する、確固たる原動力にもなった。



本編は壮大な「The History of Genesis」で“生命の神秘”を見事に描き切った後、「Luminous」の大合唱で幕を閉じた。それまで抑えていた感情が一気に解き放たれたのだろう、歌いながら涙を流すファンも多かった。コーラスの一節にある“I’ll Always Be With You”という言葉が、これほどまでに深く心に突き刺さった瞬間はなかったかもしれないが、そんな思いを共有できる意味深い楽曲は、アンコールにも用意されていた。

新曲「Scenario」がそれである。HIZAKIはこの3年間を振り返りつつ、「思いを込めたメッセージを聴いて欲しい」と紹介した。それぞれが自分らしく生きる道を進み、新たなシナリオを書き続ける──餞の歌であるのと同時に、Jupiterの決意を誓うものだ。最後に演奏されたのが、デビュー・シングル「Blessing of the Future」だったのも頷かされる。彼らが向かい、信じるのは、あくまでも「輝く未来」(ZIN)という言明に他ならない。



なお、この日の模様は、7月27日にDVD『BLESSING OF THE FUTURE』として映像作品化される。Jupiterにとっての歴史的一夜をじっくりと堪能できる内容になるだろう。だからこそ、気になるのは今後の動向だが、HIZAKIはソロ・アルバムを8月にリリースしてライヴも行い、ZINも6月に初ソロ公演、デザイナーとしての顔も持つTERUは初の個展を開催することが発表になった。

そしてJupiterの活動も止まらない。現時点で9月のファンクラブ会員限定ライヴと12月の単独公演が決定。それ以上の詳細は明らかになっていないものの、これは文字通りに“第2期”のスタートと捉えていいだろう。いずれにしても確かなのは、彼らの掲げる“愛”と“美”には、一点の曇りもないことだ。次なる“美しき革命”の到来を楽しみに待ちたい。


取材・文◎土屋京輔
撮影◎KEIKO TANABE

■<Jupiter Tour~CREATED EQUAL~Tour Final“BLESSING OF THE FUTURE”>
2016.4.29@Shinjuku ReNYセットリスト

01. The Birth of Venus
02. LAST MOMENT
03. -己-Innovation
04. SACRED ALTAR
05. 氷の中の少女
06. Heaven's Atlas
07. Rose Quartz
08. Scarlet
09. Darkness
10. 絶望ラビリンス
11. Classical Element
12. Church Candle
13. ARCADIA
14. B.L.A.S.T
15. Shining
16. TOPAZ
17. The History of Genesis
18. Luminous
encore
en1. ARIA
en2. Symmetry Breaking
W.encore
W.en1. Scenario
W.en2. Blessing of the Future

■LIVE DVD『BLESSING OF THE FUTURE』

2016.7.27 Release
POBD-60532 ¥5,400 (tax in)
<Jupiter Tour~CREATED EQUAL~Tour Final BLESSING OF THE FUTURE >2016.4.29 Shinjuku ReNY

■ソロ活動情報

■<ZIN Solo Live「WAY OF LIFE」>
6.18 [sat] Shibuya gee-ge.
OPEN/START 18:30/19:00
▼チケット
¥4,000 (税込) ※1DRINK代¥600別途
発売日:2016年5月14日(土)10:00~イープラスにて
(問)Live & Pub Shibuya gee-ge. TEL 03-6416-3468

■<TERU Exhibition -Art Gallery->
8.06 [sat] – 8.08 [mon]
表参道LAPIN ET HALOT ラパン・エ・アロ

■<HIZAKI Warner Music Japanよりソロデビュー決定>
今夏Solo Album Release

■<HIZAKI Solo Live「Crimson Rose -JAPAN-」>
2016.9.11 [sun] TOKYO Mt.RAINER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
OPEN/START 17:00/17:30
▼チケット
¥5,000 (税込) ※全席指定 入場時1DRINK代¥500別途
発売日:2016年7月9日(土)
プレイガイド:イープラス/ローソンチケット/チケットぴあ
(問)DISK GARAGE 050-5533-0888

■Jupiterライブ情報

■<Jupiter Venus only Premium Live「Perform a Ceremony vol.3」>
2016.9.01[thu] SHIBUYA REX
※ファンクラブ限定ライブ

■<Jupiter Oneman LIVE>
2016.12.29[thu] SHIBUYA CLUB QUATTRO
OPEN/START 18:00/18:30
▼チケット
料金:¥4,500 (税込) DRINK代¥500別途
発売日:2016年11月12日(土)
プレイガイド:イープラス/ローソンチケット/チケットぴあ
(問)DISK GARAGE 050-5533-0888

◆Jupiter オフィシャルサイト