【インタビュー】ローズ・オブ・ブラック「リッチーからの連絡には凍りついたよ(笑)」
奇跡の復活を果たすリッチー・ブラックモアズ・レインボーのシンガーに選ばれたシンデレラ・ボーイ、ロニー・ロメロ(Vo)のメイン・バンドであるスペインのローズ・オブ・ブラックが、2ndアルバム『ローズ・オブ・ブラック II』で、2016年3月9日に日本デビューを飾る。叙情派のメロッディック・パワー・メタルを特徴にするこのバンドについてロニーに語ってもらった。
◆】ローズ・オブ・ブラック画像
――まず、ローズ・オブ・ブラックがどのように結成されたか教えていただけますか?
ロニー・ロメロ:ギタリストのトニー・ヘルナンドがロニー・ジェイムズ・ディオのトリビュート・コンサートをやろうとしていた時に、YouTubeで公開されていた僕の映像を観て気に入ってくれて、何曲か歌わないかと誘ってくれたんだ。それで、そのコンサートでトニーと会ったんだけど、すぐに意気投合したよ(笑)。ディオの曲を幾つかプレイして、僕達は一緒に活動するべきだと感じたんだ。
――アルバムをリリースしてからはどういった活動をしていたのですか?
ロニー・ロメロ:スペインでショウを何回かやって、フェスティヴァルにもいくつか出たよ。その後、すぐに2枚目の制作に取り掛かったんだ。
――『ローズ・オブ・ブラック II』は、どういったアルバムにしたいと考えていましたか?
ロニー・ロメロ:今回はライヴを意識したアルバムを作っている。1stアルバム(2014『ローズ・オブ・ブラック』)は自分達のために自分達が好きなように作った作品だったので、その意識はなかったんだ。それと、1枚目から進化したものにしたかったね。実際、曲も大きくステップアップしていると思うし、ある意味、コマーシャルにもなっていると思う。レインボーやレッド・ツェッペリンのようなクラシックな音楽や、マスタープランやストラトヴァリウスのようなコンテンポラリーな、モダンなメタルが好きな人達にとって、本当に良いアルバムに仕上がったと思っているよ。そういった人達は、きっと新しいアルバムをとても気に入ってくれると思う。
――歌詞に何かコンセプトのようなものはあるのですか?
ロニー・ロメロ:どの曲の歌詞にも、ちょっとした背景や個人的な歴史みたいなものは含まれている。実は1stアルバムで、マジシャンのフーディーニ(ハンガリー生まれの米国の魔術師)の生涯をテーマにして書いた曲が、パート1とパート2に分けて収録しているんだけど、新作にはそのパート3に当たる最終章が「ジ・アート・オブ・イリュージョン・パートIII:“ザ・ウェイストランド”」というタイトルで収録しているんだ。
――何故フーディーニをテーマに選んだのですか?
ロニー・ロメロ:僕がフーディーニのことが大好きだからだよ。彼についての映画を観て、彼の生涯がとても気に入ったんだ。映画の題名(『奇術師フーディーニ ~妖しき幻想~』)は思い出せないんだけど…。
――あなたがリッチー・ブラックモアズ・レインボーのシンガーに選ばれたことで、前作とは注目のされ方が違うと思いますが、アルバム制作において、前作と意識の違いはありましたか?
ロニー・ロメロ:いや、特にないよ。僕達はバンドがスタートした時から変わらず、このバンドに毎日全力を注いでいて、いつチャンスが来てもいいように準備をしているからね。そのやり方は何も変わっていないと思う。唯一の違いは、以前はレーベルがなかったけど、今はレーベルがあるということだ(笑)。それだけが前回と今の違いだよ。
――そもそもどういう経緯で、リッチー・ブラックモアズ・レインボーのメンバーになったのですか?
ロニー・ロメロ:いつものように普通に生活して、普通に仕事に出ていたら、リッチー・ブラックモアの奥さんのキャンディスからツイッターでダイレクト・メッセージが来たんだ。僕をYouTubeで見つけたようで、マネージャーか代理人はいるかと訊いてきたんだよ。それで、僕はフリーランスだと答えたんだ。あまりの突然のことに凍り付いたね(笑)。その後、やり取りが続いた後、リッチーが翌年にやる予定のプロジェクトがあって、何回かコンサートをやる可能性があると教えられたんだけど、特にオーディションをするという話でもなかったんだよ。
――彼らがコンタクトしたシンガーは、他にいなかったと…。
ロニー・ロメロ:そう思うんだ。それで、最初はブラックモア家の人達とドイツで会ったんだ。ミーティングと簡単なジャムみたいのをやったんだ。
――そこで彼らに気に入られたわけですね。
ロニー・ロメロ:そういうことだったんだと思う(笑)。
――ローズ・オブ・ブラックのメンバーはどういう反応でしたか?
ロニー・ロメロ:とてもとてもとてもエキサイトしていたよ。僕と同じようにね。ヘヴィ・メタルとロックのミュージシャンなら誰でも、リッチー・ブラックモアを知っているからね(笑)。ローズ・オブ・ブラックのリハーサルに行って、「話がある、リッチー・ブラックモアがコンタクトしてきて、こういうオファーがあった」と言ったんだけど、もしかしたら、その時の彼らの反応は、リッチーから連絡があった時の僕の反応と同じだったかもしれない。みんな凍りついていたよ(笑)。
――では、最後に今後の予定を教えてください。
ロニー・ロメロ:5月にスペインで何回かショウをやる予定だよ。それから僕は6月にリッチー・ブラックモアズ・レインボーとプレイして、その後はローズ・オブ・ブラックで多分8月頃には、ヨーロッパで何回かショウをやって、日本でもプレイ出来たら嬉しいと思っているところだよ。
取材・文:Jun Kawai
Photo by Antonio Garci
【メンバー】
ロニー・ロメロ(ヴォーカル)
トニー・ヘルナンド(ギター)
ハビ・ガルシア(ベース)
アンディ・C(ドラムス)
ローズ・オブ・ブラック『ローズ・オブ・ブラックII』
【CD】2,500円+税
1.マルヴォレントリィ・ビューティフル(イントロ)
2.マーシレス
3.オンリー・ワン・ライフ・アウェイ
4.エヴリシング・ユア・ノット
5.ニュー・ワールズ・カミング
6.クライ・ノー・モア
7.ティアーズ・アイ・ウィル・ビー
8.インセイン
9.リヴ・バイ・ザ・ライ、ダイ・バイ・ザ・トゥルース
10.ゴースト・オブ・ユー
11.ジ・アート・オブ・イリュージョン・パートIII:“ザ・ウェイストランド”
12.シャドウズ・オブ・ウォー
<ボーナス・トラック>
13.レディ・オブ・ザ・レイク(レインボー・カヴァー)
<日本盤限定ボーナス・トラック>
14.イニュエンドウ(クイーン・カヴァー)
15.インセイン(ピアノ・ヴァージョン)
◆ローズ・オブ・ブラック『ローズ・オブ・ブラックII』
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