【インタビュー】Jun Gray、PIZZA OF DEATH内主宰レーベルを語る「新しい流れができたら」

ポスト

■生粋のガールズボーカルだけで作ろうと決めてたところ
■「あれっ、なんでKencoが入ってないの?」と(笑)

──2016年4月6日にコンピレーションアルバム第2弾となる『And Your Birds Can Sing II』がリリースされます。今作に参加しているバンドはUNLIMITS以外、Jun Gray Recordsに所属しているわけではないですよね。これらのバンドの参加はどうやって決まったんですか?

Jun:まず、「コンピの第2弾を作りたい」っていう話を去年の春ぐらいにはPIZZA OF DEATHのスタッフにしていて。そこからバンド集めを始めたんですけど、そのときはUNLIMITSとSCOTLAND GIRLがJun Gray Recordsに所属していたんで、この2組を入れつつ前回と同じ6組にしようと考えていたんです。それに加えて、今回は生粋のガールズボーカルのバンドだけで作ろうと頭の中で決めていて。

▲Dizzy Sunfist

▲SpecialThanks

──となると他に4バンド見つけることになるわけですね。

Jun:そう。Dizzy Sunfistは前回のコンピのときにも声をかけたかったんですけど、ちょうどCAFFEINE BOMB RECORDSとの契約が決まったばかりだったので諦めたんです。でも、今回はそのレーベルに所属しながらも、コンピに参加してもらうことになって。SpecialThanksも同じような感じだったんですよね。前回のコンピのときも考えたんだけど、その前にPIZZA OF DEATHから出た『The Best New-Comer Of The Year』(2009年4月発売の4WAY SPLITシングル)に参加してたから、そのときは見送ったという。そういうわけで、UNLIMITS、SCOTLAND GIRL、Dizzy Sunfist、SpecialThanksの4組はすぐに参加が決まったんです。

──その4組は知名度がある程度ありますが、XERO FICTIONとrem time rem timeはほぼ無名ですよね?

Jun:そうですね。XERO FICTIONは名古屋のバンドで。3年ぐらい前にKen Bandで名古屋に行ったときに、NOT REBOUNDの片桐(宏紀)がXERO FICTIONのコウイチロウ(G)を連れてきたんだけど、そのときのコウイチロウの印象が最悪で(笑)。すげえ酔っ払ってるうえに楽屋に我が物顔で居るし、“なんだこいつ?”っていう第一印象だったんですよ(笑)。ま、そういうヤツらは珍しくもないんだけど、これ以上うちらをカチンとさせたらぶん殴るぞ、ぐらいなクソ生意気な感じだったんですよね。でも、次に名古屋へ行ったとき、コウイチロウが「自分、女の子ボーカルのバンドをやってるんで、聴いてみてください」ってデモをくれて。聴いてみたらカッコ良くて、想像よりもまともなことをやってると(笑)。そこからちょくちょくコンタクトを取るようになったんです。ただ、そのときはコンピどうこうって話じゃなくて、アドバイス的な話をしただけだったんだけど、今回つながりを活かして声をかけてみたという。

▲XERO FICTION

──rem time rem timeもJunさんが発掘したわけですか?

Jun:俺、八王子に住んでいて、地元のRipsとかMatch Voxとかライブハウスに知り合いのバンドが来ると遊びに行くんですね。で、八王子を拠点に活動してるPOETASTERの高橋(大樹)っていうボーカリストに「RipsとかMatch Voxで活動してる、女の子ボーカルでいいバンド知らない?」って聞いたら、「いたんですけど、解散しちゃったんですよ」と。それがrem time rem timeのボーカルのはっち(初鹿利佳)が前にやってたAntiQuesっていうバンドなんですけど、そのミュージックビデオを見せてもらったら、めっちゃ声が良くてね。連絡先を聞いて、はっちと直接やり取りをするようになって。去年の春くらいかな、「新しいバンドの準備をしてる」って連絡があったからデモを聴いたら、すげえいいのができそうな気がしてコンピに誘ったんです。

▲rem time rem time

──そこで6バンドが決定したと。

Jun:はい。ただ、去年の夏ぐらいにピザでミーティングしてたら、たまたま健がふらっと入ってきて。そこでコンピの企画書を見始めたら、「あれっ、なんでKenco(Ken Bandの変名バンド、Kenco Yokoyama。コンピ第1弾に参加)が入ってないの?」と言い出して(笑)。「入ってねえよ! そんなの俺の眼中にないけど!」って返したら、「いやいや、やるよ?」と言うんで、あいつの一声でKencoをまたやることになったんです。PIZZA OF DEATHのスタッフも「横山さんがやってくれるって言うんだったら、それに越したことはないんじゃないですか? 売り上げの貢献にもなりますし」って言い出すし(笑)。

──ははは(笑)。

Jun:それを言われちゃうと俺もね。それで7バンドでいくことになったんですけど、昨年秋にSCOTLAND GIRLが活動休止を決めて。彼らもコンピ用に入れたい曲を準備してたんですけど、俺のほうから「活動できるかできないかわからない以上、コンピに入れるのはちょっと無理だ」って了解してもらって。奇しくも前回と同じ6バンドで、そのうちの1組がKencoっていう形になってしまったんです(笑)。

──なるほど。だって最初は、生粋のガールズボーカルのバンドだけって話でしたもんね。

Jun:そうですよ? 第1弾のときだって、最初からKencoありきじゃなかった気がするんですよね。途中であいつがそういうのをやりたいって言い出して、それも面白いかと思ったんだよね。今回は第2弾だからちゃんとしたのを作ろうと自分の中では思ってたんです。それが今回もこうなっちゃったんで、もうKen Band的には「第3弾のときはどういうアーティスト写真を撮ろうか?」ってところまで話してますけど(笑)。

──前回のKencoは横浜銀蝿のコスプレをしたMatsuuraさんと、それを囲む女装した3人というアー写でしたが、今回のアー写もなかなかパンチが効いてますものね。

Jun:そうなんです。Kencoに関しては前回も今回もカバー曲での参加だから、そんなに頭を使うこともないわけですよ。だから一番力を入れるのは、必然的にアー写(笑)。俺、思ったんですけど、あいつが「Kenco、入ってないの?」って言ったときに本当にやりたがってたのは、この女装なんじゃないかって(笑)。

▲Kenco Yokoyama

──確かに健さん含めノリノリ感が伝わってきます。

Jun:結果的に俺もノリノリだったんですけど(笑)。でもレコーディングより力が入ってましたね。

──参加曲ですが、第1弾のときはジューダス・プリーストの「Living After Midnight」で、今回はシャム69の「If The Kids Are United」ですね。

Jun:健が「シャムの「If The Kids Are United」やりたいんだよねぇ」って言うから「いいんじゃないの? カッコいいし、俺も好きだし」ぐらいの話で、音源についてはもう終わりですよ(笑)。それよりも「写真、どうしようか? まっちゃん、また横浜銀蝿じゃつまんねえな」って話になって、かなり時間を費やしましたね。

──それでガンズ・アンド・ローゼズのスラッシュになったんですか?

Jun:しかもあれ、前作からメンバーチェンジがあって、横浜銀蝿に替わってスラッシュが入ったという設定ですから(笑)。

──なるほど(笑)。じゃあむしろ、この写真を観てもらわないことには。

Jun:俺ら的には、その写真と設定がメインなんで(笑)。

◆インタビュー(4)へ
◆インタビュー(2)へ戻る
この記事をポスト

この記事の関連情報