【インタビュー】Jun Gray、PIZZA OF DEATH内主宰レーベルを語る「新しい流れができたら」

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■もう一度シーンを活性化させたいというか
■ロックバンド健在ということを訴えたい

──で、コンピのほうも聴かせてもらいましたが。Kencoは置いておいて(笑)、この5組はそれぞれ本当に個性的で粒揃いですね。

Jun:そうですね。ただやっぱり、横山健のPIZZA OF DEATHでやってるレーベルだからといって、メロディックパンク色を強くはしたくないと最初っから思ってたんです。さっきも言ったように俺、いろんなジャンルを聴いてるから、極端な話、いいと思ったら弾き語りでもリリースしたいと考えるだろうしね。今回も、もちろん自分の得意ジャンルであるパンク/メロディックパンク系のバンドも入れるけど、違う色も出したいという。

▲Jun Gray

──前作のときはtricotやFLiP、FOR GET ME NOTSなどすでに知名度が高かったり、メジャーで活動しているバンドも含まれてましたが、今回は本当の意味でインディーズに根差した内容になっていると思います。

Jun:ああ、そうですね。でも今回は特に名が知れてるバンドを揃えるよりも、それとは正反対のXERO FICTIONとかrem time rem timeみたいに、あまり名前が知られてないバンドをJun Gray Recordsが広めることに意味があるんじゃないかなって。

──そのほうが、この個性的なレーベルのコンピとしては正しいような気がします。それにしても、その2バンドと出会えるというだけでも、このコンピには大きな意味があると思います。個人的にも大収穫でしたし。

Jun:そう思ってもらえると、俺もしめしめですよ(笑)。rem time rem timeなんてまだちゃんと動き出して1年も経ってないし、ライブをやってもお客もそんなについてないですからね。でも彼らをもっと世に広めることができたら、気に入ってくれる人がたくさんいるんじゃないかなと思うんです。

──今後もJun Gray Recordsとしては、XERO FICTIONやrem timeみたいに知名度はないけどいいと思った人たちをどんどん紹介していくと?

Jun:そのほうが面白いですよね。

──その他に、今後レーベルとして考えている展開って何かありますか?

Jun:俺もKen Bandで忙しいときが多いんですけど、幸いにしてUNLIMITSの大月が「こういうライブをやりたいです」とか、いろいろ考えてくれるということもあって。だから例えば、Jun Gray Records主催で女の子ボーカルのバンドを集めた企画ライブをシリーズ化していくとか、そういうことができたら面白いかもしれないですね。それ以前に、UNLIMITS、SpecialThanks、Dizzy Sunfistって、バンド間では今までほとんど絡みがないんですよ。

──それは意外ですね。

Jun:これを機会にそれぞれ仲良くなって、例えば一緒にライブをやるとかね。XERO FICTIONはドパンクなシーンでやってるから違うジャンルのバンドと絡むことがあまりないし、SpecialThanksとUNLIMITSも結構近いところにいるようで、つい最近、初めて一緒にやったのかな。このコンピを機に、新しい流れができたら面白いなって。

▲『And Your Birds Can Sing II』

──ここ数年、特にガールズバンドの勢いが増してるような印象があります。今回のコンピ含め、シーンとして大きく盛り上がってほしいですよね。

Jun:それはもう願ったり叶ったりですよ。乗っかっちゃおうみたいな(笑)。SCANDALやSilent Sirenみたいなバンドはある程度地位を築いてるし、そこに続きたいと思う若い子たちも出てきてるでしょうし。

──実際、ひと昔前と比べると制服を着た女の子がギターケースを背負ってる姿を街中でよく見かけるようになりましたし。

Jun:俺が住んでる八王子でもそうですよ。これは男性バンドも含めてなんですけど、バンドっていっぱいあるような気がするんですよ。でも世間一般で言ったら、それがバンドブームにはなってないし、誰もそうは感じていない。だからこれがまた、本当にブームになったら面白いなっていうのはあります。だってフェスに行けばあれだけお客さんが入っていて、ライブハウスだって減るどころか増えてる印象がありますからね。

──確かにそうなんですよね。

Jun:例えば今、Zeppを満員にしたからってニュースにはならないですよね。それが普通になってしまっていて。でも昔だったら渋谷公会堂や中野サンプラザを満員にしたら、それはもうブレイクしたでしょって感じていた。3000人キャパでのライブが当たり前になってしまったぶん、ブームが起こりにくくなってるところもあるのかなと。だからこそ、そこを抜けきってさらにブームになったら、もっと面白いのになりますよね。健が今、ガツガツ前に出ていこうと思ってるのは、そういうところにもつながってるのかもしれない。もう一度シーンを活性化させたいというか、ダンスアクトやアイドル、歌モノにだけ音楽シーンを牛耳らせておくわけにはいかねえぞと。ロックバンド健在というのを訴えたいですね。

取材・文◎西廣智一


■コンピレーションアルバム
『And Your Birds Can Sing II(V.A)』

2016/4/6 RELEASE
1600円+税
<収録アーティスト>
UNLIMITS
rem time rem time
Dizzy Sunfist
Xero Fiction
SpecialThanks
Kenco Yokoyama

■レコ発ツアー決定

<Jun Gray Records Pre And Your Birds Can Sing II In Tokyo>
6/8(水) 新代田 Fever
act: Dizzy Sunfist / rem time rem time / UNLIMITS / XERO FICTION
Open:18:00 / Start: 18:30
Adv: 2,800yen / Door:3,300yen
(問)03-6304-7899(Fever)

<Jun Gray Records Pre And Your Birds Can Sing II In Nagoya>
6/18(土) 名古屋 R.A.D
act: rem time rem time / SpecialThanks / UNLIMITS / XERO FICTION
Open:18:30 / Start: 19:00
Adv: 2,800yen / Door:3,300yen
(問)052-253-5936(R.A.D)

<Jun Gray Records Pre And Your Birds Can Sing II In Osaka>
6/19(日) 大阪 Pangea
act: rem time rem time / SpecialThanks / UNLIMITS / XERO FICTION
Open:17:30 / Start: 18:00
Adv: 2,800yen / Door:3,300yen
(問)06-4708-0061(Pangea)

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◆Jun Gray オフィシャルTwitter

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