【イベントレポート】チキパ、一旦ラストの単独イベント。そして9人は約束の日を目指す

ツイート

国内組7人も客席側に降りてきて、真梨耶がひとりで立つステージを見守る。流れてきたのは「DEAR...again」のイントロ。しかも、歌詞は真梨耶の想いと決意を込めて、友梨耶の手を借りながら本人が作詞したもの。ライトを浴びて<ちょっと長いけど頑張るからね。2年後の約束をしようね。>とひとりで歌う真梨耶の姿に、観客はもちろん、メンバーも嗚咽が聞こえるほどに号泣してしまう。

さらに、真凜は福原美穂「優しい赤」を、同じく歌詞を一部変え、自分の決意を歌声に乗せていく。<大丈夫、歩いていける… / 泣かずに歩いていけるよ>と、自分にも言い聞かせているように、涙を見せることなく歌を届ける。そんなボーカリストとしてのプライドと、凛とした姿勢は、ただただ頼もしく、メンバーからしてみても誇らしくあったことだろう。「歌詞飛ばへんかったな!」と、歌い終わって真凜も笑顔を覗かせる一方で、7人は感極まって言葉にならない様子だった。

次のコーナーは、真梨耶の歌詞にも出てきた“2年後の約束”に関連し、ふたりが再び日本に戻ってきた時に開けるタイムカプセルの制作に。まずは、各メンバーが2年後までにやっていたいことを書いた紙を友梨耶が読み上げる。

渡辺亜紗美「ドーム」
関根優那「確実に売れる。この9人で。必ず。」
島崎莉乃「CMひっぱりだこ。」
鈴木友梨耶「世界(ワールド)ツアー」
溝呂木世蘭「豪華客船『チキパ号』を作る。」
永井日菜「渋谷に歩けないくらい大物になってる」
小鷹狩百花「町中がチキパ」
鈴木真梨耶「1万人規模のツアーをする! (野外とか野外とかスタジアム系)」
山本真凜「『9人』でつっぱしる。」

一枚ずつ、永井日菜が抱えるタイムカプセルに入れていく友梨耶。そして、最後に白紙が一枚。彼女は会場に問いかける。

「みなさんは、2年後も、ふたりがいない2年間の新しいチキパも、応援してくれますか?」

これに応えるように、大きな拍手と歓声が返ってくる。その景色を目にして友梨耶は、白紙だった一枚にその場で「2年後また会おう」としたため、来るべき“約束の日”に向けて、タイムカプセルを封印した。

「真凜と真梨耶のふたりの願いがさ……“叶えたい”って思ったから……もも、絶対(チキパを)やめへんからな! 絶対ふたり待ってるから!」と、過呼吸気味に号泣しながら、小鷹狩が声を絞り出す。その発言に、真凜は「当たり前や!」と、いつもどおり冷静なツッコミを入れる。ところが、この後、そんな真凜もつい泣いてしまうことになる。

「そして、ある方たちからお手紙をいただいてきました。」と、まずは真凜宛の手紙を永井が代読する。手紙を書いたのは、真凜の母親。6歳の頃にダンスを始めたこと。最初は歌うことを嫌がっていたこと。母親だからこそのエピソードや応援のメッセージに、会場は静まり返る。最初は顔を手で隠していた真凜だったが、手紙が披露されると、「マジで? いつ?」と、驚いた瞳は真っ赤。「我慢していたのに、真凜が泣いてるね。」と、関根から指摘されると思わず苦笑いした。

そして真梨耶への手紙も、もちろん母親から。そして代読するのは姉の友梨耶。もっとも、手紙が読まれる前から真梨耶は泣いていたのだが、ただ感動だけで終わらせないのが、さすがこのふたりの母親。「……小さい頃からちょっと日本語がおかしくて。」と、友梨耶が読んだ当たりから、会場の失笑が増えてくる。そして、「夜空に光る三日月を見て、『ママ見て。綺麗な“ぬか漬け”!』とか言ったり、『ねえ知ってる? イルカって魚じゃないんだよ。“哺乳瓶”なんだよ。』ってドヤ顔で言ったりしてたけど。」と、発表されて、観客は手を叩いて爆笑。手紙を読んでいる友梨耶も思わず吹き出してしまう。しかし「負けず嫌いで、いつも全力で、一生懸命で、頑張り屋さんの真梨耶なら、どんなに寂しくても辛くても、しっかりやってすごい成長して帰ってきてくれるって信じてます。」という言葉に、会場は胸をうたれ、そっと涙を拭う姿も見られた。

手紙を受け取った真梨耶は、泣きながら家族をはじめ、周りに大好きな人がいっぱいいることを話しはじめる。そして「だから私、絶対、成長して帰ってくるし、絶対、成功っていうのかわからないんですけど、完璧人みたいなね、なってこようと思っています。」と、ペラペラ人、英語人に続く新たな人種を生み出しつつ決意を述べた。

いつも以上に熱の入った「WE ARE THE GREATEST NINE9'」では、永井日菜が<キミとキミがココにいると いつも思って生きてくから>を<真凜と真梨耶がココにいると いつも思って生きてくから>と、アドリブで歌詞を変えて歌い、オーディエンス側の想いも頂点に達する。さらにチキパの代名詞的な1曲「Cheeky dreamer」で、熱狂が生み出されていった。


壮行会には、国内組7人とファンによるふたりへのサプライズプレゼントも用意されていた。

真凜と真梨耶を中央に、そしてその周りをメンバーが囲んでの「HAPPY DAYS」。最前列には、ふたりにエールを送る横断幕が掲げられ、ファンひとりひとりが、オレンジのペンライトを点灯させる。ふたりに向けて、7人がワンコーラスを歌い繋いでいくと、歌のバトンはファンの元へ。観客からの大合唱というサプライズがフロアを包み込み、ふたりも感無量の様子だった。
この記事をツイート
365日、アイドルが作るアイドルメディア Pop'n'Roll 準備号創刊

この記事の関連情報

*

TREND BOX

編集部おすすめ

ARTIST RANKING

アーティストランキング

FEATURE / SERVICE

特集・サービス