【インタビュー】植田真梨恵、5thシングル完成「音楽ですべてを満たしたい」

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■それはもう緊張するだろうな
■っていう瞬間を1曲にしました

──そしてカップリング曲の「ルーキー」。これはちょっとマイナー調ですね。

植田:ひさしぶりに転調解禁です(笑)。私はインディーズ時代に転調地獄で、バンドメンバーにも「何回、転調すんねん」って言われていて。私自身も、「何回、転調すんねん」って思いながら弾き語りをしていたんですけど(笑)。メジャー・デビュー以降はあまり転調しすぎるとセンスないかもしれないと思って。ちょっと制限していこうと、限られた材料のなかで描けるものをやってみようと思っていたんですけど。久しぶりに解禁しました(笑)。

──ちなみにこれ、何回転調してるんですか。

植田:数えたことないですね(笑)。

──ははは。これくらいの転調は、植田さんとしてはふつうのこと?

植田:ふつうですね。「センチメンタリズム」とかの頃までは、いっぱい転調していたので。そもそも私のなかでは“転調してる”という感覚がなかったんです。とにかく使っていくコードがどんどん増えていくっていうことだけで、調が変わってるとは思ってなかった。最近も、部分転調してるのを人に指摘されてはっとしたんですけど、ふつうに作るとそうなっているんです。時系列で作ることが多くて、それこそメロディが先にあって、4小節なり8小節のルーティーンのなかで曲を作ることをしないんですよね。だから転調してもわからない(笑)。

──メロディ先行の曲作りだからそうなるんですかね。ただ、転調に転調を重ねても戻れるところがすごい。

植田:本当ですね、いつ戻ったんだろう(笑)。“信じて︕ ノーマークの〜”のところが頭サビより半音高いサビになっているんですけど、半音また下がって、最後にもう一度半音上がるんですね。だから高くなる一方ではなくて戻るんです。私がいちリスナーとしてここで転調したらいいのにって思ったら転調するっていう感じで、自由に転調しているんです。今回は、甲子園の楽曲というテーマをいただいていたんですが、もともとメジャーデビューの頃に、最初のフレーズだけがアイデアとして生まれていたんですけど、今じゃないと思ってストックしていたんです。これをじゃあ、1曲にしようと今回完成させたんですが、作っているうちに、この曲は転調したいなと、とうとう解禁しました。

▲「ふれたら消えてしまう」通常盤

──甲子園の曲っていうと、おそらくみなさんが期待するものとしてはすごく爽やかで、熱い歌、みたなところだと思うんですけど(笑)。

植田:なので、2曲提出しました(笑)。「ルーキー」はブラスバンド部の演奏が映えるようなメロディになるといいなと思って。となった時に、ついうっかりマイナー調のサビにしてしまったんですよね。「♪うらら~うらら~」(山本リンダ「狙いうち」)みたいな感じでカッコいいかなと思って。あとはやっぱりイメージ的には、野球といえばピンク・レディーの「サウスポー」があって。ドラマティックな展開、ドラマティックな一瞬を描いているような曲が今どきあってもいいなと思って書きました。熱いドラマと、それを固唾をのんで見守っている空気感とか、それはもう緊張するだろうなっていう瞬間を1曲にしました。

──野球にはこれまで親しんでいたんですか。

植田:私、恥ずかしながらスポーツ全般に疎いんですよ(笑)。体育の時間に野球をするのは好きだったり、中学時代には父と何度か、今のヤフオクドームに応援に行ったことはあったんですけどね。

──「ルーキー」は転調はもちろん、ギターのリフもかなり遊んでるギター・ロックになりました。

植田:こっちは、遊び心のあるアレンジャーさんにお願いしようと思って。ギタリストのBonnさんという方にアレンジをお願いしました、「S・O・S」(シングル『心/S/サ』)とか「中華街へ行きましょう」(2ndアルバム『U.M.E.』)のアレンジをしてくださった方で。

──風変わりなアレンジがお得意な。

植田:そうです、こってりとしたアレンジをしてくださるので、これは絶対によくなると思って。今回のアレンジとしては、風変わりというよりは味の濃いものになるといいなと思っていて。焼けた肌に汗、みたいな感じにしたいと思っていました。これまでの私の曲にはあまりなかったタイプですね。今回はギター・ロックというか、そういうサウンドが印象的なシングルにしたかったので、どちらもギタリストのアレンジャーさんにお願いして、ギターを弾くのが楽しいなって感じになったらいいなと思いました。たぶん、新しいギターを買ったからかなと思うんですけど。

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