【インタビュー】横山ルリカ「積み重ねてきた一歩一歩が未来の自分を作る道しるべとなって導いてくれる」

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約2年半ぶりとなる2ndアルバム『ミチシルベ』を11月30日にリリースする横山ルリカ。今作ではタイトル曲の「ミチシルベ」、アルバムのラストを閉める「いつかまた会えるその日まで」を本人が作詞。さらに、自身の2作目の作詞となる「初めての恋」(4thシングル「瞬間Diamond」のカップリング曲)も収録されている。合計3曲で「作詞・横山ルリカ」のクレジットが記され、本人の思いもたっぷり詰まった今作。間違いなく、今後の横山ルリカの活動の道しるべとなるべく作品だ。

◆横山ルリカ~画像&映像~


■タイトルは、アイドリング!!!で積み重ねてきた一歩一歩が■未来の自分を作る道しるべとなって導いてくれると言いたかった

――アイドリング!!!卒業後初の2ndアルバム『ミチシルベ』が11月30日にリリースですね。シングル以外に新曲が6曲も入ってますね。

横山ルリカ(以下、横山):はい。聴きごたえのあるアルバムになっています。

――タイトルはどのタイミングでつけたんですか?

横山:タイトル曲の「ミチシルベ」の歌詞を書くときに、一番アルバムのタイトルっぽくなるのはどこかな?って考えて「ミチシルベ」にしました。だから、歌詞と同時にアルバムのタイトルが決まったという感じです。歌詞を書いてキモになるワードをアルバムのタイトルにもしようと思っていたので。単語としても動詞ではないし、みんなが知ってる簡単でわかりやすいもので、この曲を表しているものにしようと思ったんです。カタカナにしたのは、その方がスッと入ってくるし、平仮名とか漢字と比べても収まりがいいと思ったので。

――「ミチシルベ」という言葉がシックリきた理由は?

横山:このアルバムで、自分の作詞した曲が初めてリード曲になったんです。ラジオやテレビでオンエアされるのも表題曲ですよね。今まで、自分が作詞してきた曲って全部カップリング曲だったから、なかなか人に触れてもらえないことが多かったんですけど、このタイミングで自分が作詞した曲が表題曲になるということにすごく意味を感じました。「自分にしか書けない、今までで一番、壮大な曲にしよう」と思ったんです。ただ、まだ25歳だし、いろんな人を感動させるような歌詞を書ける自信もなかったんですけど、アイドリング!!!でやってきた10年は、自分の中では壮大な物語だったので、そこで感じたこと、気付かされたことを、卒業して今もこうして活動できていることに感謝して書いてみたいなと思いました。アイドリング!!!で積み重ねてきた一歩一歩が未来の自分を作る道しるべとなって導いてくれるということが言いたかったんです。だから、この「ミチシルベ」というタイトルが自分の言いたいことを全部伝えられるかなって思いました。


▲2nd Album『ミチシルベ』初回限定盤


▲2nd Album『ミチシルベ』通常盤

――なるほど。最初からタイトル曲になるという前提で「ミチシルベ」という曲の歌詞を書いたんですね。

横山:はい。タイトル曲というのもびっくりもしたし、ミュージックビデオも作るということだったので、自分の作詞した楽曲の中で一番フィーチャーされる機会が多いものになると思ったから、絶対に納得のいく歌詞にしたかった。曲を聴いた瞬間、めっちゃいい曲だなぁと思ったんですよ。この曲の作詞をさせてもらえるんだ!って嬉しくなって、やる気スイッチも120%入りました。だから一番時間をかけて書いたんです。

――どれくらい?

横山:2週間くらいですかね。

――頑張りましたね。

横山:思いつくまでに2週間かかりました。最初は言いたいことが多すぎて、まるで短編小説みたいになっちゃったんです。スタッフの方にも「文字が多すぎて何が言いたいのかよくわからない」と言われ、もう一回持ち帰って、本当に言いたいことをシンプルに書こうと。残りの時間は文章を絞り込んでいく作業でした。

――たくさんの言葉の中から芯を削り出して行くような作業だったんですね。

横山:自分的には言いたいことがたくさんあったけど、スイカとかメロンの甘い部分だけを残したという感じです。全部食べないと勿体無いって思って、なかなか削れなかったんですけど、やっぱりいいものにしたいから、甘いところだけを取ったという(笑)。

――自分のことを歌っているけど、だからこそ、他者に対しても強いメッセージになりましたね。

横山:嫌だなぁとか、めんどくさいなぁと思うことは社会でもたくさんあると思うんですけど、無意味だなと思うことにも絶対に意味があって、自分の力になって、道しるべになっていくと思うんです。それぞれ仕事は違っていても、それが伝えられたらいいなと思いました。

――きっと文字が多かったときは、俯瞰で見られていない部分もあったと思うんですけど、煮詰めて削ぎ落とした結果、聴いた人が共感できるような内容になったという感じがします。

横山:あまり視野を狭めないほうがいいなというのは途中で思って、ちょっと考え方を変えました。できた時もすごい達成感があったんです。

――「ミチシルベ」はアルバムの作業をしている中で、どれくらいのタイミングでできた曲なんですか?

横山:これは8月中旬くらいに作詞をしてくださいと言われて、9月に書いたと思うので、アルバムの最初の段階です。そのあとに「いつかまた会えるその日まで」の作詞をしています。

――「ミチシルベ」ができたことで、自分のアルバムに対するイメージも固まったんじゃないですか?

横山:はい。レコーディングは1日2曲ずつだったんですけど、やりやすかったです。リード曲が「ミチシルベ」になったことで、他の曲もそれに合わせて選んだというのも大きいと思います。

――「ユメイロ」もタイトルがカタカナで「ミチシルベ」の軸にそっています。キラキラしていて。

横山:ファンタジックな要素もありますよね。最初、仮歌を聴いた時に、絶望的に難しくて(笑)、「歌えるのかな?」と思ったんです。今までのハイトーンヴォイスを出す難しさとは違って、まず「音程とれるのかな?」というところで。

――難しいメロディですもんね。

横山:はい。バックの音を聴いた時に怖気付いてしまって、練習する時が一番怖かったです。歌ってみたらすごく気持ちよく歌えたんですけど、それまでが大変で。レコーディングで歌った時にディレクターさんに音痴って思われたらどうしようっていう不安がある曲でした。

――これまでだって相当難しい曲を歌ってきているのにね(笑)。改めて「瞬間Diamond」を聴いたときに、この曲、なんて難しいんだろうって思ったし。

横山:「瞬間Diamond」の時と似た感覚でしたね。なんとも言えない中間の音というか、♯が多めというか(笑)。定番っぽくない曲調が難しくて一番ドキドキしながら歌っていました。

――なのにすごくキャッチーに聞こえるから不思議(笑)。「Colona」も新境地じゃないですか?

横山:私、この曲、すごく好きなんです。

――これこそファンタジーというか。

横山:そうなんです。RPG感がありますよね。ゲームの主題歌にならないかなぁってアピールしています(笑)。

――宇宙から見下ろすような視点から、地上の花にズームインするような視点の移動も面白い曲ですよね。

横山:はい。白戸佑輔さんに書いていただいたのは初めてだったんですけど、「ユメイロ」と「Corona」の2曲を作っていただいて、また新たな世界を引き出してもらえたなという感じがしました。「ミチシルベ」と同じ日にレコーディングしたのが確かこの曲で、「ミチシルベ」を作った原田アツシさんが、「めっちゃ、声が「Corona」にハマってるじゃん。俺の曲大丈夫かな?」って心配されていたんですよ(笑)。でも、そう言ってもらえたのも嬉しかったですし、曲自体も歌っていて感情が持って行きやすかった。日常感がないからこそ、役に入りきるような。自分を出すというよりも、その世界に合わせて歌えるっていう曲なので、新しい面白さがあるなと思います。

――王道のバラード曲「Precious Love」もすごいハマっていますが。

横山:今になってバラードがすごく好きになってきていますね。

――昔は苦手って言っていましたね。

横山:はい。アイドリング!!!の最初の頃は苦手だったんですけど、ソロの活動をやらせてもらっていくうちにこういう曲が好きになっていきました。

――しかも、ストレートなラブソング。いつも恋愛よりも仕事の方が面白いという横山さんなのに、自分で作詞する曲がラブソングだったり、こういうラブソングも歌えばすごくハマるし、思惑とは逆に、ラブソングの表現力が増している気がします。

横山:ふふふ(笑)。こういう曲ってすごい勉強になるんです。自分が思ったことのない感情でも声質とか声の出し方で表現ってできるんだなぁって。

――そういう技術的な部分はもちろんだし、横山さんは家族を大事にしている人だから、そういう人たちへの愛情というのも歌にこもるのかもしれないですね。

横山:それはあります。ペットでもそうだし、もちろん家族に対しての思いはこもりますね。

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