【レポート】Rayflower、BAROQUEとの2マンで「互いに刺激を受けられる」

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Rayflowerが3月22日、LIQUIDROOM恵比寿にて2マン東名阪イベント<Rayflower presents Night which GLORIOUS>のファイナル公演を開催した。

◆Rayflower × BAROQUE 画像

Rayflowerが“同じステージに立ちたい”と思うアーティストを招いて行う2マンライブイベントが<Night which GLORIOUS>だ。2012年、2016年に続く第3回目となった今回は、3月7日の大阪BIGCATに中島卓偉、3月8日の名古屋Electric Lady LandにASH DA HERO、そして3月22日のLIQUIDROOM恵比寿にBAROQUEが迎えられた。過去2回同様、<Night which GLORIOUS>というタイトルにふさわしい豪華競演といえるが、その最終日、ホットなRayflowerと透明感を湛えたサウンドで魅せるBAROQUEという組み合わせは、やや異色だ。どんなライブになるんだろう?と思いつつ、会場へ足を運んだ。




先陣を切ってステージに立ったBAROQUEは「DREAMSCAPE」からライブをスタート。一気に炸裂するパターンとは異なる抒情的な幕開けでいながら、客席が肩透かしを食らったような空気になることはなく、彼らならではの煌びやかな世界を瞬く間に構築したのはさすがといえる。ライブが始まると同時に、場内を埋めたオーディエンスが強くステージに惹きつけられたことが如実に感じられた。

その後はパワフルにしてキャッチーな「我伐道」、洗練感を纏ったスローチューンの「SKY WALKER」、力強さと浮遊感を併せ持った「SWALLOW THE NIGHT」などが相次いで演奏された。1曲ごとに表情を変えるアプローチを採って大きな物語を語っていくように感じさせる辺りは実に見事。また、ベースに明希(SID)、ドラムにKENZOというサポート陣でロック感を増すと同時に、力強さと繊細さ双方のレンジがより広まっていることも印象的だった。




後半では、静かな導入からドラマチックにクレッシェンドしていく「YOU」、アッパー&エモーショナルな「PLANETARY LIGHT」、怜の「このイベントに参加できて良かったです」という言葉と共に演奏された「GIRL」などを披露。激しくいき上げるライブではないにもかかわらず、オーディエンスの熱気はどんどん高まり、温かみと一体感に溢れた盛り上がりを見せた。Rayflowerのキャラクターに合わせて勢い重視にすることなく、いつも通りのBAROQUEでオーディエンスを魅了した彼らには頭が下がる。BAROQUEの揺るぎなさを改めて感じさせて、メンバーはステージから去った。


ステージ転換のインターバルを経て、暗転した場内にパワフルなオープニングSEが流れ、ステージにRayflowerのメンバーが姿を現した。大歓声と拍手が湧きあがる中、YUKIのアグレッシブなギターサウンドが響き、ライブはハードな「Runaway Brain」からスタート。

「いくぜ、東京! ぶち壊せ!」──田澤孝介(Vo)

というアジテーションを織り交ぜながら熱い歌声を聴かせる田澤を軸に、フィジカルなステージングを展開するメンバーと、サビでタオルを振って華やかに盛り上がるオーディエンス。BAROQUEという強者のステージ直後ながら、「Runaway Brain」1曲で場内がRayflower色に染まった。勢いを保ったままハイテンションな「サバイヴノススメ」、シャッフルチューン「彩戯心」、キャッチーなサビを配した「哀しみのリフレイン」などが次々と弾き出される。



明るいオーラを発しながら情熱的なボーカルを聴かせる田澤。ピアノやオルガン、シンセを自在に操り、さらにショルダーキーボードに持ち替えて魅せるステージングも披露する都。激しいステージングとテクニカルかつエモーショナルなギタープレイでオーディエンスを魅了するYUKI。ほとんど指板を見ることなく饒舌なメロディープレイや高速スラップなどを決めまくるIKUO。バリエーション豊富なリズムアプローチと流麗なフィルでグルーヴを牽引するSakura。とにかくメンバー全員カッコよくて、1人1人に目を奪われずにいられない。同時に、それぞれが自由にパフォーマンスしていながら強いバンド感を放つのも彼らの魅力であることを再確認できた。

異国感を湛えたエモーショナルな「S.O.S~沈黙のスカーレット~」で空気を変えた後、田澤のMCが入った。

「LIQUIDROOMにお集まりの“花キューピット”の皆さん、“バロッカー”の皆さん、こんにちは。Rayflowerです。今回の<Night which GLORIOUS>は本日の東京公演が最後です。大阪も名古屋も素敵な時間を過ごさせてもらいました。今日初めてRayflowerを見る方に、Rayflowerというものを伝えたいですし、いつも応援してくれる皆さんには“ああ、こういう感じ。いつもの感じね”というライブをします(笑)」──田澤孝介



いつもと変わることなく、対バンライブでも“素”で話すのは田澤らしい。和やかなMCで客席を湧かせた後、後半は「Make A Judgement」、爽やかな「ユースフルハイ」、ダンサブルな「Soul survivor」などを畳み掛けるようにプレイ。パワフルかつアッパーでライブ映え抜群の楽曲とメンバーが織りなす華やかなステージング、高度なテクニックと人間味を兼ね備えた上質なプレイが一つになったRayflowerのライブは本当に観応えがある。初めて彼らに触れる人も多かったと思うが、後半の場内はBAROQUEファンとRayflowerファンといったことを超えて熱狂的な盛り上がりとなった。

対バン形式の限られた時間のなかで、今回のRayflowerは楽曲を聴かせることに徹した。ワンマンの大きな魅力になっている音楽的な遊びやメンバー個々の人となりが伝わるMCは抑えられたわけだが、物足りなさを感じることはなかった。今回のライブを観て、イベントやフェスなどの短い出演時間でもRayflowerが魅力を発揮できることを実感できただけに、今後の彼らの展開が本当に楽しみだ。


冒頭に書いたように、RayflowerとBAROQUEの競演には軽い違和感があったが、蓋を開けてみればテイストの異なる2本の魅力的なライブを堪能できた。ライブ中のMCで田澤が語った、「対バンといっても対抗的なライブではなくて、お互いに刺激を受けられるといいなと思う。僕達も触発されて、熱いステージができました」という言葉にふさわしい爽やかな余韻も心地よかった。<Night which GLORIOUS>が定番イベントとして根付づくことを大いに期待したい。

取材・文◎村上孝之
写真◎HIRO SATO


■<Rayflower presents Night which GLORIOUS>
2017年3月22日@東京・LIQUIDROOMセットリスト

【BAROQUE】※Support Members:明希(B.シド) / KENZO(Dr)
01.DREAMSCAPE
02.我伐道
03.SKY WALKER
04.SWALLOW THE NIGHT
05.MEMENTO
06.魔女と林檎
07.メロウホロウ
08.Y O U
09.PLANETARY LIGHT
10.G I R L
【Rayflower】
01.Runaway Brain
02.サバイヴノススメ
03.彩戯心
04.哀しみのリフレイン
05.S.O.S〜沈黙のスカーレット〜
06.Make A Judgment
07.ユースフルハイ
08.Soul survivor
encore
09.新曲 (タイトル未定)


◆Rayflower オフィシャルサイト
◆Rayflower オフィシャルYouTubeチャンネル
◆BAROQUE オフィシャルサイト
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