【インタビュー】J、ソロ始動前夜を語る「とんでもない存在になりたいと思っていた」
■「TIME IS DEAD」が2曲目じゃなかったら
■どうなっていたんだろうと思うときもある
──LUNACY結成当初からJは作曲もかなりしていて、一概には言えないものの、わりと爆発力持った曲を手掛けている印象なんですよ。
J:自分が観て聴いてきた音楽が、やっぱそういうものが多かった。U2は音楽により深く入っていったきっかけだったけど、それ以前からパンクロックやメタルとか、ラディカルな音楽の持つエネルギーに触れてきたから。ロックミュージックの持つ爆発力やエネルギーに俺は撃ち抜かれてきたし、そういう部分をLUNA SEAに注入してきたのかなとは思うんですよ。
──次の若いJみたいなヤツに“自分で作る曲で刺激を与えたい”みたいな?
J:当時はそこまで考えてなかったけど、“どこにも存在しない音楽を作ったらすごいんだろうな”と。パンキッシュなものも、ハードロックもメタルもプログレも、ニューウェーブも、何でもかんでも好きだったけど、いわゆる先端の部分を集めて、自分の中のフィルターを通して出てきた音楽がどこにも属さないものだったら、それはすごいものだろう”と思いながら曲を書いていったんだ。インディーズの1stアルバム『LUNA SEA』も自分はそういう意識で作ってたな。
──J個人の初作曲ナンバーは、そのアルバムにも収録されることになった「TIME IS DEAD」ですよね。ソングライティングした当時のことは覚えてます?
J:ベースで作った唯一の曲かもしれない。“ベースラインを軸にした曲を作りたい”と思って初めて作曲したんだけど。無意識だったよね、あのビートとか。自分の中から湧き上がるものに導かれるままに作っていった曲。でも見渡したら、こういう感じの曲はあまり聴いたことのないものだったし、インパクトという意味ではものすごく残せるんじゃないかと思って作ったんだよ。この曲をデビューアルバムの2曲目に置くなんて、相当自信ないとできないよね。それは今になって思うよ。
──これでどうだ!ってことですよ。つまり、宣戦布告に近い。
J:そう、闘いの狼煙。すごく革新的だったと思うな。これが2曲目じゃなかったらどうなっていたんだろうと思うときもある。
──「TIME IS DEAD」はバンド初期からライヴ後半のクライマックスに据えることが多かったですよ。
J:そうだったね。この曲に限らず、どこにもない存在になりたいという思いが、どこにもない熱を放つ曲をつくらせていたというか。そういう旅を5人でしてきたな、とすごく思うな。
▲『J 20th Anniversary BEST ALBUM <1997-2017> W.U.M.F.』【2CD】 |
J:そうですね(笑)。エクスタシーレコードから『LUNA SEA』をリリースすることになったのも、HIDE兄がYOSHIKIさんに紹介してくれたからなんだよね。「カッコいいバンドがいるんだよ」って。
──昔からHIDEはいろんなアンテナ張ってましたよ。みんなで飲んでいても「最近、いいバンドいる?」ってのが口癖みたいになっていて、いろんなバンドについてかなり知っていたし。
J:LUNA SEAってバンドが、そういう話題にのぼってたという話も聞いたし。そういうことも含めて、ものすごい時間を過ごしていたんだなって思う、本当に。
──HIDEとJは話も合ったでしょ?
J:いや、それが性格的なものもあってね、最初、すぐには打ち解けるようなそんな関係ではなかったと思う。当然、ものすごくお世話になっている先輩だしね。LUNA SEAがメジャーに行ってからかな、時間が経つにつれて仲良くさせてもらってね。それからというもの毎晩のように電話を掛けてくれて「何やってんの? 飲みに行こうよ!」って(笑)。で、飲みに行ったときは「最近、いいアルバムを聴いた?」とか、そういう話から始まってさ。HIDE兄とはいろんな音楽の話をしたよ。Xはメタルのイメージがあるけど、HIDE兄はニューウェーブも通っていたから。俺が好きだった音楽とか興味あった音楽も、HIDE兄はすでに聴いていたしね。
──当時、2人の間で話が盛り上がったバンドやアルバムというと?
J:HIDE兄はナイン・インチ・ネイルズが好きだったよね。インダストリアルなロックバンドがすごく好きだったでしょ? 俺はニューウェーブ方面からミニストリーとかに入っていって。初期のボディビートとか呼ばれていた音楽の背景もあったね。好きだったロックバンドはHIDE兄とすごく似てたよ。
──HIDEはジェーンズ・アディクションもけっこう好んでいましたよ。ライヴのソロ・コーナー“HIDEの部屋”でモチーフにした曲も披露したほどで。
J:そうだったね。SUGIZOもジェーンズはすごい好きでね。HIDE兄は最先端のものも聴いているし、昔のものもよく知っていた。そういうところからも刺激を受けたし。
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