【インタビュー】Awesome City Club「こっちに来てくれれば絶対に幸せにできるから一緒にいこう!」

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ブラック・ミュージックの要素を活かした音楽性や華やかな男女ツインボーカルなどをフィーチュアして、スタイリッシュかつ個性的なシティポップを形にしているAwesome City Club。2015年にデビューした後、短いタームで4枚のミニアルバムをリリースしてきた彼らのベストアルバム『Awesome City Club BEST』が8月にリリースされた。登場から2年でベストという特異な流れには、大きな意味があるに違いない。このタイミングでベストアルバムを出すことにした経緯や同作の聴きどころなどについて、リーダーのマツザカタクミ(b)とatagi(vo & g)、PORIN(vo)の3人に語ってもらった。

◆Awesome City Club~画像&映像~

■“自分に正直に生きろ”という歌詞の「アウトサイダー」がバンドの転機の一つ
■この曲がAwesome City Clubをより多くの人に知ってもらえるきっかけになりました


――8月23日にベストアルバム『Awesome City Club BEST』がリリースされました。

atagi:最初は、このタイミングでベストアルバムという話にはなっていなかったんです。僕らは2015年から7曲入りのアルバムを半年に1枚のペースで出してきましたが、実は3枚目のアルバムを作った辺りから、今のサイクルはいつやめるんだ…みたいな話をしていたんです。というのも、2年を経て、当初の制作ペースや制作コンセプトというのが自分達の置かれている環境や意図とマッチしなくなってきたというのがあって。最初の頃は新人バンドなので、できるだけリリース・ペースを早めたいというのがあったんです。でも、今はシングルが売れないし、フル・アルバムはリスナーがトゥーマッチに感じているところがあるという話になって。それで、7曲のパッケージの半年に1枚というペースでいくことにしたんですけど、最近は半年に1枚のペースではなくて、じっくりアルバム制作に取り組んだほうが、いろんな意味で良いんじゃないかという話が出るようになっていたんです。それで、ここまで続けて来た“Awesome City Tracks シリーズ”を一度やめることにして。そのうえで、デビュー以来の一つの区切りとしてベストアルバムを出すことにしました。


▲『Awesome City Club BEST』初回限定盤(CD+DVD)


▲『Awesome City Club BEST』通常盤(CD)

マツザカ:ベストアルバムを出そうということになった時は、これまで自分達がやってきたことと、これからの自分達が向かっていきたいことの架け橋になるようなものにしたいなと思いました。なので、ここまでの4作のリード・トラックや自分達にとって大事な曲を入れつつ、新曲も入れることにしました。すでにAwesome City Clubを知っていて応援してくれている人も、今回のアルバムで知ってくれる人も楽しんでもらえるベストにはなったかなと思います。

PORIN:『Awesome City Club BEST』に収録されている曲は全部好きだし、自信のある曲が並んでいるので、ぜひ聴いて欲しいです。私の中で特に印象の強い曲をあげるとしたら、「アウトサイダー」かな。2ndアルバムに入っている曲なんですけど、初めてメッセージ性の強い歌詞を乗せた曲です。それまでは私達にこういうメッセージ性の強い曲ができるとは思っていなくて、リリースする時はお客さんに受け入れてもらえるか心配だったんですね。でも、初めてライブで演奏した時のお客さんの反応がすごく良くて、それが今でも忘れられなくて。この曲でAwesome City Clubは一皮むけられたという意味で、印象が強いです。

マツザカ:PORINが話した通り、「アウトサイダー」はバンドの転機の一つになりましたね。僕らの1stアルバムと2ndアルバムは基本的にデビュー前に作った曲が収録されていて、「アウトサイダー」の前くらいにストックが足りなくなったんですよ。それで、デビューしてから最初に作ったのが、この曲だったんです。曲を作るのと並行して僕が歌詞を書いたんですけど、結構切羽詰まっていたんですよ。時間がないし、今の自分はどういうことを伝えたいのかが分からなくなってしまって。そういう中で出てきたのが、“自分に正直に生きろ”という「アウトサイダー」の歌詞だった。それまではサウンド的な歌詞を作っていたので、こういうことをしてダサいと思われたら嫌だなとも思ったんですよ。でも、結果的に、この曲がAwesome City Clubをより多くの人に知ってもらえるきっかけになりました。それに、今は全然ダサいと思っていません。


▲PORIN

――ダサいどころか、多くのリスナーの共感を得る歌詞です。「アウトサイダー」は、ブラック・コンテンポラリーの味わいを活かしつつ、独自のシティポップに仕上げていることも印象的です。

atagi:僕はギトギトのファンクとかが好きで、それがAwesome City Clubにも反映されているんですね。でも、「アウトサイダー」は、そういったテイストが薄まっている。曲を作る時に強く意識したわけではなくて、わりと自然とそうなったんです。自然体で作ったものが、独自のものと感じてもらえるなら嬉しいです。

マツザカ:僕の中で特に印象が強い曲をあげるとしたら……「pray」ですね。最近の自分達はモードがロックというか、エネルギーを“ガーン!”と出す方向に行っているんです。だから、「pray」は今のAwesome City Clubライブにピッタリな曲だなと思って。バンドの初期からある曲で、最近はあまりやらなくなっていたけど、<RISING SUN>で久しぶりに演奏したらすごく良かったんですよ。「pray」は限定販売だった「アウトサイダー」のカップリングで、手に入らないという人が沢山いたんですね。だから、今回のベストに入れられて良かったし、これを機会に今後はもっとライブでやっていきたいなと思っています。

PORIN:この曲は、今ライブでやっていて一番楽しいです。なんて言うんだろう……Awesome City Clubは、メンバー間で盛り上がっているエモーションを見せつけるみたいな曲があまりなくて。バンドから発信して、お客さんとキャッチボールをする感覚の曲が多いんですね。そういう中で「pray」は一方的に見せつけるカッコ良さがあって、そこが良いなと思っています。

atagi:そうだね。僕は、曲を作る時はいつもいろんなアプローチを試すんですけど、「pray」を作った時は特にそういう傾向が強くて。僕はUKがあまり好きではないというか、どっちかというとUSっぽいものが好きなんですね。でも、この曲はちょっとUKっぽさを意識して作ってみた。なので、これもちょっと他の曲とテイストが違っています。僕の中で特に思い入れが強い曲は、どれだろう? 難しいな……。強いて1曲あげるとしたら、「青春の胸騒ぎ」かな。これは、すごく良いと思っている。Awesome City Clubの曲は、良くも悪くもあざとさがあるんですよ。狙ってそうしている部分があるし、それが僕らの味でもあるけど、「青春の胸騒ぎ」は純粋に超良い曲だなと思う。この曲は4枚目のアルバムに入っていて、リード・トラックを作ろうというタイミングで書き始めて。結果的に「今夜だけ間違いじゃないことにしてあげる」がリード・トラックになったけど、これもすごく良いと評価されたことが自信になったし、この曲ができたことでバンドの新たな指標が一つ増えたんですよね。歌詞の世界観とか、楽曲の持っている温度感が一番今風なこととかも含めて、ぜひ聴いて欲しいです。

マツザカ:atagiも言ったように、今までのリード・トラックはキラキラしている部分とか、狙っているような部分が出ていたけど、「青春の胸騒ぎ」は素顔の自分達を出すことができた。この曲を出した少し前からアコースティック・ツアーとかもするようになったこともあって、自然体でお客さんとコミュニケーションが取れるようになって来たんです。それまでは、ちょっと構えているようなところがあったんですけど。最近のライブの良い空気感を音源にもパッケージしたいなと思っていた時にこの曲が出て来て、ちゃんとそういうものになって、すごく嬉しかった。「青春の胸騒ぎ」もAwesome City Clubの新しい扉を開いたという意味で、僕の中でも印象深い曲です。

PORIN:ずっと力みながら活動して曲を作って来たけど、「青春の胸騒ぎ」はリラックスして作れたというのがあって。できた時に、ちょっと肩の荷が降りた感じがしましたね。この曲は私も歌詞を書いたんですけど、それまではフックになる言葉をどうしても入れたかったんです。そういうことを考えずに等身大のまま書いてみたら、こうなったという感じの歌詞で、それが良いと言ってもらえて。レコーディングも一発録りで、リラックスして自分達のグルーブが録れたし。「青春の胸騒ぎ」はAwesome City Clubの成長に繋がった1曲だなと思います。

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