【対談】SPARK!! SOUND!! SHOW!! × Tomohiro+Eiji (Joy Opposites)、「パンチ力を貸してください!」

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スサシことSPARK!! SOUND!! SHOW!!が6月6日、アルバム『火花音楽滙演(ヒバナオンガクカイエン)』をリリースする。数々のフェスやイベント出演をはじめ、Creepy Nutsの『クリープ・ショー』(2018年4月発表)収録曲「ぬえの鳴く夜は」にてスサシの「Swinga!」がサンプリングされたほか「新・合法的なトビ方ノススメ」では演奏を務めるなど、着実に確実に、しかしフルスロットルでシーンを駆け抜けてきた彼らのキャリア初フルアルバムの完成だ。

◆SPARK!! SOUND!! SHOW!! × Joy Opposites 画像

セルフタイトルを掲げた『火花音楽滙演』には、音楽ジャンルといった概念を木っ端微塵に打ち砕いて確立したオリジナリティ溢れる全11曲を収録。2017年3月のタクマ(syn / G)加入後の初全国流通作品という意味ではバンドの進化が如実に表れ、現メンバー体制にて再録した既存曲を含むという意味では渾身のベスト盤的な側面も併せ持つ。さらには、FACT時代から親交のあるJoy OppositesのTomohiro(B)とEiji(Dr)がサウンド面をあらゆる角度からサポートするなど、その音抜けはあまりにも素晴らしい。

BARKSはスサシ・メンバー全員インタビューと、Joy OppositesのTomohiro(B)とEiji(Dr)を迎えた対談の2wayから、凶暴でメロウな『火花音楽滙演』制作秘話と創造した未来を解き明かす。先ごろ公開したメンバーインタビューでは結成から現在までの経緯を紐解きつつ、フルアルバムに込めた思いを語ってもらったが、続いてTomohiroとEiji、そしてSPARK!! SOUND!! SHOW!!メンバーによる6人のトークセッションをお届けしたい。

   ◆   ◆   ◆

■“怖い”って思われてたことも
■今初めて知りましたね(笑)

──TomohiroさんとEijiさんと、スサシの出会いって、2014年の<FACT 15th Anniversary「Rock-O- Rama」in MAKUHARI MESSE>がきっかけなんですか?

チヨ:そうです。僕らは高校生の頃からFACTを知っていて“FACTっていうバンドの人”っていう認識だったし。それくらいの年齢のときから聴いてたバンドって、やっぱり雲の上の存在じゃないですか。ところが、先輩バンドのwaterweedのohgaさんからいきなり「お前ら、<ROCK O-RAMA>出れるよ!」って言われて「何言うてるの、この人?」って感じじゃないですか、僕らからしたら。話を聞いたら、若手バンドを探しているFACTの皆さんに俺らの動画を見せてくれたみたいで。それきっかけで出られることになったんですよね。

▲Tomohiro (B)/Joy Opposites

──チヨくんにとってTomohiroさんとEijiさんはどんなイメージだった?

チヨ:やっぱり出会いが画面越しじゃないですけど……昔から知っていた人だったから緊張したのと、Tomoさん(Tomohiro)はかなり落ち着いたオーラがあるから、逆に怒ったらめっちゃ怖そう、みたいな(笑)。

──TomohiroさんとEijiさんから見て、スサシはどんなバンドでしたか?

Tomohiro:<FACT “WITNESS” JAPAN TOUR 2014>の静岡公演あたりで、「<ROCK O-RAMA>のメンツ決まんないね」って楽屋が変な空気になるくらい悩んでいて。「やっぱり若い子を入れてあげたいよね」って話になるんだけど、今の若いバンドがわからないから、またみんなで「う~ん……」ってなっちゃって。そのときにWaterweedのOhgaが「ハチャメチャなライブをする奴らがいる」って紹介してくれたのがスサシだったんですよね。Ohgaも「いい」って言ってたし、スサシ自体面白そうだし、“やっぱり知らなかった人たちと会っていくのがいいんじゃない?”と思って出演してもらいました。だから、“怖い”って思われてたことも、今初めて知りましたね(笑)。

チヨ:だから、挨拶程度はしていたし、ライブに遊びに行かせてもらったりはしてたけど、2017年10月に初めてJoy Oppositesと対バンして、そこから関係が密になっていったんです。定期的に連絡を取り合ったりとかしてて。

──今回のアルバム『火花音楽滙演』にサウンドプロデューサーという形でお2人を迎えたのは?

チヨ:もともとレコーディングをお願いしていたエンジニアの方がいたんですけど、行き違いがあって都合がつかなくなってしまって。

タクマ:ボーカルとドラムは別の人に録ってもらってたんだけど、ギターとベースとシンセはまだだったから、“もう俺が録っちゃおう”と思ってたんだよね。ただ、俺は録ったことがなかったから、Tomoさんに「どうしたらいいですかね?」って相談したのがきっかけかな。

タナカユーキ(以下ユーキ):録り方とかレコーディングの助言がほしくて、パッと思いついたのがTomohiroさんとEijiさんだった。

▲Eiji (Dr)/Joy Opposites

──サウンドプロデューサーとしてレコーディングの場では、具体的にどんな作業をされたんですか?

Eiji:僕はもともとレコーディングのドラムチューニングの仕事をちょいちょいやってて。今回だとスタジオに入る前、イチローを中心にみんなで相談をしながら、「スネアを木胴にしてみよう」とか「バスドラをちょっと薄いシェルにしてみよう」とか、基本的なところから決めていきましたね。実際にスタジオへ行ってからは、ただ遠くから見つめてる……ってことかな? まあ、イチローはたまに魂が抜けることがあったので、「そんなんじゃ“ひたちなか”行けねえぞ!」「キッズが見えてんのか、お前!」と精神的な励ましとかですかね。

Tomohiro:ドラムに関しては、そういう精神面のサポートみたいなのが大きかったかもね。終わった瞬間、2人して唐揚げ食ってゲームしてたし(笑)。

ユーキ:普通のドラムテックの人は音のことはやってくれても、精神面のサポートまではしてくれないから。そこはマジでアツい! イチローもアホやから、Eijiさんくらいの立ち位置の人から一喝入れられると、「ヨッシャ!」って気合い入ってたもんな。

チヨ:イチローは、結構演奏に波があったりするんですけど、Eijiさんがお尻を叩いてくれたことによって、いいテイクが録れたな。

Eiji:一応、メンバーの間に立てるような役回りでいれたらいいな、とは思ってましたね。

──Tomohiroさんはどんな作業を?

Tomohiro:まず、レコーディング予定曲を送ってもらって、タクマと2人で相談をしつつ、「こことここ(の構成)を入れ替えてみたら?」とか、ひとつの提案としてアレンジを投げたり。ただ、アドバイスはするけどチョイスはメンバーに任せていましたね。自分達の音を一番聴いてきたのはメンバーの4人だし。

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