【インタビュー】NIKO NIKO TAN TAN、骨太なオルタナとミクスチャーをコアに荒々しく感情を揺さぶる

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■「キューバ、気づき」は“ゆらゆら、ふらふら”が重要なワード
■ダブル・ミーニングというか違った意味を持ったら面白いな


──今回2曲入りシングル「東京ミッドナイト/キューバ、気づき」が世に出たわけですけど。実は水面下でもっと新曲を準備しているという噂もありますが。

Ochan:はい。全部あった上でこの2曲が先に出るというふうに思ってもらえれば。NIKO NIKO TAN TAN的に面白がってるポイントがあるんで、そのために今はこの2曲を聴いて追っかけてもらったほうが後々もっと面白い。そのための最初の2曲だと思ってます。

──テーマパークを設計する発想かな。この先に本当に見せたいものを用意しておいて、一番入りやすい入口を考える。

Ochan:そういう感じかもしれない。奥のほうに力を入れた面白いものがあったとして、いきなり奥に案内されても全体の面白さが伝わらないと思うので。まさに入口のイメージのシングルです。

──音は相当に尖ってると思うんですけど、基本は歌ものですよね。歌へのこだわりは?

Ochan:「東京ミッドナイト」は、Botaniという女性シンガーと僕で歌っています。声の性質的に僕が歌うとオルタナティブ寄りになって、彼女が歌うと良い意味で受け手を選ばないというか、ゾーンが僕より全然広くなると思っているんですね。そういう2人の歌い手を選べるのは強みと思っています。

──この曲はいわゆるR&Bチューンと言ってもいいキャッチーさがある曲。もう1曲の「キューバ、気づき」は、シンセのリフを中心にした。エキゾチックでファンキーなかっこいい曲。

Ochan:「キューバ、気づき」は、サムソンリーが“キューバに行きたい”とずっと言ってた言葉が頭の中に残っていて、スタジオに入っている時に原型ができました。仮タイトルを“キューバ”にしていたらすごい愛着が湧いてきて、“「キューバ、気づき」でいいやん”って。全然キューバっぽくないんですけど。


──ラテンのラの字もない(笑)。でもイメージですね。脳内イメージをどうやって音にするか。

Ochan:とっかかりがほしいんです。「東京ミッドナイト」は、デモの段階から僕が“東京ミッドナイト”と歌っていて、あとはサムソンが解読して彼なりに話をはめていく。まず僕が適当な日本語で気持ち良い言葉をバーッと歌うんですよ。それをサムソンが解読して新しく書いたものを僕が歌って、語感を調節しながら作っていくやりかたです。「キューバ、気づき」だと、“ゆらゆら、ふらふら”というところが僕的に重要なワードで、あとはサムソンの解読に任せています。ダブル・ミーニングというか違った意味を持ったら面白いなと思うので、あとは聴いた人がそれぞれに解釈してくれればいいなと。

──とはいえメッセージ性というか、言葉で表現したいことはあるんじゃないですか

Ochan:“こういうのを歌いたい”というものはないですね。トラックがあってメロディをつけて歌った時の最初のキーワードから広げていくやり方なので。メッセージではなく、感情があって曲を作り始めるということはあるかもしれないですけど。ただそういうふうに作ると、エモーショナルな曲になったりすることが自分でわかっているんで、それだけだと面白くない。とっかかりを待ちわびて、誰かが言ってた言葉でも何でもいいんですけど、そこから広げていくことが多いです。

──昔はメロコア、パンクの熱い歌詞を聴いていた人が。

Ochan:そうですね(笑)。そういう歌詞には何回も救われてきたんですけど今はやらないです。言葉には興味ありますけど、歌詞を通じて相手を説得したりという歌詞の使い方はこのバンドではしないです。

──ところで、NIKO NIKO TAN TANって何?という、最初に聞くべきことを今聞きますけども(笑)。

Ochan:サムソンリーと二人でやり始めた時には別の名前でやっていたんですけど、サムソンリーが“NIKO NIKO TAN TANという曲を作ってほしい”と言ってきて。さっき言った言葉のとっかかりがその言葉だったんですけど、そのイメージで1曲作ってみたらあまりにも語呂が良くて気に入ったんで、“これグループ名にいいんじゃない?”ということになりました。サムソンリーの妹が幼少期の頃に、セーラームーンの枕をペットみたいに可愛がっていて、それをずっと“ニコニコタンタン”と呼んでいたらしい。それを彼が気に入ってずっと覚えてたんじゃないですかね。それでグループ名になった。面白いなあと思ってます。

Anabebe:“にこにこぷん”じゃないんや。

Ochan:じゃなくて。

──うすぼんやり見えてきましたね、このグループの美学が。全ては直感とフィーリングからスタートする。

Ochan:説明するのが難しいんですけど。

──聴いたほうが早いですよ。ところで今の日本の音楽シーンをどう見てます?

Ochan:同年代でもすごく面白くて、アート寄りというか、前まではあまり表に出なかったシーンが表に出てきたという印象があって、より質の良いものがちゃんと受け手に伝わるようになってきた感じはします。ちょっと前までは、それ系が好きな人だけが聴いてた印象があったんですけど、僕は元々そっち界隈の人間で、そういう世界がちょっとずつ広がって来たなと感じているので、NIKO NIKO TAN TANにとってもやりやすいし、いいなあと思ってるんですけどね。


──何なんですかね。YouTubeとかニコ動とかの影響で、ロックもダンスもR&Bもボカロもアニソンも一緒に聴けちゃうし、しかも映像から入るという、そういう世代の人たちが生んでるムーヴメントっていう気がするんですけどね。

Ochan:そうですね。僕の勝手なイメージですけど、家でずっと引きこもっているような人たちが作ったものが広く聴かれるようになってきた感じがしています。僕の中学時代にはスポーツ万能の人が音楽をやるみたいな印象があったんですよ。僕は教室でマンガを描いているようなタイプだったんで、そういう別の方向に突き詰めた人たちの作ったものが、今は届きやすくなっているんだなということは思います。

──よくわかります。乗りましょうその波に。

Ochan:乗りたいです(笑)。同じような人たちはいっぱいいるでしょうし、でもその中でもちょっと違うことをやりたい気持ちは強いので。何か突き抜けたものを作りたいです。

──今後の活動にはどんなプランを描いてますか。

Ochan:今はライブですね。元々ライブハウスでばりばりやってたので、そこは切り離せないし。NIKO NIKO TAN TANの世界をどうライブで再現するか、プラスアルファできるかを研究中です。映像も取り入れていくだろうし、どんどん変わっていくと思うんですけど、なるべく少ないセットで自由さを持った上で、いかに面白いことができるかと考えてます。

Anabebe:どこででもできるスタイルを身につけたいです。ライブハウスでもクラブでもストリートでもできるようになっていたいです。“あいつらどこでも出てるな”って。でもできるんですよ。生ドラムがなくてもできる方法は絶対あると思うので、それができるように頑張っています。

──そして初ライブが7月29日の渋谷CLUB CRAWL。

Ochan:ここからどんどん進化していくと思うので。演奏するのは二人ですけど、将来的には、サムソンリーがバズーカみたいなでっかいカメラを持ってステージに出て来てぐらんぐらん振り回すみたいなパフォーマンスがしたいです。

──よくわからないけど(笑)。絵が浮かんじゃってる。

Ochan:それを見てちょっと“うらやましいな”と思われるようなものをやっていたいと思うので。それをやり続けたいです。

取材・文●宮本英夫


リリース情報

「東京ミッドナイト feat. Botani / キューバ、気づき」
01. 東京ミッドナイト feat. Botani
02. キューバ、気づき
NKNK-0001 / ¥500(税抜価格)+税
タワーレコード渋谷店、新宿店、名古屋パルコ店、タワーオンライン 限定商品

ライブ・イベント情報

<ライブ・インフォメーション>
日程:2019/07/29(月)
会場:渋谷CLUB CRAWL
OPEN / START:18:00 / 18:30
ADV / DOOR:2,000 / 2,500
w / nee / plum / chelovek / goodblue'

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