【インタビュー】Negative Campaign、目指すは「肉たっぷりのハンバーグ」

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今年2019年に全国デビューを果たした伊藤秀太(Vo&B)と佐々木勇人(G&Cho)による2人組バンド・Negative Campaign。彼らが前作からわずか約10ヶ月間というインターバルで、2ndフルアルバム『Negative Campaign II』を先日リリースした。ノイジーでいてポップ、ネガティブでいてポジティブ、パワーポップと言うには様々なジャンルや時代感を内包しているという、人懐っこさがありながらも一筋縄ではいかない彼ら。今作のリリース前から次回作となる3rdフルアルバムの制作に取り掛かっているそうだ。いったいどんな精神性を持ったバンドなのか、じっくり探ってみた。

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■死ぬくらいなら何かやってから死のう

──初めてNegative Campaignを知った時、“なかなかの名前を付けたバンドがデビューしたな”と思いまして(笑)。

伊藤秀太(Vo&B:以下、伊藤):ははは。もともと“Mr.Children”や“ブラックマヨネーズ”みたいに、真逆の意味を持つ言葉を組み合わせるのがいいなあと思って、10年以上前に名前を付けたソロプロジェクトだったんです。自分自身が溌溂とした思春期を過ごせなかったので、“ネガティブなりに世間へ一矢報いるぞ!”というBUMP OF CHICKEN的なマインドを込めた名前でもあります。

──Negative Campaignとして伊藤さんが動き出した時には、もうおふたりはお知り合いだったんですよね?

佐々木勇人(G&Cho:以下、佐々木):高校時代からの知り合いです。もともと地元でお互いバンドをやっていて、高校を卒業したあとにそれぞれ地元を離れて。2015年頃に伊藤くんがひとりでやっていたNegative Campaignに中途採用されたというかたちです。

伊藤:バンドが解散してからNegative Campaignをずっとライフワークのように続けていたんです。うつ病で退職したタイミングで勇人と会うタイミングがあって、その時ふたりともsyrup16gの歌詞の世界観を地で行くような精神状態と生活だったんですよね。(syrup16gのボーカルギターの)五十嵐(隆)さんは“大ちゃん(中畑大樹/syrup16gのドラマー)、死ぬ気でバンドやってみない?”と誘ったらしいですけど、俺は勇人に“死ぬくらいなら何かやってから死のう”と言いました(笑)。

──(笑)。“どうしたらいいのかわからずに塞ぎこんでいる人に向けて曲を書いている”というのは、そういうことも影響しているのでしょうか。

伊藤:最初は鬱々とした思春期を過ごしていた自分に向けて……という意図で作っていたんですが、最近は年齢を重ねたからか意識が少し変わってきて、昔から聴いてくれている人に向けて曲作りをするようにもなりました。“踊って歌って楽しい!”という音楽の楽しみ方をする人にNegative Campaignの歌詞を届けるのは難しいことだと思うんです。意図せずとも届いてくれたらうれしいけれど、届けるべきところに届いてほしいという気持ちが強いです。

佐々木:(伊藤に向かって)今日はえらく真面目に話してますね。緊張してるのかな?

伊藤:いつもはシガー・ロスのヨンシーよりふざけていることで知られてるんですけどねえ。

▲左から佐々木勇人(G&Cho)、伊藤秀太(Vo&B)

──ものの5分で国内外問わずいろんなバンド名が出てきていますが、その音楽愛はNegative Campaignの楽曲やサウンドにも表れていますよね。ジャンルにとらわれていない。

佐々木:僕は彼の作る曲が本当に好きなんです。表現したいものがストレートに感じられるというか、声もストレートに入ってくる、無駄のない構成というか。それと、見てる場所が普通の人より1個上にある感じがする。それは高校時代から変わらなくて、“いい曲を作るのになんで評価されてないんだろう?”と思っていて。

伊藤:僕と勇人は100人中80人が絶賛するものに対して懐疑的な目線になるところは共通してますね。特に僕らが高校の頃、地元はマチョシズム溢れるバンドが流行っていたので、それにアンチな姿勢を取っていたんです。ハードロックに対してオルタナティブロックが現れたのと同じ原理ですね。僕らは力もないし、カート・コバーンみたいな男前でもなかったので“変わったことやってるね”で終わってしまったんですけど。

佐々木:そういうところにひかれて、一緒にバンドやってますね。自分を形成するのに大事な、多感な時期にそういう出来事に直面してる影響は大きいなと思います。

伊藤:もともとひとつのジャンルに偏らないで好きなものを聴いてるしね。それも勇人と僕の共通してるところでもあります。だから彼のプレイもジャンルに縛られないんですよね。“キーボーディストが弾きそうなフレーズだな”と思うこともよくあるし、“ブルースギタリストが好きそうなフレーズだな”って感じのものを持ってくることもあるし、それこそキッスみたいな1音で勝負する系の手癖勝負みたいなギターも弾くし。彼が僕の曲のファンでいてくれるように、僕は彼のギターのファンなんですよね。……これは昨日の夜しっかり考えてきた台詞です(笑)。

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