【インタビュー】BREAKERZ、両A面に2つの映画主題歌「オトナなV系とキラキラ系と懐かしさ」

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デビュー13周年を迎えたBREAKERZが、映画の主題歌に起用された2曲を収録した両A面シングル「BARABARA / LOVE STAGE」を9月9日にリリースする。9月26日には自身初の無観客有料配信ライブ<BREAKERZ ONLINE LIVE 2020 -ONE NIGHT LOVE STAGE->を開催することも発表となっており、全国を廻るはずだったツアーの代わりにスペシャルなセットリストで行われるオンラインライブにも3人の想いが溢れんばかりに詰め込まれるはずだ。

◆BREAKERZ 画像 / 動画

DAIGO曰く「大人なヴィジュアル系を進化したBREAKERで表現した」と定義する森崎ウィン主演映画『妖怪人間ベラ』の主題歌「BARABARA」、そしてSHINPEIが1980年代のサウンドを意識したという実写版映画『LOVE STAGE!!』(原作はDAIGOの実姉である影木栄貴の原作コミック)の主題歌となった「LOVE STAGE」について、ミュージックビデオ撮影時のレアでほっこりするエピソードを含めて、メンバー全員にたっぷり話を聞いたロングインタビューをお届けしたい。

   ◆   ◆   ◆

■狂気的な感情をぶつけるだけ
■ぶつけて終わる曲にしたかった

──約1年ぶりのシングル「BARABARA / LOVE STAGE」は両A面で2曲とも映画の主題歌です。“月と太陽”ぐらい対照的なナンバーだと感じましたが、まず、映画『妖怪人間 ベラ』の主題歌「BARABARA」はどんないきさつがあって生まれたナンバーですか?

DAIGO:まず「BREAKERZ でぜひ!」っていうお話をいただいたんですね。そこから、映画を観せてもらった上で3人それぞれが曲を書いて候補曲として先方にお渡ししたという流れですね。ただ、最初からAKIHIDEさんが書いた曲になりそうな気配はしていたんですけどね。

▲DAIGO(Vo)

──イントロからホラーテイストというかゴシック感のある曲でピッタリですよね。どんなイメージで書いた曲なんですか?

AKIHIDE:「映画のエンディングで流れる」ということは聞いていて。映像を観せていただいたときに“おどろおどろしいフレーズで始まって、激しく展開する曲にしたいな”って、頭の中に曲の雰囲気は浮かんだんです。最初に半音階の怪しい鍵盤フレーズができて、思い描いたイメージのまま、すんなりできましたね。

──繰り返されるそのフレーズが途中でテンポアップしていく構成に、追いつめられるような怖さを感じました。

AKIHIDE:ちょうどその頃、ゲームミュージックを研究していたんですけど、怖いシーンでは半音階が使われるんですよね。「BARABARA」は『妖怪人間 ベラ』の主題歌ですし、メインテーマで半音階フレーズを使いたかった。ただ、歌のメロディがわかりやすいだけに、メインテーマをかぶせるのが難しかったですけどね。半音階リフが歌の旋律とぶつからないように、それぞれの音符をPCの画面上に並べて、“ここなら当たらないかな”って。

──ロジカルな方法でも検証されたリフとメロディーなんですね。興味深いです。

DAIGO:デモ段階から曲のクオリティも高かったし、映画にすごくハマるだろうなと思いましたよ。僕自身は、大人なヴィジュアル系という印象を受けたんですよ、この曲から。俺とSHINPEIが作った曲とか、もはや覚えてないよね(笑)。

SHINPEI:ははは。確かに。それぞれが真剣に取り組んで曲を作ってきたんですが、「BARABARA」はもう文句なしでした。僕の記憶が確かなら、最初からタイトルも「バラバラ」だったんですよ。

DAIGO:仮タイトルでね。

SHINPEI:『妖怪人間ベラ』のオマージュのようなタイトルにも思えたし、BREAKERZが出したいロックサウンドと映画の世界の混ざり具合がすごくいいなと思いましたね。

AKIHIDE:“ベラ”だし“バラバラ”って覚えやすいなと思って、仮でタイトルをつけたんですよ。サビの“闇に生きて バラバラになれ”っていう言葉がメロディとハマったので、自分としては覚えやすいなって。

▲「BARABARA / LOVE STAGE」通常盤

──歌詞はDAIGOさんとの共作ですね。

AKIHIDE:デモの段階で僕が言葉をハメていて、使えそうだと思ったところをDAIGOくんがチョイスしてくれたんです。

DAIGO:AKIHIDEさんがある程度、デモで歌詞を乗せて歌っていたんですよ。それが曲に合っていたので、原型を活かしつつ、自分なりに書き変えたりして完成させたんです。Aメロの歌い出しの英語の部分と“バラバラになれ”という箇所はそのまま使わせてもらいました。

──AKIHIDEさんとSHINPEIさんのギター陣の間で、やりとりしたことはありましたか?

AKIHIDE:上ものの奇妙で切ない音は僕で、ヘヴィな音はSHINPEIががっつり弾いています。役割分担も含めて、BREAKERZツインギターの安定のプレイですね。

SHINPEI:役割分担は阿吽の呼吸ですね。それも13年間で培ったコンビネーションじゃないかと思います。

──なるほど。登場人物たちがどんどんおかしくなっていく物語なので、メロディと歌詞と翳りのあるサウンドのマッチングが恐怖を加速させていく印象を受けました。

DAIGO:BREAKERZは最終的には希望に繋がっていく曲が多いんだけど、「BARABARA」に関しては葛藤や苦しみ、悲しさだったり、狂気的な感情をぶつけるだけぶつけて終わる曲にしたかったんです。

──BREAKERZのダークサイドな楽曲ですね。

DAIGO:ですね。昔のテレビアニメ『妖怪人間ベム』は“はやく人間になりたい!”って言ってたのに、映画『妖怪人間ベラ』では“人間になんかなりたくない”という想いに変わってしまっている。人間に対する憎しみだったり、刹那的なものだったり、いろいろな感情が渦巻いている内容だし、自分たちを含めてですけど“人間の愚かさ”を書いた曲でもあるのかなって。

──“人は何故 こんなにも 脆く儚い”っていうフレーズも出てきますね。

DAIGO:今は世の中がすごく繊細な状況になっているので、現代の人間のもろさや弱さも歌いつつ、表現しました。

◆インタビュー【2】へ
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