【インタビュー】ラストアイドル「期待してるんです」、ボリウッドダンスで見せる新たな一面

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秋元康がプロデュースする女性アイドルグループ、ラストアイドル。2017年にデビューし、2019年4月にリリースした6thシングル「大人サバイバー」ではオリコン週間ランキング1位に輝き、同年9月にリリースした7thシングル「青春トレイン」では爽やかなサウンドと一糸乱れぬフォーメーションダンスで広く注目を集めた。

2021年第1弾となる10thシングル「君は何キャラット?」は、インド映画で知られるボリウッドダンスを取り入れ、最年長メンバーである西村歩乃果がセンターを務め、MVには男性ダンサーとしてラストアイドルの冠番組『ラスアイ、よろしく!』MCであるお笑い芸人の霜降り明星・せいやが参加するなど、これまでのラストアイドル像をいい意味で壊す楽曲とパフォーマンスになった。

今回BARKSでは、メンバーのうちヒロインオーディションの最終選考に残った7人のなかから、5人にインタビューを敢行。彼女たちが思うラストアイドルというグループ像に加え、「君は何キャラット?」を完成させていくなかで感じた想いなどを訊いた。

  ◆  ◆  ◆

■いままでのラストアイドルにはないもの

──まず、ラストアイドルのみなさんはBARKSでのインタビューが初めてなので、おひとりずつラストアイドルの強みや特色を教えていただけますか?

阿部菜々実:いろいろありすぎて難しい!(笑)。でも、まずいちばん最初に出てくるのはオーディションバトルから生まれたアイドル、ということかな。兼任可能だったこともあってか個性豊かなメンバーが集まっていて、それぞれ活躍できる場所を持っています。

畑美紗起:2019年にリリースされた6thシングル「大人サバイバー」あたりから、難易度の高いダンスに挑戦する企画をさせていただいていて。できないことに立ち向かっていく根性をみんなすごく持っているところは、ほかのアイドルグループさんに負けない強みだと思ってます。



西村歩乃果:うん。果敢にチャレンジし続けているグループだと思う。

大森莉緒:人数が多いからこそフォーメーションダンスができたり、迫力のあるパフォーマンスを出せることも強みだと思いますね。

鈴木遥夏:そういう意味でも新しいアイドルだと思っています。オーディションからテレビで放送してもらうこともなかなかないですし、プロデューサーバトルでは小室哲哉さんにも参加していただいたり、いままでのアイドルさんがやってこなかったことに挑戦しています。考えていたアイドル活動とのギャップがあったり、つらいと思うこともたくさんあるんですけど、チャレンジを乗り越えた先に得るものがすごく大きくて。最後には挑戦してよかったなと思えてます。

▲西村歩乃果

──メンバー同士で競うことも多いけれど、ひとつのものを作り上げる仲間でもありますよね。みなさんにとって自分以外のメンバーさんはどんな存在なのでしょう?

畑:バトルが多いので、視聴者さんから仲良くないんじゃないかと思われることが多いんですけど(笑)、実際はそんなことなくて。メンバー同士でバトルの相談に乗ったり、順位は決めるけど「みんなで一緒に頑張ろうね」という気持ちで企画にも向き合っています。みんなでひとつのものを作り上げる意識は持ってるかな。

鈴木:メンバー全員がバトルを経験しているので、全員がつらい気持ちを味わっているんです。だから順位をつけあうなかでもほかのメンバーに「おめでとう」や「頑張ってね」と言い合えるし、高め合えているというか。

全員:うんうん。

──切磋琢磨しあえる環境ということですね。2020年はコロナ禍に見舞われながらも、8thシングル「愛を知る」では初の選抜制を取り入れたり、9thシングル「何人(なんびと)も」では殺陣に挑戦するなど、精力的な活動をなさっていました。どのような心境を抱えながらの活動でしたか?





大森:予定していたツアーも中止になってしまったり、ファンの方々にお会いできる機会が減ってしまったので、つらさが大きかったです。やっぱりファンのみなさんの目の前でライブをやりたいし、コールも聞きたいし。でもテレビや配信を通して活動を届けられたのはありがたかったです。

畑:アイドルは歌って踊ってこそだと思うので、ライブができない状況になって「自分はなにをしてるんだろう」と思ったりもして。でもこれまでのことを振り返ったり、将来のことをじっくり考えるきっかけにはなったのかなって。

鈴木:個人的にはうまくいかないことが続いた年で(※鈴木は2作連続で選抜メンバーからはずれていた)、順位をつけられることがトラウマみたいになってしまって。ふだんなら気持ちを入れ替えるのがすごく難しいんですけど、家にいる時間が多かったので頭を切り替えることができました。

西村:あんまり思うように活動ができない反面、自粛期間では家から出ずに自分と見つめ合う時間ができて。こんな機会ふだんなら絶対にないことだから、貴重な時期だったなと思います。もともとゲームがすごく好きなので、おうち時間も楽しめました。

──自粛期間中、阿部さんは作曲に挑戦していましたよね? 作り込まれたオケで、始めたばっかりとは思えないクオリティで驚きました。

阿部:あははは。楽器もなにも弾けないんですけど、ずっと興味があったのでこの機会に頑張りました(笑)。ラストアイドルとしてはあんなに練習した殺陣をお客さんの目の前で披露できなかったり悔しいことも多かったんですけど、わたしはもともとインドア派なので、おうち時間も有意義に過ごすことができました。

──今作となる10thシングル「君は何キャラット?」のヒロインを決めるオーディションでは、リモートでのレッスンも多かったですよね。そういう環境での特訓はいかがでしたか?

西村:先生から直接その場で教えてもらったものを家で練習するのはよくあることなんですけど、今回はボリウッドダンスという難易度が高くて馴染みの薄いダンスをリモートで教えてもらうことからのスタートだったので……もう、難しすぎて!(苦笑)。

鈴木:ほんっと難しかったよね(笑)。ボリウッドダンス自体を全然知らなかったからなおさら。

西村:歯痒かったです。わかんないよ~!って(笑)。

大森:Wi-Fiの調子も悪くなるし(笑)、映し出されている映像が反転してることもあるし、その環境でダンスを習得していくので、なにこれ~!って頭ぐちゃぐちゃになりました(笑)。

西村:みんながしゃべりだすと先生の声も聞こえなくなるし(笑)。

全員:そうそう!(笑)

西村:オーディション中に直接レッスンをさせてもらったのが7人に絞られてからの2回だけだったので、とにかく自主練あるのみでした。

▲畑美紗起

──「君は何キャラット?」はボリウッドダンスを取り入れた振り付けに、男性ダンサーとして番組MCである霜降り明星せいやさんが参加、西村さんが初のセンターを務めるなど、新しいラストアイドルが見られる企画だと思いました。西村さんはヒロインの座を獲得するために、今回のプロジェクトにどのように向き合いましたか?

西村:わたしはダンスが苦手だし、視聴者投票は数字で結果が見えるぶん必ず誰かが傷つくし、わたしのファンはアイドルとしてのわたしに興味がない人が多いので(笑)、最初はかなり憂鬱で参加したくないなー……って。でも「ヒロインはせいやさんと踊れる」と聞いて、絶対やりたいと思いました。せいやさんが参加するとなるとバラエティ要素が入ってくるし、それはいままでのラストアイドルにはないものだから。

──そうですね。やはりラストアイドルは見事な連携を見せるフォーメーションダンスが注目を浴びたこともあり、凛々しいイメージが強かったです。

西村:やっぱり4作連続でセンターを務めたななみん(阿部)は王道で、間違いがないんですよ。それに比べてわたしはだいぶ変わり種で(笑)。だからこそせいやさんと一緒にバラエティ寄りに引っ張っていけるかな、その方向性なら頑張っていけるかなって。観ている人が笑っちゃうような、笑顔を届けられるようなパフォーマンスができればなと思ったんです。

──せいやさんと西村さん、身長的にもバランスが良さそうですものね。

西村:わたしも身長が153cmだし、せいやさんはおーりお(大森)よりちっちゃいくらいだから、せいやさんとわたしが背中合わせになったときのサイズ感がめっちゃ可愛いんです!(笑)。でもせいやさん体力がなくて、練習ではすぐへろへろになっちゃって。

全員:(笑)。

西村:最初は大丈夫かな?と思ったんですけど、せいやさん記憶力がすごくいいから振りを覚えるのもすごく早かったんです。面白いことも笑わずできるし、いるだけで面白いし、見せ方がすごくうまいんです。だから2回目の練習はすぐ終わりました。MV撮影でも2テイクめでアドリブを効かせてきたり、撮れば撮るほどせいやさん良くなっていくんです。だからすごくやりやすかったです。

大森:せいやさんは『ラスアイ、よろしく!』の最初に「ラスアイのお兄ちゃんみたいな存在になれるようにがんばります」と言ってくださって、それがわたしたちもすごくうれしくて。実際霜降り明星のおふたりはラストアイドルにとってそんな存在になっていますね。



──畑さんはオーディションで、日本のボリウッドダンスの第一人者とも言われる関本恵子先生にかなりダンスを絶賛されていましたね。

畑:……ありがたいです。でも前回の殺陣では悪い意味で下剋上バトル(※選抜メンバーに、選抜外メンバーが挑む企画)に参加することになって、精神的につらすぎて(苦笑)。

阿部:ほんと下剋上バトルは……つらかったよね。誰が得するんだろうって思った。

畑:(笑)。もともとバトルも競うこともしたくないし、今回は聞いたことも見たこともないダンスだったし、最初は本当に憂鬱でした。だけどダンスなら前回よりは結果が残せるかな、頑張って少しでも前に出られたらいいな……となんとか前向きな気持ちに持っていきました。

──バトルのなかで、みなさんいろんな心境を抱えてるんですね。

阿部:人によって得意不得意があるのに順位をつけることに疑問を感じて……正直最初は今回の企画もあんまり乗り気じゃなかったんです。でもみんなで練習してMVを撮影したり、レコーディングして「君は何キャラット?」がどんどんかたちになっていくにしたがって、楽しいなと思えるようになりました。

──ボリウッドダンスは難易度は高かれど、今までのダンスと比べるとそれぞれの人間味が効果的になりそうな印象がありますが、いかがでしょうか。

大森:たしかに。「青春トレイン」も「大人サバイバー」も「何人も」も真剣に立ち向かっていくイメージだったので、あんまり笑顔を見せることがなかったんです。でも今回はボリウッドダンスという笑顔が大事なダンスを取り入れているし、曲調もわちゃわちゃできる明るい感じなので、メンバー全員の笑顔が見られる。みんなが楽しめる曲だなと思っています。



──今回のような個性が出せるパフォーマンスを大人数でできるのも、過去の経験が生きているのでしょうね。

阿部:大人数のパフォーマンスは揃えば綺麗だけど、バラバラになると本当にぐちゃぐちゃになっちゃうんです。一人ひとりが1回1回しっかり踊らないと、ひとつの作品として完成させられない。akaneさん(※「青春トレイン」以降のラストアイドルの振り付けを担当。バブリーダンスでも知られている)のダンスだから体力も本当にきついし、技術的にも大変で。これについていってるメンバー全員、本当にすごいなと思うんです。

畑:akane先生はフォーメーションを用いたダンスが多いからステージ全体を使うし、ひとつのシーンで複数の振りが見られるんです。違うパターンの振りがひとつに合わさることで完成するので、一人ひとりが集中することが大事だなって思ってます。

鈴木:今回の振り付けには、ヒロインオーディションに使われていたボリウッドの振り付けが散りばめられているんです。akane先生はわたしたちと一緒にボリウッドのレッスンを受けてらっしゃって、その振り付けにも愛情を感じましたね。

▲鈴木遥夏

──西村さんとせいやさんのコンビは、ほかのメンバーさんから見ていていかがでしょうか?

4人:めちゃくちゃいいです!

大森:ほのちゃん(西村)とせいやさんをみんなで囲むシーンがあるんですけど、ふたりの相性がすごく良くて。ふたりが笑っているのを見ていて、こっちまで笑顔になれる。「君は何キャラット?」のMVの雰囲気がすごくいいのは、ふたりのおかげですね。

西村:うれしい!(笑)。

鈴木:ここにいる5人と、あとふたりを入れて7人でヒロインの座を競い合ったので、こういうことを言うのもなんなんですけど……今回のヒロインがほのぴー(西村)で本当に良かったと思うくらい、せいやさんと息ぴったりなんです。ほのぴーがヒロインだからこその良さが思いっきり出てます。ほのぴーとせいやさんのコンビ、すごく好きです。

畑:(西村は)ダンスに苦手意識があると言っていたけど本当に上手だし、すごく努力家なんです。だからすごく安心してました。それに加えて、ふたりとも表情が豊かすぎて(笑)。観てる方もそそられちゃうと思うし、わたしたちも一緒に踊っていてめっちゃ元気をもらうんです。ふたりともすごく輝いてます。

阿部:合わせる前から「ほのぴーとせいやさんのコンビは絶対合うな」と思っていたからすごく楽しみにしていて。ふたりを中心にみんなで円になる踊るところは、特にふたりがすっごく楽しそうで……わたしもそれに釣られてめちゃくちゃ楽しんで踊れました。いままでのMV撮影のなかでいちばん楽しかった。それはふたりが引っ張ってくれたからですね。

畑:ふたりを中心にしつつも、ダンスパートがかなり小分けされているので、akane先生からも「一人ひとりが主役のつもりで踊ってね」と言われていて。おまけに歌割りもメンバー全員に振られていたんです。いろんなところでいろんなメンバーが目立てる作品になりました。

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