【Pearl75周年特集】つのだ☆ひろが語る歴史、「最初に入手したのは1963年頃。一番安いドラムセットでした」

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■イアン・ペイスやデニス・チェンバースと
■“いいドラムサウンド”について語り合った

──今現在、つのだ☆ひろさんは何セットぐらいPearlのドラムセットを所有しているんですか?

つのだ☆ひろ:4〜5セットしか持っていないですね。一番古いセットは、もう30年以上使っています。それは木胴のシンプルなセットで、経年によって乾いてきて、いい音がするんですよ。

──ずっと叩いて愛用して、つのだ☆ひろさんが育てているという感じですね。

つのだ☆ひろ:育ててますよ〜、はい。僕が天照(あまてらす)と呼んでいるセットは知ってます?

▲つのだ☆ひろ with President Series Phenolic

──つのだ☆ひろさんの還暦を記念して作られたドラムセットですね。

つのだ☆ひろ:そうです。そのドラムの中にはマイクを組み込んであるんですよ。だから8チャンネルとかのミキサーにつなげば、自分で各タイコのバランスを作れる。マイクはご賛同いただいたゼンハイザーさんのものを入れ込んだんです。いい音しますよ。例えば普通にタムタムの音をマイクで拾うとするでしょ。一発叩くと、他のマイクも音を拾ってしまうんですよ。つまり雑音が多くなりますよね。ところがマイクがシェルの中に入れ込んであったら、叩いたタムタムの音だけを拾ってくれる。他のマイクが拾うことはないんです。だから音の分離がすごくいい。アイデアが浮かんだらやらなきゃ気が済まないから、僕はやるんですよ。

──長年ドラムを叩いてきて、つのだ☆ひろさんが考える“いいドラムサウンド”とはどういうものですか?

つのだ☆ひろ:僕とイアン・ペイス(ディープ・パープル)とデニス・チェンバース(セッションドラマー)の3人で、そのことについて話し合ったことがあるんですよ。イアンとは飯を食いながら話したんですけど、「昔のタイコの音は“ザーザーザー”みたいな感じだったのが、今のタイコは精度が良すぎる。“トコトコ”って音がする」みたいな話をしたら、「そうだよなー」って頷くんです。

──なるほど。

つのだ☆ひろ:デニスと話しても同じこと言うんです。それからしばらく経って、イアン・ペイスと話したとき、「俺はヘッドに本皮を使っている。本皮を張ると“ザァーン”みたいないい音がする」と言ってました。デニスも日本に来たとき「ヒロ、ちょっと新しい俺のスネアを見てよ」って言うので、ブルーノート東京にセットしてあるデニスのセットを叩いてみたら、「あら? “ザーン”と鳴るぞ」と。デニスもいろいろ考えた結果、上のフープが12本ボルトで、下のフープが8本ボルトのスネアを作っていたんです。その後、そのスネアはシグネチャーモデルとして市販もされました。

▲つのだ☆ひろ with President Series Deluxe

──みなさん、独自に研究と開発をしていたという。

つのだ☆ひろ:そう。“やるな、みんな!”って嬉しくなってね。そこで僕はどうしたかと言うと、自分モデルのスネアとして受注販売したものがあるんですけど、それは3本スナッピーなんです。金属スナッピー、ファイバー、ガットという3種類の響き線が付いていてるんですね。単一としても組み合わせとしても、合計6タイプの切り替えができる。つまり、そのとき演奏する音楽にマッチした音が、意外と安易に作れるんです。一台は、すぐにまた再会したデニスにプレゼントしましたよ。「おお、いいね!」って喜んでました(笑)。アメリカのドラマーの間でも、ちょっと評判になったスネアなんです。

──つのだ☆ひろプロ生活45周年記念スネアドラムですね。では、先ほど75周年記念モデルを使って撮影したドラムソロですが、全てインプロだと思いましたが?

つのだ☆ひろ:もちろん!何の準備もしておりません(笑)。その場のインプロです。僕は若いドラマーみたいに手が速く動かないし、激しく動かしていたら音がうるさいじゃないですか。うるさいのはあまり好きじゃないんですよ、そしてドラムソロが嫌い(笑)。だからドラムソロはあまりやらないんですよ。普段はデジタルの打ち込みなども自分で行う都合上、奏法としてボリュームコントールもすごくするんです。

──抑揚というか、豊かな表現力というか。

つのだ☆ひろ:そう。ハードロックのドラマーは大音量でダダダッと叩くわけですよね。でもスタジオミュージシャンの経験も積めば分かりますが、そういう音量や奏法だけが求められるわけじゃない。例えば「40ぐらいのボリュームで叩いてください」と言われることもあるんです。勢いで叩いている人は、そう言われると、何も叩けなくなっちゃうんですよね。1から100まであるボリュームの中で“大音量しか使えない人なのね”と判断されてしまう。「全部のボリュームを使い分けられないなんて、ドラムをちゃんと活かせていない証拠じゃないの? 技術がそこまで至っていないんじゃないの? 何がニュートラルなのかが分からない」と言われるんですね。

──そういう意味でも、つのだ☆ひろさんのドラムソロは、表情豊かで、プレジデントシリーズの良さを引き出していると感じました。つまり、いい音に分かりやすいゴールなどなくて、常に追い求めて、自分を磨いていくことであると?

つのだ☆ひろ:そういうことですね。

取材・文◎長谷川幸信
撮影◎野村雄治



■パールドラム75周年記念オンラインイベント<Pearl Drums 75th Anniversary Special Day>

無料配信:パール楽器製造オフィシャルYouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/user/pearldrums1946/featured
▼出演
つのだ☆ひろ、 真矢(LUNA SEA)、 夏芽(SHAZNA, RAISE A SUILEN)、 田浦楽、 KOUICHI (10-FEET)、GODRi (SiM)、大洗高校マーチングバンドBLUE HAWKS、 森 匠勲、相澤政宏(東京交響楽団)、 高橋紫微(フルーティスト)etc...
▼コンテンツ
・スペシャル対談 真矢 × 飯石真之(パール楽器製造株式会社 代表取締役社長)
・パール75周年記念新製品オンライン発表会
・つのだ☆ひろ/真矢/夏芽/田浦楽によるトーク&パフォーマンス
・KOUICHI (10-FEET) × GODRi (SiM)対談&パフォーマンス
・⼤洗⾼校マーチングバンドBLUE HAWKS パール75thドリルショー
・森 匠勲 パール75th アニバーサリー マーチングベースアンサンブル「to the Next Stage」
・つのだ☆ひろ&⾼橋紫微が巡る パールフルート工場探検
・相澤政宏(東京交響楽団)フルート独奏
・アーティストからの75thお祝いコメント

協力:株式会社 y’s connection / NiceB、 BARKS
後援:BARKS


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