【舞台裏トーク】<SATANIC CARNIVAL>LOW IQ 01、「このシーンにずっといられた自分に誇りだけを持って」
昨年、<SATANIC CARNIVAL 2022>の初日トリを飾ったBRAHMAN -暗影演舞-のゲストとして01が参加。TOSHI-LOWの「'90年代を愛する人達に捧げます」という言葉のあと、SUPER STUPIDの「WHAT’S BORDERLESS?」が披露されたことはハイライトのひとつとなった。そして今年、LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS PLUSが<SATANIC CARNIVAL 2023>のSATAN STAGEに出演し、TOSHI-LOWをゲストに招くサプライズ。つまり昨年とは逆のかたちが実現したことにもステージが沸いた。
◆<SATANIC CARNIVAL 2023> 画像
LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS PLUSのステージ直後に実施したインタビューは、オープンスペースで行ったために数々の共演者が「イチさん!」と挨拶に来て止まらない。すべてのミュージシャンに慕われる01の人柄がうかがい知れるひと時でもあった。“舞台裏トーク”では、<SATANIC CARNIVAL 2023>の感想、昨年のBRAHMAN -暗影演舞-へのゲスト参加秘話、'90年代と現代、Hi-STANDARD、そして現在のLOW IQ 01を取り巻く状況についてじっくり語ってもらった。
◆ ◆ ◆
■中学生の頃に感じたことを今もう一回できてる
■それはプライスレスなんじゃないかな
──ライブ、すごい盛り上がりでしたね。
01:嬉しいです。なんか音楽シーンも変わっていって、昔の自分のやり方では通用しないっていうことは百も承知で今回挑みました。
──というわりには、めちゃめちゃフロアは響いてたと思いますけど。
01:うん、それはありがたい。僕に対して'90年代のイメージが強い人もいるかもしれないけど、'90年代も2000年代も2010年代も2020年代も、地味…ってわけじゃないけど、 こうやって続けられてきたから、この場に立てたのかな。
──サタニックとはここ最近で急に近くなった印象です。
01:そうだね。変な話だけど、俺の周りのバンドがいっぱい出てて、“あれ、俺はいつ呼ばれんだろう? これはもう、俺から行かないとな”と思ってTOSHI-LOWにお願いしたのよ。それで飛び入り(<SATANIC CARNIVAL 2022>BRAHMAN -暗影演舞-)みたいな形でSS(Super Stupid)の曲をやらせてもらったの。
──そのことと今年の出演は何か関係あるんですか。
01:いや、やっぱりあると思うよ。サタニック後のインタビューでTOSHI-LOWが「来年はLOW IQ 01を呼んであげてくださいね」って言ってたのを見たんで(笑)。そう言われて、I.S.Oも「わかりました」ってなったのかなって。
──とはいえ、そういうことで出られるものでもないですよね。
01:もちろんそんな甘いもんじゃないよ。でも、去年俺がBRAHMANにお願いして出たことで、自分で言うのもなんだけど、ちょっとドラマチックっていうか、 いろんな点と点が偶然つながったのかなって。
──そのことは関係なく、そもそも最近の01さんはとても調子がいいですよね。
01:ありがとうございます。長年続けるってこともすごく大事だけど、やっぱりミュージシャンとして前作を超えなきゃいけないっていう…これはミュージシャンみんなの永遠のテーマだと思うんだけど、それが僕の場合はコロナ禍でいいほうに転んだというか。敢えてこの時間に今までの流れと違った新しいLOW IQ 01を出せたから、それによって新しいギアに入れられたのかなと思ってるし、それが今回の新しい空気に繋がったのかな。
──なるほど。今日のステージはどうでしたか?
01:ビッグネームのバンドにおじさんが挟まれて(笑)。若い頃に出演していたフェスとは今は別物なわけよ。
──うんうん。
01:その事実をどう受け止めて、どう音を出すか。新しい気持ちでいかなきゃいけないし、なんなら“初めまして”の気持ちでやらせていただいたんだけど、僕の曲を知らない人でも手を挙げてくれたり、歌ってくれたり、コール&レスポンスしてくれたっていうのは嬉しかったかな。'90年代ってシビアだったじゃない? 知らない曲には絶対手なんて挙げないし。でも、時代がどんどん変わっていって、お客さんが温かくなったっていうのもあって。だから不安はあるんだけど、若い頃に<AIR JAM>というものを経験できて、50歳になってからもこういうフェスに出てっていう経験を2回もできるなんて、幸せ者なんじゃないかな。あと、このシーンにずっといられた自分に誇りだけを持ってきた。
──今日は奇しくもハイスタと同じ日で。
01:みんな、前に進んで行くしかないんだよね。本人たちがすごいやりたくなったときにやってもらいたいなって。頑張ることも大事だけど、甘えることも大事なのかなって思ってて。
──それで言うと、イチさんはいい意味で人に甘えられるというか、柔らかくなってる感じはしますよね。
01:ただ、甘えるというか、現実を受け止めることを知って、戦っても勝てないことはあるし、戦って戦ってボロボロになることもあるんだけど、人によって戦い方があるわけで。だから、ただハードでいるだけじゃなくて、ソフトに吸収するっていうのも戦い方のひとつだと思うから、そういうことができるようになってきたのかな。昔はもうガチガチだったんだけど、それだけじゃ通用しないというか。そういう経験を経たからこそだと思う。“俺はいい音楽をやってるのに”っていうのは自己満足かもしれないし、 結局、いろんなことがイコールになんなきゃダメなんだっていうことがわかって。吠えてもしょうがないし。
──そういう人間的な成長や変化があったからこそ、あんなに豪華なバンドメンバーを従えてライブができているというのもあるんでしょうね。今のイチさんの人間性のなせる技というか。
01:僕、いびつっちゃあいびつなんですよ。得意なことだけに特化してるから。でも、さっきも言ったように、 年を取って得意なことばっかやっちゃダメなんだなっていうことがわかってきて、ちょっと丸くなってきたというか。角ばったものじゃなくて、綺麗になってきたのかなって気がちょっとする。昔は丸くなることが怖かったし。さっきも言ったように、若い頃、ただただ戦うことが美学だって思ってた人間が 50になって戦い方をちょっと変えてみて、 “初めて”をいろんな意味で楽しめるようになってきて。もちろん、生活だとかお金のこともめちゃくちゃ大事なんだけど、でもそうじゃなくて、やっぱり一番最初に中学生の頃に感じていたことを今もう一回できてるっていうのはプライスレスなんじゃないかな。
文・撮影◎阿刀大志
◆BARKS内<SATANIC CARNIVAL '23>特集
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■<SATANIC CARNIVAL 2023>
6月18日(日) 幕張メッセ国際展示場 9-11
▼6月17日(土)出演者
AFJB
バックドロップシンデレラ
The BONEZ
Crossfaith
Dizzy Sunfist
Dragon Ash
ENTH
Fear, and Loathing in Las Vegas
FOMARE
ハルカミライ
HAWAIIAN6
Ken Yokoyama
locofrank
MONGOL800
ROTTENGRAFFTY
SHANK
SPARK!!SOUND!!SHOW!!
Survive Said The Prophet
Track's
WANIMA
Prompts (O.A.)
▼6月18日(日)出演者
04 Limited Sazabys
10-FEET
coldrain
Crystal Lake
dustbox
Fire EX.
GUMX
G-FREAK FACTORY
花冷え。
HEY-SMITH
LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS PLUS
マキシマム ザ ホルモン
NOISEMAKER
OVER ARM THROW
RAZORS EDGE
SAND
SHADOWS
SiM
Suspended 4th
Hi-STANDARD
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