【インタビュー】G-FREAK FACTORY、“暁の始まり”を歌う新曲に願い「幸せになってもらいたい。その一心で」

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■26歳がアラフィフのバンドに普通は飛び込まない
■可能性がまた見えてきた。おもしろいですね


──そういったマインドが、2曲目「アメイロ」や3曲目「the latest」に投影されているような気がします。ただ「アメイロ」は色彩感もある歌詞ですが、常に悲しみをまとった色合いですよね。

茂木:そうですね、しまいには“モノクロ”って言葉も出てきちゃって。切ないっす、寂しい時代ですよ。寂しくない人はいないと思う、絶対。なにも考えなければ寂しくないんですかね。

──立ち止まる時間が多かったから、いろいろ考えちゃいますよね。

茂木:でも、それがなかったら、なににも気づけず、ふわ〜っといったと思うんです、ルーティンのように。だから、より楽しむことに喜びを得られるようになったと思う。

──マイナスの気持ちや感情を知ったから、プラスに転換したとき、嬉しさの味わい方が違うという?

茂木:それも寂しいですけどね(笑)。期待値をあまり高くしなければ、何事も期待を超えてくるっていう感じは。でも音楽をやっていて良かったと思いますよ。特にコロナ禍を経て、なおさら思います。それを綴っていくのは次のアルバムになると思うんで。


──3曲目「the latest」を聴いて、G-FREAK FACTORYは自分たちのサウンドスタイルをいよいよブチ壊しにきたなと感じたんです。新ドラマーのLeoさんも加入したことだし、このタイミングでいい意味で枠を取っ払い始めたような気がするんです。

茂木:いいきっかけだと思いますよ。バンドの平均年齢も下げたし、バンドのヴィジュアルもバチコーンと上げてね、あいつが(笑)。

──KiUの渋谷店(レインアイテム販売店)で店長をしていたLeoさんだから、野外ライブで雨降っても着るものは大丈夫だし(笑)。

茂木:その通りですよ(笑)。まぁ、“Leoが入ったからこうなったんだ”って意味では、もっともっとですね、あいつはこんなもんじゃないんで。逆にLeoに引っ張ってもらって、俺らももっともっとやりたい。

──ドラマーとしてはガンガンにいくスタイルですか?

茂木:ガンガンだし、器用ですよ。吸収力もハンパじゃないです。俺たちの過去曲をほぼ体得したうえで、ガンガンにいく感じだし。あいつはジャムバンドもやってるんですよ。ギター1本とドラムという編成の。そっちでもおもしろいことやってるんですよ。

──そんなLeoさんが正式加入したのは、相当刺激にもなっていますか?

茂木:まず驚きですよ。26歳のヤツが、俺たちにちゃんと合わせてくれるということが。世代も違えば、好みも違うし、感覚も違うヤツらと音を出す。俺たちはなにも変わらないから、あいつが合わせにきてくれるんです。あいつは持っているキャリアやセンスで、どうやって広げようかも考えていたり。すごいと思いますよ。普通は飛び込まないですよ、26歳がアラフィフのバンドなんかに(笑)。俺が同じ立場だったらいかないなー。いつかLeoがG-FREAK FACTORYを引っ張っていってくれたらいいなって気持ちも今はあって。たとえば、俺たちが病に倒れたとき、あいつ一人でも看板を背負えるようになったら頼もしいし。いろいろ可能性がまた見えてきた。おもしろいですね、今、バンドが。


──今回のシングル「RED EYE BLUES」のアレンジ面でも、Leoさんはアイデアをブチ込んでくれました?

茂木:そうですね。でも最終形が見えてない状態でのアレンジだったから、俺の歌やリリックが乗っかって、「これなら、もっとこうしたかった」というのはいくつか言われましたけど。

──歌詞の中身まで理解しながらリズムのアレンジしたかったということですか? そこまで曲のことを考えているんですね。

茂木:そう、歌詞のことまで。ヘルプから正式メンバーに変わって、Leoのドラムプレイはまた良くなりました。たまにあいつのドラムに無理やり乗せられちゃうときがあるくらい。たとえば、ステージ上でたまにあるんですよ、“ヤベー、負けそうだ”って気分になるときが。そういうときは誰かが中心になって気持ちをグッと持ち上げるんですけど、それ、最近はLeoが多いですよ。素晴らしいメンバーが入ったな。

──バンドとしての充実ぶりが、今回の曲の振り幅や新しい顔つきにも結びついていったわけですか?

茂木:そう思います。全部、わりと自然にできたんで。「ダブやりたいね」とか、モチーフの話を漠然としたぐらいで、一回のリハごとに曲もどんどん良くなっていって。

──あと、3曲の流れが作り出すストーリーみたいなものも、今回のシングルから感じます。諦めとか寂しさから始まったところから、徐々にいろいろ見えていって、モチベーションも高まっていく感じなんですよね。

茂木:そうですね。つまりは、その次ってことなんですよ。

──なにかが始まるって期待感に包まれながら「the latest」がエンディングに向かう感じですから。

茂木:その「the latest」が最後になかったら、すげー暗い作品になったと思う(笑)。シビア過ぎる内容というか。それはそれで嫌いじゃないけど、「the latest」でちゃんと中和してくれているんで。すごくいいと思う。

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