【インタビュー】お風呂でピーナッツ、世界的モデルと技巧派ミュージシャンが揺さぶるエモーション「孤独というものがテーマ」

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リリースもライブも数が限られているからこそ、触れるたびに新鮮な驚きと未来への期待を強く煽られる。無限大の可能性を秘めたユニット、お風呂でピーナッツの最新曲「秋」は、憂いある美しいメロディ、シンプル・イズ・ビューティフルなバンドサウンドを備えた、エモーションを揺さぶるR&Bチューン。

◆お風呂でピーナッツ 動画 / 画像

世界的モデルとして活躍する樋口可弥子のボーカルはますます表現豊かに、若林純のコンポーズとサウンドメイクはよりイマジネイティヴに、それぞれ頼もしく進化中。秋冬シーズンのマストアイテムに加えてほしい曲の誕生だ。


   ◆   ◆   ◆

■だーっと歌詞を書き終わって
■これは“秋”しかない”と思った


──(樋口)可弥子さんは8月いっぱい日本にいたんですよね(※取材時は海外のためオンライン)。久々のライブもできましたし、まずはこの夏の思い出を振り返るところから始めたいと思うんですけど、若林さん、どんな夏でしたか。

若林:怒涛のスケジュールで、楽しかったですけどけっこう大変でしたね。個人的に、Kingoくんのサポートで<フジロック>に出たり、碧海祐人くんのワンマンもあって、けっこうバタバタしてました。8月はけっこう詰め込んだよね?

樋口:うん。私は、とにかく暑かった記憶しかないですね。ずーっと夏バテしてた中でのハードスケジュールだったので、けっこうきつかったんですけど、でもやっぱり、一緒にできる期間は楽しいですね。

──今年1月振りとなった、8月の新宿ロフトの対バンイベントライブは、どうでした?

若林:自分たちのライブは半年に1回とかなので、その間に、バンドメンバーを含めておのおのが勝手に成長したなという感覚がすごくありました。自分自身もパフォーマンス力が上がったと思うし、可弥子もその間にロンドンでライブをしていたこともあって、ステージ慣れみたいなものも感じたし、バンドとしてまた一つ、ぎゅっと締まったかなという感じもしました。初めてのお客さんが来てくれたのも嬉しかったですし、ちゃんと見てくれてる人はいるんだなと思いました。

──何曲ぐらいやったんでしたっけ。

若林:新曲も含めて、6曲かな。「秋」もやりましたし、この夏にレコーディングした曲も、急きょやったりして。誰も知らない初出しの曲を(笑)。面白かったですね。

樋口:私、ライブは本当に緊張しちゃうんです。大学のサークル経験もないし、人生でやったライブの数が、両手の指で数えられちゃうぐらいなので、毎回緊張するんですけど、前回、1月にやったライブの時に気づいたのが、やってることは全然違うけど、人前に立って何かするということを普段やってるので、パフォーマンス慣れみたいな感じはしてて、少なからず繋がる部分はあるなと思いました。歌うことだけじゃなくて、立ち居振る舞いだったりは、間違いなくモデルの経験が生きてるなと思って、そこの融合点が見えるのが面白いなと思ったのと。あとは普通にライブは楽しいですね。個人的には“もうちょっとできたかも”と思いましたし、課題点もみつかったので、次のライブが余計に楽しみです。


▲デジタルシングル「秋」

──さっきちらっと出た、ロンドンでライブをやったというのは、どういうものだったんですか。

樋口:ロンドンにKOKOという大きいヴェニュー(ライブ会場)があって、そこが始めた会員制クラブに、ちょっとしたバー+ライブスペースみたいなところがあるんですけど。たまたま事務所の人がクラブの人と知り合いで、「やってみる?」と言われて、6月ぐらいにやりました。

──それはバンドを入れて?

樋口:そうです。若林くんなしでライブするのも高校生以来とかで、めちゃめちゃ怖かったんですけど、運よく、普段バンドをやってるギターの知り合いがいたので、彼がメンバーを集めてくれて、スリーピースのバンドと私とでやりました。

──それは面白そう。何を歌ったんですか。

樋口:日本とこっちの曲を混ぜて、宇多田ヒカル「First Love」、ジョルジャ・スミス「Teenage Fantasy」、あと久保田利伸「LA・LA・LA LOVE SONG」とか。1曲だけ、自分たちの「A.M.6:00」もやりました。すごく楽しかったので、またどこかで、機会があればやりたいです。

──あと、これは音楽活動とは違うトピックですけど、若林さんが初めて可弥子さんが出演するショーを見たんですよね。8月末でしたっけ。

若林:そうなんです。可弥子自身、日本でショーをやること自体が6年振りとかで、僕もファッションショーを見るのは初めてで、社会科見学みたいな感じもあって(笑)。めっちゃ刺激的でした。

──どのあたりが刺激的でしたか。

若林:もちろん、モデル業界でやっている人なんだなという感覚はあったんですけど、すごいなと思ったのは、ショーの最初に出てくる人だったんですよ。それってブランドの顔だと思うし、そこを堂々と歩く姿を見て、あらためてリスペクトしましたね。音楽が生演奏だったのもあって、今までのバンド活動とは違うけど、可弥子の表現力を使った新たなアプローチができるんじゃないか?と思ったりもして、いろいろ感じるところがありました。

樋口:6年振りの日本のショーなので、すごく感慨深かったです。また同じ場所に帰って来て、6年間の長さを感じましたし、その間のことを思い出して、一人で感慨に浸ってました。

──6年前って、まだモデル業を始めた頃ですよね。

樋口:始めたばかりで、全然お仕事がもらえなかったので、今と全然状況が違うし、時間の長さを感じました。それと、同じ事務所のモデル仲間もいて、それが嬉しかった。私のモデル友達はだいたいこっち(海外)で知り合ったので、一緒に戦ってる人たちというか、絆が深いような気がして、そういう仲間と日本で仕事ができるのはありがたい機会だったし、“もっと頑張ろう”と思いました。


──という、思い出に残る出来事がたくさん生まれた夏が過ぎて、新曲「秋」へ行きましょう。これはいつ頃、どんなふうに生まれた曲ですか。

樋口:本当はこの曲、もっと前にリリースする予定だったんですけど、私が「タイトルは絶対に「秋」がいい」と言って、「じゃあリリースも秋まで待つか」ということで、やっと出せることになりました。

若林:レコーディングしたのは去年末なので、音源自体はもっと早くできていたんですね。歌詞とタイトルは可弥子に任せていて、「「秋」がいい」というからリリースをずらして、全体のスケジュールが後ろになったという感じです。

──可弥子さん、なぜ「秋」しかないと思ったんでしょう。

樋口:フィーリングなので、はっきり覚えてないですけど、だーっと歌詞を書き終わって“これは「秋」しかない”と思ったんですよね。

若林:この曲は確か、Aメロを可弥子が鼻歌で歌って、送ってくれたものから広げていったんですね。歌詞も含めて、アレンジもそうなんですけど、「そんなに華やかではないよね」という話はしていて、音を減らして減らして、シンプルなアレンジにしていった記憶があります。展開も、派手なことはしないで、流れるように作っていった感じです。

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