【インタビュー】三山ひろし、DAM CHANNEL演歌7代目MCに就任「私にしかできないこともやっていきたい」

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■何か新しい良いものを作って残していけたらな……という
■いい意味での貪欲さが出てきた


──本当に演歌が大好きなのですね。15周年を迎え、演歌や歌謡曲を歌う意味をどう感じていらっしゃいますか?

三山:これはデビュー当時から思っていることですが、僕は歌って届けるのが役割ですが、一人のクリエイターであり、発信者だと思っているんですね。ですから、常に新しいものを作って、新しいものをお届けしていくのが音楽を生業とする僕の使命なのです。演歌・歌謡曲という日本らしさも残しつつ、現代ともうまく融合して、新しいものを生み出していくことができるジャンルだと思いますから、そのために自分は何ができるかを常に考えてます。15周年を迎えるにあたっては、なにか新しいものをお届けしようとも思いましたが、考えれば考えるほど原点に立ち返る必要があると思いました。ですから、ここ最近は特に昭和初期や中期ぐらいの音楽を聴いているのですが、そうすると不思議なことに新しいものが芽生えてくるんですよね。また、僕は落語家として活動するほど伝統的な話芸にも興味があるので、そうした文化を融合することができたら面白いんじゃないかなと思っているところなんです。

──原点に立ち返り、自分の楽曲とも向き合ったと思います。過去の曲を改めて歌い、発見などもありましたか?

三山:はい、大いにあると思います。たとえば、デビュー曲「人恋酒場」も、当時の自分なりに精一杯の気持ちで歌いましたが、15年経って改めて歌ってみるとやっぱり心境が全然違っていました。経験を積んできたことで、ちょっと歌に深みが出てきたりするなと思いましたし、より良い歌をこれからも歌っていくには日々感性のアンテナを張って、感情を豊かにしていくことがとても大事だなと思うようになりました。テクニックだけでなく心が育たたないと、特に演歌や歌謡曲はいい歌にならない気がするんですよ。不惑の40歳を過ぎましたが、そこは柔軟に新しいスポンジのようにいろんなことを吸収していきたいですね。

──今後、どのようなチャレンジをしたいとお考えですか?

三山:見てくださる方に、常にドキドキしてもらえるような挑戦をしたいですね。「三山ひろしを見ていると、何をするか楽しみでワクワクする」と言っていただけるよう、新しい発信を常にしていきたいです。慌ただしい日々につい忙殺されそうになり、難しいことではありますが、1段ずつ…いえ、0.1段でもステップアップできるように努めたいと思っています。具体的には、先ほど少しお話した、落語と演歌を組み合わせた新しい挑戦を形にしているところで、近いうちに“落語歌謡”という新しい歌をお届けできると思います。

──その取り組みは、もしかして人類初では?

三山:あはは(笑)。人類初というのは大きすぎますが、あまり見たこと、聞いたことがないものだと思います。CDに約10分間収録される予定ですが、落語の演目としては20分強あるものなので、語りつくせない部分も当然あります。そこは、たとえばコンサートにお越しになっていただいたときに、演歌と落語を一度に楽しんでいただけるようなステージが作れるかもしれません。やっぱりほかの人がまだやっていないこと、僕じゃないとできないことを見つけて、1人でも多くの方に楽しんでいただきたいんですよね。偉大な先輩方の功績を見ても、新しく生み出す時はやはりご苦労があったと思います。ですが、それが世間に認められて唯一無二なものになっていくことは素晴らしいことですよね。自分もこの世に生まれて生を受けたからには、何か新しい良いものを作って残していけたらな……という、いい意味での貪欲さが出てきたのかもしれません。今後の三山ひろしにも、ぜひ、ご期待いただきたいですね。

取材・文◎橘川有子
インタビュー撮影◎東 純史(BARKS)

シングル「北海港節」


2023年7月5日(水)リリース
【CDMS】CRCN-8579 定価 ¥1,400(税抜価格¥1,273)
■収録内容
1.北海港節
2.三面川暮色
3.北海港節[オリジナル・カラオケ]
4.三面川暮色[オリジナル・カラオケ]

作詩:いではく/作曲:弦哲也/編曲:矢野立美


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