【インタビュー前編】有華、TikTok介し国内外でバズった「Baby you」収録1stフルアルバムは意欲作「心に寄り添えたり、元気の源になれたら」

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■シンガーソングライターとして
■自然と湧き上がる気持ちを曲にする姿勢は大事にしたい


──1曲目の「Partner」は、シンガーソングライターCHIHIROさんとコラボした曲ですね。

有華:はい。CHIHIROさんとは、ガールズトークをするような感じで、そこから歌詞が生まれる感覚があります。私一人だったら、ここまで書いていいのかなってためらうようなところも「有華ちゃんがこう思ってるんだったら、歌詞に入れてみようよ」と、背中を押してくれました。特に、「#Me」は自己肯定感を上げるような曲にしようと思っていたものの、私が書く歌詞がうまく表現できなくて悩んでいると、「こんな感じに元気に言ってみたら」と、私にはない視点で提案してくれることもありました。シンガーソングライターとしての意見もしっかり持っていて、対等に作品を作るお姉さんという感じの方ですね。

──多彩なサウンド面でのこだわりについて教えてください。

有華:アレンジを手がけてくださったShu Inuiさんは、とても遊び心に溢れる方でした。たとえば「恋ごころ」で携帯の音が入っていたり、「HAPPY DATE」もコンビニの店内が開く音とか、そうしたリアル感が伝わる音を入れて曲に彩りを添えてくださいました。「HAPPY DATE」の途中で私がコンビニ店員に扮して「いらっしゃいませ~」ってだるい感じで言っているんです(笑)。ふざけてるって怒られるかなって思いつつ提案してみたら、「面白いからやりましょう」って。音楽に関する引き出しがすごくたくさんある方なので、すごく刺激もいただきました。制作中は集中するあまり、どうしても楽しむ気持ちを忘れてしまいがちですが、Shuさんはまず、スタジオに入ったら明るく「コーヒー飲もうよ」って言ってくれて。さりげなくリラックスした空気感を作ってくださったことが嬉しかったですし、改めていろんな方の力をいただきながらいい作品ができたんだなと思います。

──有華さんが作詞作曲を手がけている楽曲について、もっと詳しく聞かせていただけますか。

有華:このアルバムには、これまでの私の集大成としてデビュー前にリリースした「Bestie」や「ずるいね。」なども収録していますし、新曲「Gentleman」も作詞作曲を手がけています。実は、新曲の方はアルバムのために創ったというよりは久しぶりに自分の中から湧き出てきた気持ちを形にできた曲だったので、絶対にアルバムに入れたいと思いました。シンガーソングライターとして自然と湧き上がる気持ちを曲にする姿勢は大事にしたいなと思っているんです。


──「Gentleman」は大切な方への深い思いが伝わってくる曲ですね。

有華:この曲は祖父がまだ元気な時に1番だけ作りかけていたんですが、なんとなくそのままにしてあったんです。祖父が亡くなり、改めてこの曲と向き合ったときに、歌詞がすごく変わるかなと思ったんです。でも実際に書いてみると、いなくなってから書いた歌詞も不思議と大きく違いがなかったんですね。私にとって祖父が大事な人であることは同じだから、この世にいなくなったとしてもまだ一緒に生きているような気持ちなんだと曲を作りながら気づきました。そうやって自分の内側を発見していけるのも、シンガーソングライターとして活動する大きな魅力だと思います。

──「キミエール」では、歌詞をCHIHIROさん、曲は編曲も手掛けるShuさんと共作しています。

有華:はじめは、恋愛も少し感じられる応援歌を作りたいなというところからはじまりました。ですが、作っていくうちに時にはちょっと視点を変えて、女の子が男の子を応援している歌詞にしてみたらどうだろうって思ったんです。もともと私は誰かを応援できるような歌が歌いたいと思って、この仕事を選んだところがあるので、どの曲も頑張っている誰かに歌を届けるんだと考えるようになってから、歌詞を書くことであまり悩みこまなくなりました。そういう意味で、気付きをくれた1曲ですね。

──色とりどりの楽曲に合わせた歌唱も表情豊かです。

有華:ありがとうございます。たとえば、「HAPPY DATE」では、オートチューンを初めて使ったんですが、新鮮でしたね。コンビニに一緒に出掛けるだけでめちゃめちゃハッピーというかわいい歌詞なので、自分もかわいい女の子になりきって歌いつつ、さっき言ったように途中で遊び心も入れられたので、バランスがいい感じにとれたかなって。「#Me」では、「大丈夫。大丈夫。きっとうまくいく」って自分に言い聞かせる歌詞があるんですが、レコーディングでは自分に唱えるように歌っていたため、勝手に涙があふれてきたんです。レコーディングをいったん休止するくらい涙が止まらなくて、そういう体験は初めてでしたね。



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