Backstreet BoysのNickの弟、違いのわかる12歳!

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Backstreet BoysのNickの弟、違いのわかる12歳!

 

 

12歳の少年のほとんどはポケモン映画のサウンドトラックに参加するよりも、むしろポケモンカードを集めているだろう。だが、誰かが大統領にならなくてはいけないように、その役割を果たす12歳の少年も必要なのだ。数学は得意ではないがそんな12歳になれる確率は、世界のリーダーになれる確率と同じくらい極めて低いものだと言える。それでも家族内に高い地位の者がいれば、チャンスが大幅に拡大する事情は同じである。今や圧倒的な人気を誇るヴォーカルグループ、Backstreet BoysのメンバーNick Carterには、12歳になる弟のAaronがいて、彼もまた歌手としてすでに米国以外の地域でかなりの成功を収めている。実際、レコード会社のプロモーション資料が信用できるとすれば、Aaronはこれまでに海外で100万枚以上のレコードを売っているという。

例えばあなたが中年のシンガーソングライターだったとしよう。果てしのないツアー生活で心身ともに疲れきり、ヒットを狙ってたくさんの曲を書いたがうまくいかず、レコード会社との契約も打ち切られた。そんなとき手元のラジオから「Aaron's Party(Come Get It)」が流れ出してくる。どうしてこんなことが起こりうるのか自問自答することになるだろう。どうしてわずか12歳の少年がこれほど短い間に、自分の成人としてのキャリアをすべて凌駕するような偉業をなしえるのだろうかと。

たしかに成功のからくりとは大いなるミステリーである。テレビでMaking Of A Boy Bandの類を見たこともあるが、少しも疑問は解消されなかった。それどころか、答えを見つける代わりに、疑問が増えるばかりだった。人間とは不思議なものだ!

電子メールでついにAaron Carterをつかまえたとき、成功の秘密が暴けるものと期待した。だが、若きAaronは孔子のように寡黙な少年であった。彼はある日SeinfeldのGeorge Costanzaのように海洋生物学者になる夢を見たという。いちばん楽しかったのはBritney Spearsのオープニングを努めたときで、それは彼女が「きさくないい人だった」からだそうだ。彼によればアメリカでのデビュー盤は英国でのデビュー作よりも“ずっと成熟している”という。「まるで友達と遊ぶときのようなものさ」と彼は説明する。

Aaronいわくイギリスのファンはアメリカのファンよりも“ずっと控えめ”だそうだが、つまりアメリカの子供のほうがパーティのやり方を熟知しているという意味だろう。だが、こうした答えは予想されていたとおりのものだった。

Aaron Carterは'70/'80年代のアリーナ級ロックバンド、Journeyを好きなグループとして挙げている。どこかでNeil Schonがエージェントに電話を入れていることだろう。Aaronは音楽でのキャリアを伸ばすためにヴォーカルのレッスンを受ける一方で、家庭教師による指導も受けており、海洋生物学者を目指す上で大切な学習も忘れてはいない。彼によると兄のNick Carterも「僕の成功を喜んでいてくれる」そうだが、Backstreet Boysへの参加を誘われたかどうか、あるいはもし誘われたらどうするつもりかについては「どちらも絶対にないよ」と答えている。

だが、イルカとの交流を求めて深海へとダイヴする前に、Aaronは演技に手を染めたいようだ。今度はどこかで素早いハリウッドの脚本家が自分たちのエージェントに電話を入れ、キャスティングディレクターたちは血相を変えて携帯電話をダイアルしていることだろう。

Aaron Carterがほとんどの12歳の少年とは違っていることは明らかだ。たとえばこれまでに挙げた事項は別にしても、家族と過ごすためにスケジュールをやりくりしなければならないのはAaronのほうなのである。彼の年頃の子供ならたいていは、親たちが家族の集いを計画するのを待っているだけだろう。だが、それだけでは終わらない。いったい、どれほどの数の12歳が自分の母親に『Aaron Carter: The Little Prince Of Pop』なんていうタイトルで、自分たちに関する本を書かせることができるというのだろう?

 

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