スペシャル対談 スケボーキング&54-71

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その得体の知れない謎なイメージと、観る者を黙らせる圧倒的なライブで話題沸騰中の54-71
その人気はもうあまりにも有名になってしまったナンバーガールの向井をはじめ、実に多くのミュージシャンからフェイバリットに挙げられる存在となっている。

そして今回ここにももう一人。それがスケボーキングのギタリスト白鳥だ。

共に、ヒップホップをそのサウンドの背骨に持ちながらも、多種多様な音楽要素を内包し独自のフィルターを通して外に表現をするという、出てくる音こそ違えど、表現者的には似たもの同士。

そんな二組による、一見異色、しかし実際は?… なスペシャル対談だ。

司会●沢田太陽 撮影●松尾泰典



about スケボーキング

1995年8月結成。SHUN(MC-L.O.W)、SHIGEO(MC-HIGH)、HAKUCHO(B)、MASH(B)、MAC(Dr)、SHUYA(DJ)の6人編成。
ラップ・スタイルの高・低音の2MCにターンテーブルと生楽器を見事に融合させ、ロック、ヒップ・ホップ、ビックビーツなど様々な音楽要素を取り入れた、オリジナルなサウンドと、今までに全国各地で行ってきたライヴでのクオリティの高いパフォーマンスで、多くのファンを熱狂させている。


スケボーキング
『magic moment』(WPCV-10100)

1.EPISODE 1
2.Finally
3.Child's Replay
4.and more






about 54-71

1995年に大学の友人である佐藤慎吾(Vo)、高田憲明(G)、川口賢太郎(Dr)の3人により結成される。'97年に堀川ヒロユキ(Dr)が加入したことにより川口が(B)となり現在の編成となる。
'98年にはサンフランシスコのOXBOW、DEER HOOFとのコンピレーションを自らのレーベルunchain recordsより発売。2ndアルバムはライブ会場やレコード店などで無料配布され、話題を呼ぶ。
2000年4月に満を持して発表された1stフルアルバムでブレイク。現在も精力的にライヴ活動を行い、観る者のトリハダを立たせている。


54-71
『untitled』(LVC-13)



1.professor
2..home
3.coffee rider
4.luminous Aliminum
5.pybmucho
6..b.b.c
7.hot pants
8.marvin
9.reveal
──白鳥さんは54の音の方は?

白鳥:
ええ、聴きましたよ。ライヴの方にも行けたら行こうと思ってたんですけど。今度12月に僕の知り合いのバンドと対バンしますよね。

ボボ:
えっ、知り合いっていうと?

白鳥:
『界』って言うんですけど。

ボボ:
ああ『界』!確か12月にサイクロンで。

白鳥:
でも、54ってホントよく雑誌とか載ってますよね。

ボボ:
ああ、でもそのほとんどを書いているのがこの司会の人で(笑)。

白鳥:
あと、チャートとかにも。インディのなんとかチャートとかなると最近必ず入ってたりしてて。うちのヴォーカルとかにも「今度ライブ見たいよなあ」と言ってて。

──いつ頃から名前は知ってたの?

白鳥:
年内ですね。CD出したのが今年でしたよね。春にCDを出したと思うんですけどあれはどういういきさつで?

ボボ:
僕たちがいつもライヴをやっていた三軒茶屋のヘヴンズ・ドアってライヴハウスの人から「CD出そう!」って言われて、その人がやってるLee V Cleefってレーベルから出すことになって。

──昔からあんな感じの音で?

ボボ:
今の路線は最近になってからで。それまではもっとラウドな感じだったな。

白鳥:
ヘヴンズは僕らも毎月ほぼ月1回のペースでブッキングを入れてたんですよ。だから馴染みがあって。どういう人とかと対バンやってました?

ボボ:
スラング・ブギーとか。

白鳥:
おお~!僕大好きですよ。

ボボ:
うちもヴォーカルがTシャツ着てますよ。三茶シティー・ハードコアね(笑)。

白鳥:
ああ、でもライヴ見たいなあ。

高田:
こないだ、8月かな、北青山的ライヴっていうのをスケボーキングがやってるとき、俺ら斜め前のNESTでオールナイト・ライブやってて、そのとき実はチラッと見ましたよ。

川口:
坂本美雨さんとか出てたかなあ。確か一緒にレコーディングしてますよねえ。

白鳥:
ええ、美雨ちゃんとは。

ボボ:
昔「えびす温泉」に出てましたよね。

白鳥:
僕らですか(笑)?ええ、出てました。カスケードに負けたのが悔しくて2回くらい挑戦してしまいまして(笑)。

ボボ:
「スケボーキング・コーナー」ってありましたよね?確か表参道とか歩いていたような‥。

白鳥:
そうでしたっけ(笑)。

ボボ:
あのときからメンバーは?

白鳥:
DJを除いては変わっていませんね。

──それは5年くらい前。

白鳥:
そうですけど、皆さんお幾つですか?

ボボ:
僕と高田が26歳で。

佐藤:
27歳で…

川口:
28歳です。

白鳥:
ああ、ちょうど同世代ですね。僕も72年生まれの28歳です。

──スケボーキングははじめてどのくらい?

白鳥:
ちょうど「えびす温泉」に出た頃が、結成から1年くらいのときで。

高田:
それだったら、うちらと結成の時期変わらないですね。うちらも学生のときからのバンドですから。当時はどの辺でライヴを?

白鳥:
当時は‥、渋谷のGIG ANTICとか、そういうとこですね。友達に呼ばれればって感じで、出るものも拒まずって感じで。54の方もよくライヴやられてるじゃないですか。

高田:
そうですね、最近ね。

白鳥:
いろんなところに呼ばれてそうじゃないですか。

──みんな、54をいろんなライヴに誘ってもいいんだってことに気づいたんじゃないの。

高田:
イースタンユースとかナンバーガールとか椎名林檎とか、HARCOに七尾旅人…。

白鳥:
今、月にしてどのくらいのペースでライヴやってるんですか?

ボボ:
もう2日おきくらい(笑)。

高田:
月に10本は軽くやってますよ(笑)。1日2本のダブルヘッダーのときだってあるくらいだし(笑)。

白鳥:
へえ、すごいなあ。ライヴってどういう感じなんですか。

ボボ:
どうなんですかねえ(笑)。

──とりあえず最初は見て凍るよ(笑)佐藤君のダンスに(笑)。

白鳥:
えっ、ダンス?

ボボ:
うちのヴォーカル躍るんですよ。

白鳥:
へえ!もっと黙々とやるもんだと思ってました。

ボボ:
黙々とではありますよ。MCも基本的に最後しかやらないし。

白鳥:
ああ、ますます見たくなってきたなあ。もう、それ以上は言わないでくださいよ。で、確か横浜でライヴやりません? 日程表でこないだ見た気が‥。

川口:
やりますね。あんまり行かないんだけど、横浜って。NAHTとHoneydipってSUGIZO氏がプロデュースしてるバンドと。

──SUGIZOと言えば‥

川口:
ああ、そうそう、こないだ9月に松崎ナオと椎名林檎と対バンしたときにもHoneydipと対バンして。そんときSUGIZO氏が見に来てたんですよ。で、なんか俺らのこと気に入ったらしくって、「今度ゆっくり」なんて言われたけど(笑)。何か知らないけど。以来、連絡があるわけじゃないけど(笑)。スケボーキングもSUGIZO氏とは何かないんですか?

白鳥:
一回高そうなバーの個室でワインをご馳走してもらいましたね。夜中の3時くらいに電話かかって来て「時間があるなら来い!」って言われて。あのときのワイン、すげえ高そうだったから、飲み逃げされたらどうしようとか言って僕らビビッてたんですけど(笑)。

川口:
俺らがライヴよく呼ばれるなんて言われるけど、スケボーさんだって、ほら、デカいのに呼ばれてるじゃないですか。

白鳥:
ああ、TMCの事ですか。ええ、長い物には巻かれといた方がいいんじゃないかなあって考えで(笑)。

──TMCっていうと、ペンパルズ出てたよね。

ボボ:
そうそう、大阪でね、何故かペンパルズとゴーイング・ステディとの対バンってのがあって。そのとき客に「帰れ!」て言われたんですよ(笑)。

白鳥:ええっ!

川口:
うちのヴォーカル、歌いながら鼻水流すんですよ。それがダイブ目当てで前に来てたペンパルズ・ファンの最前列にいたコにかかっちゃって(笑)。それでもう客に引かれちゃってね(笑)。

白鳥:
でもいくらなんでも「帰れ!」って言うのは。

川口:
いや、それはマジで言われて(笑)。

ボボ:
うちらのライヴってそれがあるんですよ。スケボーキングはその辺ファッション誌とかでも目立ってるじゃないですか。見ていて客と一緒にヒップホップを楽しもうという姿勢がいいと思うんですよ。うちらにはそれがないから(笑)。

白鳥:
見ていて圧倒されちゃうんでしょうね。そうですね、日本人は確かにそうかもしれないけど、外人客相手とかだとモッシュとか起こっちゃいそうな雰囲気に僕なんかは聞こえたんだけどな。ほら、静かな曲でも外人の場合、モッシュすることがあるし。ループしているうちにそれがトランス状態になっちゃってそれで熱くなるみたいな。

ボボ:
それは確かにありましたね。

白鳥:
ツアーとかってやらないんですか?

川口:
今度始めてmo' some tonebenderと東名阪福のツアーに行きますけどね。11月の下旬からだけど。スケボーさんは?

白鳥:
うちらはもう一回長い人たちに巻かれに行こうかなと思ってますけど(爆笑)。

川口:
今、活動拠点としてはヒップホップなんですか?

白鳥:
いやあ、もう来たもの拒まずです。そのときによって。

ボボ:
曲によってビートが複雑ですよね。ドラムの人とか大変そうですよ。

白鳥:
ああ、それはそうです。いろいろ対応しないといけないから。

──でも、ヒップホップは両バンドとも好きだよね。

白鳥:
う~ん、そうなんですけど、ただ僕は意外とヒップホップでもないんですよ。僕はハードコア上がり。もっと言えばヴィジュアル上がりだったりするし。鹿鳴館バリバリ通 ってたりするし。そこからスラッシュ・メタル行って、ジャパコア通ってって感じで。

──それでスケボーキングに至ったのは?

白鳥:
学校が一緒だったのと、メンバーの趣味はバラバラだったんだけど、全員共通 してビースティ・ボーイズのファンだったりしたせいで。

川口:
俺たちもビースティは好きですよ。「ファイト・フォー・ユア・ライト」にしても「サボタージュ」にしても。

白鳥:
ところで、54-71っていう名前の由来は何ですか?

ボボ:
もともと「54」だけだったんですよ。なんかこう文字面 がいいのでそうしようかと。でも、それだけじゃ寂しいという声もあったので、71をつけたってだけですよ。

川口:
スケボーキングの人はみんなスケボー出来るんですか。

白鳥:
僕はオーリー出来ないんで辞めたっていう、典型的なクチなんですけど。僕らもノリですよ、単純に。学祭に出るんでなんか適当につけとこうとしたらその名前になって。

──(白鳥に)最近何を聴いてる?

白鳥:
マイナーリーグとかかな。

──ホントにハードコア好きなんだ。

白鳥:
僕、大好きなんですよ。ジェロニモとかも大好きだし。イエローマシンガンとか。

川口:
今度うちらSODのトリビュート盤に、何故か今言ったバンドと一緒に参加しますよ。

白鳥:えっ、マジですか!

川口:
そう。俺たちが何故か「 21世紀のラウド・ミュージックを担う逸材」としてね (一同爆笑)。

白鳥:
何でそんなことに?

川口:
いやあ、それを企画した人がたまたま俺等のライヴを目撃して、「君たち、SODとかいかにも好きそうだね」なんて勝手に決めつけちゃって(笑)。実際、好きだったりはしたけど。でも、もう全然違う感じにカバーしたんだけどね(笑)。

佐藤:
あのトリビュートを通しで試聴した人の話だと、俺等すげえ浮いてるって話(笑)。

白鳥:
へえ~。でも、そういう何でもありな感覚は面白いじゃないですか。

──じゃあ、そろそろまとめに入るけど、白鳥さんの54の印象は?

白鳥:
う~ん、僕ホント圧倒されちゃって、もう「凄い」以外に言う言葉がないんですよ。でも、これでマジでライヴが見たくなってきた。あっ、もし可能ならせっかくだし‥。

川口:対バンならいつでもOKですよ。

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