LennyがLennyとして存在すること

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LennyがLennyとして存在すること
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「有機農場を始めようとしているんだ。それが自然で神に近いことなんだ」

最新Album

Lenny
東芝EMI VJCP-68340
2001年10月22日発売 ¥2,548(Tax in)

1 Battle Field Of Love  
2 If I Could Fall In Love  
3 Yesterday Is Gone (My Dear Kay)  
4 Stillness Of Heart  
5 Believe In Me  
6 Pay To Play  
7 A Million Miles Away  
8 God Save Us All  
9 Dig In  
10 You Were In My Heart  
11 Bank Robber Man  
12 Let's Get High  
13 Again (Stankonia Remix) featuring Outkast


彼のニューアルバムのタイトルは『Lenny』といたってシンプル。

だからといって、CherMadonnaのような、スーパースターの自己満足的な行為と捉えてKravitz氏を責めてはいけない。これまでの5枚のスタジオ・アルバムと、ベスト盤で800万枚の売上を記録しているクラシック・ロックの王様は、単純に彼自身として存在するだけで満足なのだ。

例えば、彼に今までの作品と今回のアルバムとの違いを聞くと、Kravitzはうぬぼれることなく、注意深く次のように説明する。

「より簡略化されて、よりギター中心のものになっている。単なる新作のコレクションだよ」

恐らくKravitzを、BeatlesHendrixからCurtis MayfieldStevie Wonderまでの要素を含んだ、ヴィンテージ・サウンドの生き字引でしかないと思う人もいるかもしれない。しかしそこには常に、彼自身の何らかのひねりが加えられているのだ。

Kravitzの作品には、すぐに覚え易いチューンがふんだんに取り入れられている。それらは昔に聴いたことがあるようなものでも、フレッシュで、新しく感じられるのだ。ゆっくりとした「Let's Get High」であっても、露骨にセンチメンタルな「Believe In Me」であっても、もしくはドタドタとした「Battlefield Of Love」であっても、Kravitzの作品はエフェクトを無理やり使わなくても、感情を刺激するものなのだ。

自らの体験をもとにした「Bank Robber」という歌がある。これは、実際のKravitzと警察とのやり取りの体験をもとにしている。彼は銀行強盗の容疑で明らかに人種差別的なプロファイリングの犠牲となり、手錠をかけられた。当局のミスであることが発覚すると、すぐに彼は釈放された
2000年11月30日付のニュースを参照)。今日、彼はこの事件を冷静に捉えており、次のように言及している。

「こういう事は常に俺たちに降りかかってくる可能性があるんだ。実際俺は思い出として、こういったことが起こったのは喜ばしいと思ってる。これによってちょっとした現実を教えてもらったからね。自分が武器を所持していて、危険だと他人に思われる状況はとても面白いんだ。そこでこれをもとに曲をつくったんだけど、それは最高のことだよ」

9月11日の悲劇的な事件の影響で(Kravitzはニューヨーク市のホテルの窓から、世界貿易ビルの崩壊を目撃している)、Kravitzは反テロリスト熱の中でトラブルメーカー扱いされている人々に同情するようになったという。

「それは不公平かもしれないけど、アメリカ系のイスラム教徒、そしてシーク教徒といったイスラム教徒ではないけど、黄色っぽい褐色の皮膚を持って、ひげをはやしていて、ターバンを巻いている人々に恐怖をもたらしたんだ。しばらく大変なことになると思うよ」

Kravitzは自分のプライベート・ライフを明かすことなく、大きな一歩でスターの座を獲得した。

「俺のことを本当に知っている人は2、3人くらいしかいないよ」

恐らく彼の堅実な姿勢は、今は亡き彼の母Roxie Rokerから受け継いだのかもしれない。彼女は長年続いたホームコメディ「The Jeffersons」にレギュラー出演していたことで良く知られている。

「俺の母親はもともと秘書を務めていて、夜に演劇をやっていたんだ。ここで言っているのはオフ、オフ、オフ・ブロードウェイのことだよ。父親はNBCニュースのエディターとプロデューサーだった。俺はブルックリンのBed-Stuyとマンハッタンとの間で育って、貧しくはなかったけど、友達の中では一番小さいアパートに住んでたね。「The Jeffersons」によって母親の人生は変わったけど、俺達のライフスタイルは変わらなかった。母親は家に閉じこもって、他人に名声やお金、持ち物で彼女自身を判断させることをしなかった。この業界はそういう人が本当に多いからね。俺達はより大きい家に引っ越したんだけど、贅沢な家ではなかった。それは母親のスタイルではなかったんだよ。それを俺に教えてくれたんだ」

音楽の面で彼は、影響を受けたアーティストの中でも、最も好きなアーティストとして、Stevie Wonderの名前を挙げている。

「『Innervisions』は初めて“ワォ!”って気持ちになったレコードだった。これはまた別のレベルのものだったよ。子どもの時代で、アルバム全体を聴かなかった初めてのレコードでもあるんだ。あるパートと別のパートを聴いたりして、それぞれバラバラに聴いてみたんだ」

Wonderの流儀に従い、Kravitzは楽器をほとんど自分で演奏し、アルバムのカッティングも自身が所有するロキシー・スタジオ(もちろん、名前の由来は彼の母親)で行なう。ロキシー・スタジオは彼が娘と現在居住するマイアミにある。一方、謎の多い彼自身のことについては、有能なファッション・カメラマンのMark Seligerが撮影した、ちょっと高価なハードカバーの写真集にギッシリ詰まっている。タイトルはナチュラルに「Lenny Kravitz」。

ずっと昔にアーティストの、そしてビジネスの才能を証明した彼は、現在音楽を超越したたものに興味を持ち始めている。Kravitzは最近、農場に夢中になり始めたことを明らかにしている。

「実際に有機農場を始めようとしているんだ。それが自然で神に近いことなんだ。パーフェクトな順序で物事が進んでいるっていうこと。とても美しいことだと思うよ」

レット・農作物・ルール!

Jon Young/LAUNCH.com

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