『Bounce』リリース当日、一夜限りのスペシャル・ライヴ!

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『Bounce』リリース当日、一夜限りのスペシャル・ライヴ!
貴重なクラブ・ギグを目撃!!


「こ~んな狭いところでライヴをやるなんて何年ぶりだろうね!」

最新アルバム

Bounce
ユニバーサルインターナショナル
2002年9月11日発売
UICL-1030 2,548(tax in)
http://www.universal-music.co.jp/

1 Undivided
2 Everyday
3 The Distance
4 Joey
5 Misunderstood
6 All About Lovin' You
7 Hook Me Up
8 Right Side Of Wrong
9 Love Me Back To Life
10 You Had Me From Hello
11 Bounce
12 Open All Night
13 No Regrets
14 Postcards From The Wasteland

09.11 ZEPP TOKYO
Track List

1 Hook Me Up
2 Livin' On A Ppayer
3 You Give Love A Bad Name
4 Everyday
5 Born To Be My Baby
6 Just Older
7 Undivided
8 Bounce
9 The Distance
10 Wanted Dead Or Alive
11 Keep The Faith
12 Captain Crash & The Beauty
  Queen From Mars
13 I'll Sleep When I'm Dead
14 Bad Medecine

Encore 1
1 Joey
2 Blood On Blood

Encore 2
1
It's My Life
2 America The Beautiful

2002年9月11日。あのアメリカ同時多発テロの起こった日からちょうど1年後のその日、ボン・ジョヴィはここ日本で先行発売という形でニュー・アルバム『Bounce』を発表。そして、記念すべきその当日、クラブ規模としては実に久方ぶりとなるワン・ナイト・スペシャル・ライヴを披露した。

アメリカで9・11というと、国民の大半が“この日は自宅で家族と喪に服したい”という日。しかし、ボン・ジョヴィは違った。「あえて普段どおり活動している姿を見せることで、アメリカ国民が立ち直っていることを証明したい。それに、音楽でしか僕達は人々を勇気づけることしかできないからね」。こうしたポジティヴな精神を胸に抱き、ボン・ジョヴィはこの日、あえてステージに立ったのだ。じゃあ、なんでアメリカでライヴをやらないの? と言われるとさすがに僕も良い答が出せないのだが、おそらくは、この日にライヴを行なうことに反感を示す一部のアメリカ国民の感情に配慮してということと、全世界ブレイクのキッカケを作ってくれた愛すべき日本から、まずは世界に向けてのメッセージを、といった意図によって今回の事の運びとなったのだろう。

こうして実現した10数年ぶりの日本でのクラブ・ギグだが、抽選で2500人まで入場できるライヴに10万を軽く超える(!)応募が殺到し、予想通り凄まじい倍率となったという。この日も諦め切れないファンたちが会場の外に大集結。最後の最後まで、ひと目ボン・ジョヴィの勇姿を見ようと粘っていた光景が印象的だった。

そして時刻は午後7時。“ヘヴィ・メタルの名伝道師”伊藤政則氏によるリング・アナ顔負けの名調子に煽られてオーディエンスがエキサイトする中、ボン・ジョヴィの面々はステージへと上がった。メンバーはここ最近同様に、ベースにヒュー・マクドナルドを加えた5人。いきなり披露されたのは、新作からのアッパーなナンバー「Hook Me Up」だ。当日に出たばかりの新作、しかもアルバムの中盤に収録されているナンバーであるにもかかわらず、ボン・ジョヴィ・ファンはなんと熱心なことか、さっそく大合唱が起こっているではないか! 日本における彼らの熱烈な支持を改めて感じさせるオープニングだ。続いて、ボン・ジョヴィを代表する大ヒット「Livin' On A Prayer」「You Give Love A Bad Name」の2連発。ここで早くも会場には割れんばかりの歓声が沸き起こった。会場に詰め掛けた観客は想像以上に若く、20代半ばほどと見受けられる人も多い。これらの'80年代後半のビッグ・ヒットをリアルタイムで体験するには若すぎる気もしたが、これもボン・ジョヴィの人気がオルタナやパンクの全盛期を経ても衰えることなく、根強く続いてきたことの証なのだろう。

オープニング3曲で会場が盛り上がったところで、ジョンがMCをはさむ。「こ~んなに狭いところでライヴをやるなんて何年ぶりだろうね」。おいおい。狭いって、ここ2700人入るんだぞ! ジョンったら、全くもって贅沢な。まあ、この王子様的な浮き世離れ感も、この人昔から何も変わってないのだな、と思い思わず微笑んでしまう。

その後、ライヴはニューアルバムからの曲を中心に展開。正直なところ、新曲ということでまだリハーサル不足なのか、演奏は十分に練られている感じではない。しかし、新作『Bounce』は、『Slippery When Wet』や『New Jersey』の頃の、いわゆる全盛期の'80年代後半を彷彿とさせる“正調ボン・ジョヴィ節”が十分に炸裂したアルバムである。アルバム冒頭を飾る「Undivided」にしろ、シングル・ヒット中の「Everyday」にしろ、哀愁の歌謡メロと拳を握りしめたくなる情熱とが交錯した、耳に強烈に訴えかけてくるナンバーだ。こうした“みんなが聴きたがっていたボン・ジョヴィ”というものをサラリと表現できている本作、僕個人の感想で言えば、少しバラードが過多かなという印象もあるが、ファンとしては大いに喜ぶべき内容ではないだろうか。そして、“苦境をはねかえそう”という、いかにも彼ららしい信条が込められたアルバム全体のメッセージも、少しでも救いが欲しい今のご時世には、なおのこと力強く響いてくる。

ライヴ本編は、新曲の合い間に『keep The Faith』『BadMedecine』といった代表曲も織りまぜながら終了したが、その後、最大のインパクトを残したのが2度目のアンコールだった。最初に披露したのが、あの「It's My Life」。'90年代に苦戦を強いられていたボン・ジョヴィが、起死回生で放った快心の一撃とも言える1曲だ。当然、会場はこの日最高の熱狂度。こうした曲が'80年代黄金期の曲を凌ぐ勢いで、フィナーレで披露できるとは、彼らは本当に恵まれている。そしてこの日の本当の最後を締め括ったのは、どこまでも理想主義的で故国を愛してやまないボン・ジョヴィらしく、アメリカではスタンダードとなっている愛国歌『America The Beautiful』。この時節柄を考えた選曲に、もちろん観衆も惜しみない拍手を送る。個人的に“気持ちはわかるけど、ここは日本だし、アメリカの心情の押し付けに映らなければいいんだけど……”と若干心配にはなったが、それはどうやら杞憂だった。みんな、ジョン・ボン・ジョヴィの邪気のない、清らかで憎めないキャラクターは承知の上。実に温かく見守っていたのだ。

ボン・ジョヴィがデビューしたのは、かれこれ'84年。しかし、そんな歳月を経ても、彼ら本来の真摯なひたむきさや、誰もが入り込めて、誰もが歌える強烈なメロディ、これは変わっていない。いや、そんな優しさと人間臭さという普遍的で廃れることのないモチベーションが根底にあるからこそ、時代による流行り廃りの変化に晒されても生き残っていけるのだろう。そして、これまで“フォロワーのいないバンド”と捉えられてきた彼らだが、この日のライヴを見て、音の出し方こそ違うものの、その姿勢はリンキン・パークライフハウスといった最近の若手バンドにも受け継がれているのだな、ということも再認識した。長い音楽活動の中では、アイドル性やポップさを揶揄されたりもしたボン・ジョヴィだが、どうやらその本質についてもう少し真っ当に語られはじめても良い気がしてきた。

文●沢田太陽

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