爆発的人気とKRS-Oneとの確執、ジャスティンやケリーとのコラボまで全てに答える!

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メガヒット『Nellyville』と現在の爆発的人気、他のラッパーとの確執や
多彩なコラボ、自らが関わる慈善活動まで、ネリーが全てに答える!


2000年のデビューアルバム『Country Grammar』以来、Nellyのキャリアはノンストップで上昇中だ。クロスオーヴァー・ヒップホップのタイトル曲をはじめ、「Ride With Me」と「E.I.」をヒットさせ、'02年にはセカンドアルバム『Nellyville』をリリース。その間も休むことなく、Jagged Edgeや*NSYNC、同郷の仲間St. Lunaticsたちと精力的にコラボレーションを行なってきた。

そのNellyがこのほど、LAUNCHのスタジオを訪れた(しかもプレイボーイ誌の撮影から直行!)。ミスター“Hot In Herre”の爆発的人気についてインタヴューし、「Dilemma」でDestiny's ChildのKelly Rowlandをフィーチャーしたことや、“ヒップホップらしくない”との批判に対する感想も訊いてみた。

オレたちの音楽がどこで出来上がったものか、聴いた人たちの半数は見当がつかなかった 

6カ月期間限定盤

Nellyville +
未発表+リミックス+プロモ・ビデオをエンハンストで
収録した日本独自のスペシャル・エディション

UNIVERSAL INTERNATIONAL 
2003年2月19日発売
UICU-9003 2,913 (w/o tax)

【DISK 1】
1 Nellyville
2 "Gettin' It Started"Featuring Cedric
  the Entertainer and LaLa
3 Hot In Herre featuring
  Freeway,Beanie Sigel,Nelly and Murphy Lee
4 Dem Boyz
5 Oh Nelly
6 Pimp Juice
7 Air Force Ones
8 "In the Store"featuring Cedric
  the Entertainer and LaLa
9 On the Grind featuring King Jacob
10 Dilemma featuring Kelly Rowland
11 Splurge
12 Work It featuring Justin Timberlake
13 Roc the Mic-Remix
14 The Gank
15 "5000"
16 #1
17 CG 2
18 Say Now
19 "F**k It Then"featuring Cedric
  the Entertainer and LaLa
20 King Highway

【DISK 2】
1 Stick On Ya Wrist (未発表曲)
2 Kings Highway (未発表曲)
3 Put Your Hands Up (未発表曲)
4 Hot In Herre (X-Ecutioners Remix)
5 Dilemma (Hard Step Remix by Jason Nevins)
6 Hot In Hrere (PV)
7 Dilemma (PV)
8 Work It (PV)
9 Air Force Ones (PV)
10 #1(PV)


こんな素敵な仕事はない。
以前のひどい暮らしを考えたら、
文句なんか言ってられないよ

――プレイボーイ誌はどんな感じでした?

NELLY:プレイボーイ誌に登場するアーティストなんてそういないけど、それでも撮影は緊張しなかったよ。普段から女に囲まれてるし。それに相手はプロだから、ちっとも緊張してない。オレがリラックスして撮影できるように気を遣ってくれたくらいさ。だんだんコツが飲み込めてきたよ。最初は「どうすりゃいいんだ。こんなんでいいのかな? クールに見えるかな?」って感じだったけど、しばらくすると自然にできるようになったよ。

――スーパースターNellyとしての自分に慣れるのは大変でしたか?

NELLY:Nellyとしての自分に慣れるのは確かに大変だった。本名のCornellじゃないからね。でもやっぱりNellyもオレの名前で、今はCornellよりよく知られてるだけなんだ。とにかくあっという間にここまで来ちゃったからね。これが例えば、デビューして5、6年とか、アルバムを5、6枚出して、そのどれもがこれほどの大ヒットじゃなかったっていうんなら、オレも十分慣れてもう少しうまく立ち回れるようになってるだろうけど。だからといってヘタに立ち回ってるわけじゃないぜ。ただ、もっとゆっくりだったほうがよく様子が分かって、もっとやりやすいだろうってこと。2ndアルバムを出した今は、1stアルバムの頃よりも少し楽になった。それでもまだちょっと信じられない感じもする。だって何もかもあまりにすんなりいってるんでね。それに大勢の人に話しかけられる。人気が一定の線を越えると、みんなが話しかけてくるようになるんだ。しかもその数は増えるばかりだし、ボルテージも上がる。大変だけどやめる気はないよ、大金を積まれたって。こんな素敵な仕事はない。以前のひどい暮らしを考えたら、文句なんか言ってられないよ。

――お母さんに電話して、もう働かなくていいからね、と言った時はどんな気分でしたか?

NELLY:ああ、やっとおふくろに電話して、仕事に行きたくなきゃやめてもいいんだよ、と言ってあげることができた。何しろマクドナルドやデアリークイーン、ラリーズなんかのファーストフード店で30年だからね。そういうところで働いたことがある人なら、どんな仕事か知ってると思うけど、それを30年間だよ! 時給だって30年やってせいぜい7ドル50セントさ。シングルマザーだったおふくろは何時間も働いたんだ、最低賃金より1ドルほど高い時給でね。そうやってオレを育ててくれたんだよ。オレは手に負えない子だったから、やっぱり親孝行しなくちゃと思うんだ。これまでいろいろ迷惑かけた分、親孝行して返していきたいね。

――今の流行に乗らずに成功したことをどう思いますか?

NELLY:そうだな、これまで才能があっても裁判沙汰に巻き込まれたり、死んじまったりして日の目を見なかった連中が多い中、オレたち(St. Lunatics)が成功したのは新しかったからだと思う。「新しさ」があったからなんだ。何か新しいものを加えると、みんな飛びつく。一味違うから、気を引くんだよ。オレたちはそれをねらったんだ。デビューを計画してた頃、何を加えたらいいか、どうしたら違いを出せるかと考えた。もちろん、売上げがいいのが名盤だと言うつもりはないし、ヒットするのが最高のラッパーだと言うつもりもない。そう言ってるわけじゃないんだ。ただ、ヒットする作品には何か違う要素があると思う。オレたちの場合は、新しい街と、新しい顔ぶれ、新しいサウンドがあり、それが一味違う何かだったんだよ。しかもオレたちの音楽がどこで出来上がったのか、聴いてくれていた人たちの半数は見当もつかなかった。セントルイスだって分かってから、みんなへえーっと思ったんだよ。そういう意外性があって、音楽にも興味を持ってくれるようになった。

――故郷のセントルイスはどう受け止めてくれていますか?

NELLY:ヒップホップを根付かせようとしている連中は、やればできるっていうのを目の当たりにして、以前よりヤル気を出してるよ。みんな自信を持ってやってるから、誰か声をかければ乗ってくるだけの準備はできてる。だからオレは感謝されてるよ。でもどこだってそうだけど、嫌われることもあれば感謝されることもある。セントルイスも同じ。全体にいえば、みんなオレたちのことを快く迎えてくれてる。どこ行っても人だかりになるけど。


別にKRS-Oneや先輩のヒップホップ・アーティストに
反感を持ってるとか、そういうつもりじゃない。
KRSのことは尊敬してるくらいだ

――あなたを批判するする声もあるし、悪口もありますよね。どんな気分ですか?

NELLY:そんなの当然さ。でも批判されるってことは、見上げられてるってことなんだ、言ってること分かる? 批判されるほうは、見下してる。いや、見下してるというのは違うな。オレは誰も見下したりしない。オレが言いたいのは、成功すればするほど、階段を上がれば上がるほど、必ず足を引っ張るやつがいるってこと。でも、それも必要なんだ。自分のヤル気を高め、足を滑らせないよう頑張るエネルギーになる。だってみんな、スキあらば取って代わろうとねらってるんだ。すでに成功している人は攻撃する側に回らないもんだ。攻撃するのは大抵、成功したいと野心を持ってるやつか、こっちのポジションをねらってるやつか、何でもいいから引きずり下ろしたいと思ってるやつ。だから、やるべきことに集中し、ハングリーであり続けるためにも批判はあったほうがいい。オレたちは今だってハングリーさ。いつもブースで音楽を創って、何か新しい企画にかかわってる。オレたちは音楽シーンに居続け、姿を消すことはないってことを知らしめるためにね。どんな手を使おうと、オレたちを消すことはできないぜ。

――そういったことは『Nellyville』の制作に影響しましたか?

NELLY:『Nellyville』を作るきっかけは、オレを出したいってことだったんだ。オレのことを嫌ってる連中がなんと言おうと、このアルバムにはよりオレが出ている! オレのメロディが嫌いだと言われても、もっとそうなってるし、オレが車とかのことを話すのが嫌いだと言われても、もっとそうなってる。アンタがオレのことを嫌いだってのは知ってる、だからそれをもっと見せつけてやるってメッセージさ。『Country Grammar』は自己紹介だった。オレ自身やLunaticsのメンバー、セントルイス、オレのサウンド、オレの目指すものを紹介したアルバムなんだ。今度の『Nellyville』ではオレ自身を出している。さっき言ったように、嫌いだといわれようと、自分をもっと前面に出してるんだ。

――かなりの自信ですね。

NELLY:みんなどうして足を踏み外すか、分かるか? 3000人か4000人ほどの声に耳を傾けたばっかりに、自分のアルバムを買ってサポートしてくれた900万人の声を忘れてしまうんだ。本当はこっちのことなんか気にかけてもくれない4000人の言いなりになる。そんな連中はアルバムを買ってくれるわけでもないし、こっちの音楽なんか何とも思っちゃいないのにね。その結果、気に入ってくれていた900万人には、「こいつ一体どうなっちまったんだ?」って思われることになる。自分自身に正直でないってことでもあるんだ。自分のやりたかったことじゃないからね。本当にやりたかったことをやるほうがよかったってことになる。オレはいい音楽を作りたい。自分をサポートしてくれ、自分のやることを理解してくれる人のために音楽をやるんだ。

――でもこのレコードでは、様々なスタイルやサウンドを試みているようですが?

NELLY:スタイルなら、あれこれ変えるつもりさ。1つのスタイルばかりやるなんて最悪だよ。どんなビートでも同じスタイルで押し通すのはスムースじゃない。オレはビートに乗るのがいい。ごり押しはいやなんだ。ビートに乗るとビートを感じる。ごり押しよりそのほうがうまくいく。

――他のラッパーに言われたことで何か気になることはありますか?

NELLY:何と言われようと気にならないね。もう一回言おうか? 何と言われようと気にならない。だってオレ、セントルイスに住んでるんだぜ。ここにいないオレのことを、みんながそんなに話してるわけないじゃないか。わざわざセントルイスまで悪口を言いに来るやつなんかいないよ。こことほんの目と鼻の先に住んでるわけじゃないんだ。ここでは言い争いをすると、個人攻撃になったりするんだろうが、それはみんなお互いのことを以前から知ってるからなんだ。だけど、ここではオレは音楽以外、知られてない。アンタだって今日が初めてじゃん。だから、ここの連中がオレのことを何と言ってようと、1日中あげつらっていようと、オレには痛くも痒くもないね。

――「Splurge」で、そのことを歌っているようですね。

NELLY:「Splurge」では「あいつにとって大事なのは車にジュエリーに女だけ」って内容を歌ってる。オレたちだって当然、車もジュエリーも女も好きさ。でも、人を悪く言うわけじゃないが、オレたちにはもっと大事なことがあるんだ。「Splurge」で言わんとしてることは、オレには車や女やジュエリーの前にNellyが来るってこと。まずNellyありき、なんだ。それに「splurging」という意味は金を惜しげもなく使うだけじゃないって言いたいわけ。たくさん愛情を注ぐことなんだ。オレたち、実行してるよ。児童財団や高校に寄付するだけでなく、50家族以上を食わせてるし、地域社会や周りの人々に役立つことをやってるんだ。

――では、「#1」は誰か特定の人を想定して書いたのですか? KRS-Oneとか?

NELLY:実は「#1」は誰かのことを歌ったものだとかなんとか、みんなが勝手に言い始めた時、その噂に最初に反応したのがKRS-Oneなんだ。名前を売るいいチャンスとでも思ったんじゃないかな。5年おきくらいにアーティストを見つけては、こういうことをやってる。LLなんかも数え切れないくらいやってるよ。オレはもうたくさんだ。あの時はクールだと思ったし、やってやれという感じだった。でも別にKRS-Oneや先輩のヒップホップ・アーティストに反感を持ってるとか、そういうつもりじゃないんだ。KRSのことは尊敬してるくらいだよ。彼のおかげで今のオレがあるとさえ思ってる。だから本当に尊敬してるんだ。悪気はないってことを知ってほしい。分かるかい? オレはただ、他の連中が回りからあれこれ批判されずに、言いたいことを言って、やりたいことをやれるように道を開いてるだけなんだ。それにSugar Hill Gangと話したら、彼らはオレのやってることに全然文句はないと言ってくれたんだぜ。彼らがそうなら、誰も文句はないはずじゃないか。だって彼らこそ元祖なんだから。彼らがやり始めたおかげで、その後、みんなもできるようになった。Sugar Hill Gangは純粋に楽しいから自分たちの音楽をやってるんだよ。オレだってそうなんだ。

――さっき地域社会のために役立つことをやってると言いましたが、4 Sho 4 Kidsという慈善活動について話してもらえますか?

NELLY:4 Sho 4 Kidsは非営利団体で、オレがいろんな方法で貧困層の子供たちを支援していたことから生まれた団体なんだ。字が読めない子供や、ダウン症候群の子供、スラムの若者、クラック中毒で生まれた赤ん坊などを支援してる。それに、Faith Houseっていう、エイズやガンとかの病気にかかったホームレスの子供が、日常生活をうまく送れるように支援する施設にも手を貸している。Faith Houseには、エイズとかそういう病気のティーンや、社会に出て行けるだけの能力を身につけてないティーンもいる。オレ自身そうだった。落ち着いた暮らしができず、あちこち引越ばかりで、学校も8つ変わった。そのうち4校からは退学処分をくらった。だからオレの音楽はこうなのさ。もっと暗い面も見てきた。それでも、嬉しいことも楽しいこともたくさんある。だから、こうしてやっていけるんだ。オレはギャングじゃない。本物のギャングってのは、自分たちの生き方なんか話さないもんだ。だから、オレはギャングじゃない。とにかく4 Sho 4 Kidsは、辛い目にあってきた子供たちの面倒を見る団体なんだ。オレたち自身、子供の頃そういう目にあってきたからね。


「Dilemma」のテーマか…… 誰だって、
もう決まった相手がいる人を 好きになったことが
1度や2度はあるんじゃないかな

――では明るい話題に変えて、「Hot In Herre」は今年最大のヒット曲の1つですが、『Nellyville』の1stシングルにした理由は何ですか?

NELLY:「Hot In Herre」はNeptunesのプロデュースなんだ。1stシングルに選んだのはタイミングさ。ちょうど夏が始まる頃で。パーティでわいわいやってるうちに、暑くてたまらないのに楽しいから帰りたくないってことあるじゃん。だったら帰らなくていいから、服を全部脱げばいいんだよって。そういう歌だから夏にぴったりだと思った。創るのも楽しかったね。これまでで一番手早くできた。大抵ブースに入ってテイクを6、7回取らないと思い通りに仕上がらないんだけど、これは「よし、いこう!」って感じで、すんなり仕上がった。

――Patti LaBelleが2ndシングル「Dilemma」のビデオに登場していますね。

NELLY:「Dilemma」でDestiny's ChildのKellyが歌っているリフは、Pattiのお気に入りなんだよ。直接彼女から聞いたわけじゃないけど、大好きなんだって。だからKellyのママ役で出てくれたんだ。今までの、クラブシーンで女の子に囲まれて、というのよりずっとスムースなビデオに仕上がった。これはもっとストーリーラインがあって、素直にフィーリングが伝わるビデオなんだ。

――この曲のテーマについて話してもらえませんか? かなりシリアスな内容ですよね。

NELLY:「Dilemma」のテーマか……こういう経験がある人は多いんだよ。オレ自身そうだし、誰だって、もう決まった相手がいる人を好きになったことが1度や2度はあるんじゃないかな。その2人はいい人で、自分にも好意を持ってくれてるんだけど、彼女のほうは今の相手と別れるのはいやだとかね。誰しも、そういった経験がある。もう決まった相手がいる人を好きになり、その2人は自分に好意を持ってくれていて、自分の恋心はうまくいくはずがないと分かってる。そういう内容の歌だから、共感する人が多いんだよ。それで面白いことに、そういう経験は女より男のほうが多いんだ。「あの歌にはぐっとくる、ああいうのをやってくれ」っていってくる男が多いね。だから男のほうが共感するみたいだ。でも、女にも受けてるみたいで嬉しい。それにみんな、Nellyのアルバムを買うような年齢より、もっと大人向けだと思ってくれるんじゃないかな。

――この歌ではKellyが光ってますが、それについてはどうですか?

NELLY:それが彼女にやってもらった理由だよ。ちょっと変わった感じをねらってたんだ。Kellyはそれまでソロをやったことが全然なかった。オレも、フックで女性シンガーと組んだことはなかったし。だから、オレにとっても彼女にとっても一味違ったものになった。オレは違うことや新しいことに挑戦し続けて、聴き手をハッとさせたい。オレには決まりきったスタイルはないんだ。そういう意味で彼女はうってつけだった。Kellyは午前1時頃やってきて、リフを仕上げ、曲を仕上げた。まったく信じられなかったね。午前1時だぜ。オレなんかあと3時間ほどしないと頭が冴えてこないっていう時間だよ。なのにKellyはやってきたかと思うと、ウォームアップしてビシッと仕上げてくれた。すごいよ、まったく。

LAUNCH:「Work It」でのJustin Timberlakeはどうでしたか?

NELLY:Justinはすごい才能だよ。誰がなんと言おうと、あの才能は否定できないね! あいつがどんな人間で何をやってきたかなんてどうでもいい。とにかくすごい。つまり、オレとしてはいい音楽を創りたいんだ。いろんなことをやってみたい。Run-DMCAerosmithが「Walk This Way」を一緒にやった時、みんな、あいつら何やってんだって目で見てた。おそらく当時はバカにされたんだろうけど、今振り返ってみると、もう定番だよ。あれがなかったら今の音楽はないね。よくやってくれたもんだ。彼らのおかげでまったく新しい道が開けたんだよ。Method ManLimp BizkitGwen StefaniEveも、その流れで生まれたんだ。だからオレたちもあのレベルまで頑張らなくちゃね。

――アルバムにはかなりギターが入ってますが、ヒップホップではあまり聞かないですよね。

NELLY:楽器は大好きさ。ホーンもストリングスもいい。オレもスネアとかやってたんだ、リズムを刻むためにね。要は音楽が大好きなんだよ。ストリングスも好きだし、Run-DMCみたいなギターリフも大好きだ。Princeはストリングスをよく使ってたし、オレもああいうのをやってみたい。ストリングスを使う連中が増えたんじゃないかな。Jagged Edgeみたいなベースメント・ビートではそれが特徴だし、それが彼らのサウンドとなってる。オレもあのストリングスの使い方にハマっちまった。

――Run-DMCとAerosmithの話が出ましたが、MTVのスペシャル番組『Aerosmith:Icon』に登場した時のことを話してください。

NELLY:あの番組に出られたのはすごくラッキーだった。オレはDMCをやり、Ja RuleがRun、Sum 41がAerosmithだったんだ。楽しかったよ。リラックスして気軽にやれた。みんなビデオを何度も観てたから、自分がやるパートも覚えていて、軽くプレイできた。


ステージに出るのは最高だよ。
大勢の人が歓声を上げ、オレたちのやってることに
共感してくれてるって思うだけで嬉くなる

――St. Lunaticsのことをよく話しますが、彼らとの関係についてもう少し話してもらえますか?

NELLY:オレとLunaticsは家族みたいなものなんだ。口ゲンカばかりしてるけど、それが家族ってもんじゃん。だけど他人がケンカに割って入ろうとすると、オレたちは結束して守りの態勢になる。オレたちの輪は固いんだ。仕事も最初から計画済みで、ソロプロジェクトとグループアルバムと両方やってきた。5人一度にじゃなく、先に1人デビューするほうがやりやすいと考えたんだ。まず一丸となって『Country Grammar』に専念し、オレがデビューした。それからSt. Lunaticsに取り掛かり。1人ずつに注目してもらうため、さらにソロ・プロジェクトをやる。だから計画通りにやってるんだ。今のところすべてうまくいってるし、計画も変えてない。失敗する連中は、自分たちのやることに計画性がないからだと思うんだ。場当たり的にやって、方向を見失う。オレたちは、まずどうしたいのか計画を立てたから、ばっちりうまくいってるよ。

――Aliもソロレコードを出したんですね? 
NELLY:ああ、『Heavy Starch』っていうんだ。もうリリースされてるよ。次はMurphy Leeだね。来年早々、2月か3月くらいになる。Kyjuanももうすぐだし、St. Lunaticsのニューアルバムもある。オレはあと2年くらいは出さないかもしれないけど、さっき言ったように、オレたち家族なんだ。それぞれがちゃんと食っていけるようにする。そう決めてるんだ。50家族を食わせてるって言っただろ? 50人じゃない、50家族なんだ。すごくいい連係プレーだよ。

――2年おきにソロとSt. Lunaticsのアルバムを交互に出しているのは知っていますが、疲れませんか?

NELLY:確かにね、なにしろ働きどおしなんだ。起きてる時は仕事してるし、寝てる時だって次の仕事が待っている、そんな気がするよ。ファッション・ブランドもあるし、プロダクションは、やれシングルだ映画だと、何かしら、ひっきりなしにやらせたがる。それを全部こなしても、さらに身内のことがある。もう大変だよ。だから当然疲れるさ。でも頑張るんだ。だって以前の暮らしを知ってるし、頑張らなきゃ、またあそこへ逆戻りだ。最優秀新人アーティスト賞は毎年あるだろ? つまり毎年必ず誰かが受賞する。誰かハングリーなやつがこのゲームに食い込んでくるんだ。だからオレも気をつけないとね。

――ゲームといえば、あなたはチェス・ファンだそうで……

NELLY:そうなんだ、自分でもちょっとやる。ああいう戦略的な思考が好きなんだ。それに忍耐を教えてくれる。チェスというのは普遍的なゲームだから、一度その戦略を身につけると世界中の人々を相手にできる。電話やインターネットを通してもできるし、1人でもできる。チェスは1人でできる数少ないゲームの1つなんだ。本当に自分を相手にゲームができる。ちゃんとしたゲームがね。

――誰に教わったのですか?

NELLY:まだ習ってるところだよ。駒の動きはもう10~12年前から知ってる。でも実際にゲームをしたり、戦略を習ったり、それぞれの駒の範囲を覚えて実行してみるとなると難しくて、まだ勉強中さ。腕はまあまあってとこかな。

――ではファッション・ブランドのVokalはどうですか?

NELLY:Vokalはもう販売されてるよ。オレといとこのYomi Brownが共同オーナーなんだ。これはSt. Lunaticsのデビューをねらってた頃から煮詰めてた案なんだ。オレたちの名前が売れてきたところで、ファッションのエンドースを持ちかけたから、割と簡単にビジネスになった。いいかい? 誰かに20万ドルとか100万ドルのエンドース料をもらったって、そいつらはそれを元に4000万ドル儲けるわけじゃないか。だったら、オレたち自身でその4000万ドルを儲けることに賭けないかって思ったのさ。それでオレたちのファッション・ブランドを作ることにしたわけ。すでに密かなファンはいたわけで、セントルイスではもう流行ってたんだ。だから実際に販売されると、「オレたち、もう知ってるよ」って感じだった。今は世界への販売拡大をねらってる。すごい売れ行きだから、2年ほどすれば世界ブランドになってるはずさ。初年度は目が回るほど大変だったけど、やりがいはあった。今はもう少し広げたいだけ。

――広げたいといえば、俳優もやるようですね。

NELLY:映画『Snipes』が第1作目になったのは、たまたまなんだ。『Snipes』を選んだ理由は単にあの頃、時間的にやりやすかったから。『Country Grammar』が大ヒット中で、St. Lunaticsのアルバムもレコーディング中だった。オレはニューヨークとフィラデルフィアを2時間かけて往復しながら、あの映画を撮ったんだ。制作側がオレの時間に合わせてくれ、スケジュールも調整してくれた。向こうはそこまでしてくれたんだ。それ以前にも、いろんな脚本をもらってたんだけど、誰もオレが撮影現場に行けるように調整してくれなかった。『Snipes』だけだったのさ。それにハスラーからラッパーに転身するという役も、オレには理解しやすかった。第1作目だから、できるだけ感情移入しやすい役にしたいし、すごくやりやすかったよ。

――これからも俳優をやるつもりですか?

NELLY:今のところすごく忙しいんで、どうなるか分からない。でも、音楽が第一なんだ。俳優は今後様子を見ることにするけど、今は音楽第一だ。全部スケジュールが合えばいいんだけどね。とにかく様子を見るよ。さっきも言ったように、向こうがこっちに合わせてくれるならやる。そうでないなら、それはそれでいい。

――ステージはどうですか?

NELLY:ステージに出るのは最高だよ。ステージこそ、オレをサポートしてくれてる人たちにお返しするチャンスさ。16とか17とか18ドル99セントのチケットや、ポスターなんかを買ってサポートしてくれるファンに、お返しする場がステージなんだ。ステージに上がって、目いっぱい声を張り上げ、ファンの期待に応える。最高の気分だね。大勢の人が歓声を上げ、オレたちのやってることに共感してくれてるって思うだけで嬉くなる。

――あなたの生き方に興味を持っているファンも多いようですが、まだ明かしていない秘密とかありますか?

NELLY:ないね。何しろ、これまでにありとあらゆる質問を受けたんだから!

By Billy JohnsonJr (C)LAUNCH.com

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