レディオヘッドが音楽業界を切る! トムとジョニーが語る新作、インターネットそして音楽業界 Part.1

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レディオヘッドが音楽業界を切る!
トムとジョニーが語る新作、インターネットそして音楽業界

“結局は、株主が欲深く、会社は毒が回ってめちゃくちゃだ。
彼らが破滅すれば……あぁ、いい厄介払いになるさ!”--Thom Yorke


SummerSonic2003>では、東京ステージの大トリとして数々の名曲を披露。
最近のライヴでは演奏されることの稀だった初期の名曲「Creep」を演奏し
マリンスタジアムに満員の聴衆を感動させたRadiohead
ほかにも数々のヒット曲や名曲で会場を沸かせ、ライヴ・バンドとしても超・一流であることを見せつけた。
そんな中、米LAUNCH.comより最新インタヴューが到着!
彼らの新作、ライヴ、音楽業界、インターネットなどへの思いを語ってくれた。

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「最初の2日間で録った曲を聴こうと思ったら、もう2週間たっていたんだ」 ジョニー・グリーンウッド

最新アルバム


『Hail To The Thief』

東芝EMI
TOCP-66185 2,548(tax in)


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英国オックスフォードのプライドと至福を備えた幸運なバンドは、彼らの他にいないだろう。均質、形骸化する現代の音楽ビジネスの中で、ポップ・ミュージックとR&Bを中心としたレーベルやラジオ局は、スペース・ロックに手を伸ばそうとはしない。そうした中、Radioheadはリスクを好み、限界に挑んで成功を収めている。メジャーレーベル(どのレーベルであっても同じだが)に属しながらも、収益に頭を悩ますレコード会社から、ほとんど干渉されず、やりたいことをやっている数少ないアーティストだ。

だからといって、彼らは、業界のすべてが順調ですばらしいとは考えていない。それどころか、主人を噛むような発言さえも厭わない。最新作『Hail To The Thief』のリリースにあわせ、米LAUNCH.comの代表Lyndsey Parkerが、ニューヨークのスタジオでThom Yorke(Vo)とJonny Greenwood(G)にインタヴューを試みた。2人は、業界の腐った部分を緊急に修繕する必要がある、と臆せずに語った。驚くことに、ネット上のファイル交換を嫌う多くのアーティストとは異なって、インターネットが業界の変革を担うと彼らは言う。

もちろん、太陽が降り注ぐカリフォルニアでレコーディングした最新作についても2人の声を拾うことができた。また、成熟し続ける優美、ライヴでの新曲披露、芸術的な期待が高まるニュー・アルバムへのプレッシャーといったことについても、率直に語ってくれた。だが、注目に値するのは、インタヴューが楽曲のダウンロードとファイル交換についての質問に及んだときだ……我々は、業界についての2人の本音が出た貴重なインタヴューを収録することに成功した。

――『Hail To The Thief』はアメリカでのレコーディングですが、特にロサンゼルスという場所がどのように音楽に影響しましたか? アメリカでのアルバム作りは初めてだと思うのですが……。

JONNY:すばらしかった。前回はコペンハーゲンで、真冬だった。バンドに適した環境だと思ったんだけど、ちょっと……。

THOM:ミスった!

JONNY:ちょっと見込み違いをしたようだ。僕たちの音楽を考えると、あの環境が必要だと思った。ナンセンスだったよ。

THOM:大きな間違いだ。

JONNY:それで、今回は太陽が降り注ぐ場所で室内にこもって2週間のレコーディングをした。とても気分がよかった。

THOM:とても魅惑的だった。魅惑的なことをした……。

JONNY:そう。映画のプレミアに行ってね。とても奇妙だった。観客は最後までじっと座ってクレジットを見てるんだ。すると、そのクレジットでみんなが拍手する。これはヘンだよ。笑うね。

THOM:映画は良かった。とても魅惑的だった。L.A.に行って魅惑と太陽を浴びたんだ。

――過去のアルバムと比べて、ストレスを感じずに作れた、と?

JONNY:ストレスを感じてる暇なんてなかった。最初の2日間で録った曲を聴こうと思ったら、もう2週間たっていたんだ。レコーディングしたことさえも覚えてないよ。誰がプレイしたかもね。魔法にかかったみたいに、ぼうっと過ぎ去ったんだ。

THOM:最初の段階は……日が進むにつれてちょっといいかげんになった。

JONNY:あとはミキシングと細かな調整。この2週間はとても良かった。仕上げに向けてエネルギーをもらった感じだ。

THOM:1日1曲こなしたんだよね?

――コンピュータを使わなかったという噂がありますが、本当?

THOM:いや。グリッド(DTMで使う時間軸を基にした音符や小節の単位)については考えがあってね。グリッドに乗るのは……グリッドには乗っかりたくないんだ。

JONNY:説明がわかりにくいかも。コンピュータは持ってるんだけど、ある意味、ソフトを使うのを止めたんだ。コンピュータを使わないわけじゃない。

THOM:時間を管理するソフトをね。レトロな感じでやった。古い時計があるよね。狂った時計を使ったんだ。

――今回のアルバムでメインの楽器は? 『OK Computer』ではメロトロン、『Kid A』と『Amnesiac』ではオンド・マルトノでしたが。

THOM:Ennio Morricone(エンニオ・モリコーネ:映画音楽の巨匠)を聴いた……。(Jonnyに向かって)でも、メインの楽器なんてあるか?

JONNY:ないね。すべての楽器を同等に扱っている。必要なときに必要なものを使うんだ。差別はしないよ。そうありたいと思ってるし、それがいい。

THOM:うん。それがいい。『OK』と『Amnesiac』を作った頃は、大きな問題だった。“あいつらはドラムマシーンを使ってる!”とか。

JONNY:単にノスタルジックな理由で、どの楽器のほうが優れているとか……そんなのナンセンスだよ。僕たちが使ってるコンピュータは数年前のものだし、ギターは11、12年前のものだ。

THOM:もっと古いよ。

JONNY:Thomのギターの方がずっと古い。

THOM:僕が生まれる前からあったんだ!

JONNY:ピアノもかなり古い。どれがいいとか、悪いというのはないよ。

THOM:本来、そうあるべきなんだ。

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