ガブリエラ・チルミ、新作テーマはスーパー・ヒーロー

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デビュー・シングル「Sweet About Me」が2009年UKで最もプレイされたトラックになったガブリエラ・チルミが、2ndアルバム『Ten』をリリースする。13歳でスカウトされた彼女は、まだ18歳。

日本だったら早くも高校生で夢を叶えたことになる彼女の新作のテーマは“スーパー・ヒーロー”。自信と使命感にあふれたアップビートな同アルバムは、同世代の女の子への応援歌ともいえる。ポジティヴで強く、真っ直ぐなガブリエラから話を聞いた。同世代の悩み多き日本の女の子への力強いメッセージも。

【関連動画】ガブリエラ・チルミ「On A Mission」PV映像&画像

――ニュー・アルバムは前作とサウンド的にずい分違うように感じましたが、今回、どんな作品を作りたいと考えていたのでしょう?

ガブリエラ:前とは違うものを作りたいって思って、最初はピアノ・アルバムにしようと思ったの。でも、ピアノの前に座ったら、自分はそこまでピアノが上手くないってことに気づいたのよ(笑)。で、次はボサノバにしようって思ったんだけど、これもうまくいかなかった。そしたら、バンド・メイトがドナ・サマーの『I Remember Yesterday』っていうアルバムをくれて、それがすごく気に入ったの。それから、ブロンディみたいなディスコ・ミュージックにはまって、今回はこれで行こうって思ったのよ。だから、前作に比べて、よりエレクトリックになったわ。

――昔からそういう音楽が好きだった?

ガブリエラ:ドナ・サマーもブロンディも前から好きだったけど、今回、新しい発見がたくさんあったわ。昔は、レッド・ツェッペリンやAC/DC、スージー・クアトロなんかをよく聴いてたの。ジャニス・ジョプリンがわたしのヒーローよ。

――アルバム・タイトルを『Ten』と名付けた理由は?

ガブリエラ:誕生日が10月10日なの。2010年は10が3つも並ぶでしょ。10はわたしのラッキー・ナンバーなのよ。実はね、今年、2010年の10月10日に日本で初のライヴをやるっていうのが夢なの。実現したらいいんだけど。

――アルバムにテーマはあるのかしら?

ガブリエラ:スーパー・ヒーローよ! 1stシングル「On A Mission」がそのものだけど、“自分の欲しいものを手に入れろ、邪魔するものはやっつけちゃえ”ってとこよ。「Superman」っていうトラックもあるわ。「Defender」っていう愛する人を守るためには何でもするって曲もね。わたし、実際、番犬みたいなとこがあるの。自分だけでなく、友達や家族を守らなきゃって思っているわ(笑)。

――その「On A Mission」ではどんなことを歌っているのでしょう?

ガブリエラ:「I Will Survive」みたいなパワフルな曲を作りたかった。女の子のためよ。これを聴いて、わたしたち、なんだってできるんだって思ってもらいたい。


――もしあなたにミッションがあるとしたら、それは何?

ガブリエラ:世界制覇(笑)。世界中でツアーをやる。それにジャニス・ジョプリンみたいにロイヤル・アルバート・ホールで長期公演をしたい。カーネギー・ホールやマディソン・スクエアでも。

――音楽のことばかり?

ガブリエラ:いまはそうね。それと、若い子が集まれるスタジオを作りたいな。ただでレコーディングできるような場所を。

――13のときにレコード契約したんですよね。そんな若いときに業界へ足を踏み入れることにとまどいや不安はありませんでしたか?

ガブリエラ:若いと、そういうの考えないんじゃないかしら。夢が叶ったとしか思ってなかった。いまのほうが恐れや不安はあるかもね。あのときは学校好きじゃなかったし…、カソリックの厳しい女子学校だったの。制服があってスカートの長さもうるさかったし、音楽の先生には嫌われてたし(笑)、そこから脱出できて嬉しいって思っていた。

――じゃあ、後悔はない?

ガブリエラ:まだね、まだよ(笑)。10年後、バイオグラフィを書くときにしてるかもしれないけど(笑)。

――親としては学業を優先して欲しいところですが、ティーンエイジャーでもやりたいことがあったら突き進むべきなのかしら?

ガブリエラ:そう思うわ。それだけのガッツがあるなら。でも、気をつけなきゃいけないとこもあるわ。うちの父も、わたしの意志を尊重するために“ほんとうにやりたいのか?”って言い続けていた。イタリアの家系だから、いまでも学校へ行けって言われることがある。勉強は続けてるわ。でもね、本当にやりたいことがあるならやるべきよ。

――デビュー・アルバムのタイトルが『Lesson To Be Learned』でしたが、デビュー以来、学んだことは?

ガブリエラ:人の言うことを聞くなってことかな。いろんなレヴューが出たでしょ。それで他人の意見をいちいち深刻に受け止める必要はないんだってことを学んだ。「曲が書けない、読み書きできないんだろう、学校へ戻るべきだ」なんて言う人もいて、ほんと傷ついたわ。でもね、彼の記事全部読んだのよ。字が読めるってことじゃない(笑)。曲書いてるんだから、書くことだってできるわよ。

――歌詞はあなたが書いているんですよね?

ガブリエラ:そうよ。ラッキーなことに13のときからプロデューサーがやらせてくれたの。だから歌詞はいつもわたしが書いている。今回はほかの作家とのコラボもあったけど、基本的には自分で書いている。口で自分の気持ちを言うのが上手くないから、曲で伝えたいの。もしそれがなかったら、全部自分の中に溜め込んで、頭から湯気が吹き出ちゃうわ(笑)。

――「Sweet About Me」は、2009年UKで最もプレイされたトラックになりましたね?


ガブリエラ:ほんと、クレイジーよ(笑)。想像もしてなかった。だって、あの曲はその前の年にリリースされたものだったから。自分でも思わぬとこで聴くことになっちゃって、ヘンな感じがしたわ。トイレで流れてたりするのよ(笑)。でもね、あれを作ってたとき、スペシャルなものになるのはわかってたの。アコースティック・ギターで始まって、いろんなメロディーが展開する。キャッチーで頭の中に残るんじゃないかな。

――次に成し遂げたいことは?

ガブリエラ:そうだな、2010年の目標はツアーね。いろんなとこでやりたい。

――理想とする女性は?

ガブリエラ:ソフィア・ローレン。もう75歳になるのに、いまだにきれい。それにうちの母やお婆ちゃん。すごく強い女性なの。イタリアの女性ってタフよ。イタリアの男性って自分が女性をコントロールしていると思ってるみたいだけど、ほんとは女性のほうなんだから(笑)。

――日本だったらあなたはまだ高校生なんだけど、学校や恋など悩み多き同世代の女の子に何かアドバイスは?

ガブリエラ:そうね(笑)…。何か嫌なことがあると、わたしはメディテーションするようにしている。自分自身に向き合って、エネルギーを蓄える感じね。自分の本当の気持ちや自分はなにをやりたいのかってことにフォーカスするの。それにボクシングでストレス発散したり、料理したり…。男の子のことでは…、そうね、彼らに巻き込まれちゃダメよ。男の子なんかいなくてもハッピーになれるんだから!

――やりたいことがあっても、一歩踏み出す勇気がない子も多いと思うんだけど。

ガブリエラ:そうね。友達にもよく言ってるんだけど…、強制するつもりはないの。でもなにかやりたいことがあるなら、やるべきよ! なんでもいいから試してみるべきだと思う。ミュージシャンになりたいなら、ギグを開くとか。わたしの友達でスタイリストになりたい子がいるんだけど、彼女はデッサンを勉強するためにロンドンの学校へ通い始めた。なにかやってみるべきよ。動かなきゃ!

女の子の強い味方、ガブリエラ・チルミの2ndアルバム『Ten』は、今週UKで発売。2010年の目標であるツアーは4月からスタートする。

Ako Suzuki, London
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