【インタビュー】NIGHTMARE、“やんちゃ感”を発揮したニューシングル「“まだまだ俺らは尖ってるぜ!”っていう気持ちを持つのも大事」

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◾️今はちょうど「やりたい放題やっちゃえ!」っていう時期でもある

──せっかくですので、ここからはカップリングの「Pierrot Le Fou」についてもうかがって参りましょう。こちらは咲人さんが作詞作曲を共に手掛けてられていますが、モチーフとなっているのはゴタールの撮ったフランス映画『気狂いピエロ』のようですね。

咲人:といっても、これに関しては最初から映画をイメージして作ったわけではなかったんですよね。まずは曲ありきで、そこからこういう歌詞がついていった感じでした。タイミング的には前回シングル「FAREWELL」の時に作ってたもので、ここまで“とっておいた”曲でもあります。音的には、90年代リバイバルのイメージで仕上げていったところがポイントかな。自分が10代後半の頃とかに聴いてた、あの時代のヴィジュアル系インディーズバンドがやってそうな雰囲気の曲にしたかったんですよ。

──妙に懐かしい空気感が漂っているのはそのためだったのですね。

咲人:ある種のレトロ感は音にも欲しかったし、歌詞もこれは「あの頃の人たちが書きそうな」内容を意識してるんですよ。で、たまたまこれを作ってた時期に観たのが『気狂いピエロ』だったんで、あれをモチーフにしたというよりは、あの設定を別のかたちに置き換えた詞としてこれを書きました。わかりやすく言うと、あの映画を恋人同士が一緒に観たとして、そのふたりはどんなことを思うのかな?みたいなことですね。メタ的に見てる感じ、って言った方がいいのかもしれない。

──〈そういうのが嫌いよ 笑えもしないわ〉といった、女性言葉が使われている点も「Pierrot Le Fou」は特徴的ですね。

咲人:そこも、昔の女性っぽさというか。90年代のバンドマンが書く女性目線の歌詞、っていう風にしました。

──柩さんも、この「Pierrot Le Fou」からは90年代の空気というものを感じていらしゃいました?

柩:古いとは思わなかったけど、懐かしい感じはあるなと思いましたね。

──その感覚は音作りにも影響していたりして?

柩:若干。普段はあんまり自分が使わないような、ジャリっとした歪みの音を出してます。使ったのも何時もなら使わないストラトだったんですよ。この曲にはジゴロとかみたいな“悪そうなジャリっと感”が必要だったんです。

咲人:俺がギター的に狙ったのは、昔っぽい軽さですかね。あと、これは構成の話になっちゃうけど、当時の曲って掛け合いが多く入ったりするじゃないですか。ふたつの要素でひとつのフレーズが出来上がる、みたいな。それもやりたかったですね。とりあえず、我ら世代もしくは少し上の世代の人たちが聴いてくれた時に「あー。こういうのあったよねぇー!」ってなってくれたら良いなと思ってます。わかる人はきっとわかるはずなんで。


──そのようにおっしゃるということは……「Pierrot Le Fou」というこの曲タイトルには、映画のタイトルはまた別のニュアンスも含まれているとも考えられそうですね。

咲人:その別のイメージも自分の中には実際ありました。こういう曲調って、キリトさんがPIERROT時代にお立ち台で振り付けやってた時のあの姿を思い出しちゃうので。それもあって、このタイトルにしたっていうのはありますよ。

──歌う側からすると、この「Pierrot Le Fou」はまさにアグレッシブな若気の至り感が必要だったのではありません?

YOMI:そういう意味では、この曲もまた別のサジ加減が必要でしたね。自分なりに悩みつつ歌ったんですけど、咲人からは特に注文もなく今のこのかたちにおさまりました。

──さて。もう一曲のカップリング曲「minus」は、柩さん作曲・RUKAさん作詞によるものとなります。コンポーザーとしては、もともとどのようなビジョンを持って作られた曲でしたか。

柩:これはスケール感のある広い感じの曲したかったんですよ。具体的にはサビのコードから作り始めたんですけど、サビ自体はシンプルにしたかった反面で、全体的なイメージとしては海とか大地とか命っていうものを思い浮かべながら作ってた曲なんですよ。色味で言うと、暖色ではなくて寒色系の冷たい感じの曲だなって感じてました。

──各メンバーに対してのオーダーに関しては、どのようなことを伝えられたのです?

柩:基本的にみんなには自由にやってもらってます。ゾジーには「前半はけっこう抜いて歌って欲しい」って言ったくらいでしたね。歌い出しのあたりは、けっこうテンション低めでいて欲しかったんですよ。

YOMI:張って歌うよりも抑えて歌う方が技術的には難しいんですけど、抑えた良さっていうのも確かにあるから、この曲では出来る限りそこを活かすようにしましたね。


──RUKAさんの書かれている「minus」の歌詞の内容については、どのように受け止めながら歌われたのです?

YOMI:どこにぶつけたらいいかわからない怒り、っていうんですかね。それをこの詞からは感じたので、自分としては綺麗に歌うんじゃなくて怒りの気持ちを歌で表現出来ればいいなと思ってました。

──咲人さんはこの「minus」に対して、いかなるインプレッションをお持ちです?

咲人:曲としてはとても柩らしい曲だな、って感じましたね。どんなに凝ってようが、シンプルだろうが、その人っぽさって曲の端々に出るものだと思うし、俺が作ってもこういう風には絶対ならないんですよ。ギターを録る時にも、この曲は素直にギタリストに徹して録れたのが楽しかったです。自分の作った「Rebel」は、なんならギターを録るのが億劫なくらいでしたから。「minus」は自分からすると、レコーディングの時間が良い癒やしになってました。自分の曲じゃない方がギターを弾く時の気は全然ラク(笑)。

柩:わかる。自分の曲の方が、どうしていいかわかんなくなっちゃいがち(笑)。

──この「minus」というタイトルは、どなたがつけられたものなのでしょうか。

柩:曲を書いた時から、このタイトルをつけてたんですよ。マイナスってネガティブな言葉ですけど、なんか曲を書いたら自然と悲しい世界になっちゃったというか。

──何かつらいことでもありました? 作品に作者の心象風景が反映されることは、一般論としてよくあることだとも思うのですけれど。

柩:どうなんだろ? そういう面もあったのかもしれないですね。バイオリズム的にちょうどダウナー気味だった時に作った曲だった、っていうのもあるのかなぁ。

──そう考えると、曲というのはタイムカプセル的なものでもあるのでしょうね。

咲人:後から聴いた時に、自分で「この時期、めちゃくちゃ適当だったな」って思うことたまにありますよ(苦笑)。「どうにでもなれ!」って思って作ってたな、って。

──もっとも、それはそれで“その時にしか作れないもの”であることも、またひとつの真実なのだと思いますよ。

咲人:あぁ、それはあるね。作った当時は「このアルバム好きじゃねーな」って思ったことがあるとしても、のちのち聴くと「意外と良いじゃん」ってなることあるし。


──つくづく音楽とは奥深いものですね。当然、今回のシングル「Rebel」に収録されている3曲はここから<NIGHTMARE TOUR 2023 Rebel>でさらなる成長を遂げていくことになると思われますが、次なるライブの場でみなさんがどのような空間を作っていきたいとお考えなのかも、ぜひ教えてくださいませ。

柩:今年は春にワンマンツアーをやって、そのあと夏にMUCCとツーマンツアー<悪夢69>をやって、いろいろと良い刺激をいただいたうえでのツアーですからね。もっとステージで自分を解放しても良いんだな、っていうことを学べたんですよ。だから、今度のツアーでは前と比べての違いがどこまで出るかはわからないですけど、なにかしらみんなから見ても「NIGHTMARE、良くなったな」って感じてもらえるような、結果を残していくライブを各地でやっていきたいと思っております。

YOMI:俺にとっても<悪夢69>をやったことは大きくて、昔ライブで裸足で歌ってたのも逹瑯さんを見て「自分もやろう」っていう風に影響を受けてのことだったから、あのツーマンツアーをやってその頃の気持ちに戻れた感じはやっぱり凄くあったんですよ。それは自分にとっての大きな収穫だったので、今度のツアーではそれをちゃんと活かしていくようにしたいですね。

咲人:俺も<悪夢69>からは学べたところがたくさんありましたね。ミヤさんもとにかく真剣に音楽をやってる人だし、自分なんかは気が付くと視野が狭まりがちなところもあるから、ほんとにあのツーマンでは良い刺激をたくさん受けることか出来たんですよね。その貴重な経験をふまえつつ、さっきのバイオリズムの話で言うと今はちょうど「やりたい放題やっちゃえ!」っていう時期でもあるんで。今回のツアーでは、ライブでも思いっきり“やんちゃ感”を発揮していければなと思ってます。

──では、観に行く側もここは“やんちゃ”なスタンスで臨んだ方がよろしいでしょうか?

咲人:別にみんなはそんなやんちゃしなくていいですよ。というよりは、やんちゃしてる5人のオジさんたちを見て楽しんでもらえれば(笑)。

YOMI:“やんちゃ”っていうことで言えば、10月に弟たちのバンドがやってたツアーもだいぶ“やんちゃ”だったみたいなんですけどね(笑)。兄としては、アレとはベクトルの全く違うNIGHTMAREならではのカッコいい“やんちゃさ”を見せつけていくつもりです!

取材・文◎杉江由紀
写真◎三上信

「Rebel」

2023年11月8日(水曜日)発売

【Type-A】初回限定 (CD+DLトレカ) LHMH-1061
POS: 4907953095007  ¥1,980(込) ¥1,800(抜)
CD : 全2曲入り
【収録曲】
1.Rebel 2. Pierrot Le Fou
DLトレカ : 「Rebel」Music Video

【Type-B】通常盤 (CD) LHMH-1062
POS: 4907953095014 ¥1,650(込) ¥1,500(抜) 
CD : 全3曲入り
【収録曲】
1.Rebel 2. Pierrot Le Fou 3. minus

【Loppi・HMV限定盤】 (CD)
※初回生産限定 5 SKU(CD Only):¥1100(税込)¥1000(抜)

・YOMI ジャケットver.  LHMHH-10031 POS: 4907953095021
・柩 ジャケットver.  LHMHH-10032 POS: 4907953095038 
・咲人 ジャケットver. LHMHH-10033 POS: 4907953095045
・Ni~ya ジャケットver. LHMHH-10034 POS: 4907953095052
・RUKA ジャケットver. LHMHH-10035 POS: 4907953095069
※全ver 収録曲:1. Rebel

発売元:HAPPINET CORPORATION /C-block.販売元:HAPPINET CORPORATION

【NIGHTMARE:NewSingle 「Rebel」CD予約/購入オリジナル特典】
予約特典「Rebel」 2タイプ(Type-A、Type-B)同時予約で 
littleHEARTS. : オフショットDVD

【HMV盤】 (CD) ※初回生産限定 5 SKU(CD Only)5枚同時購入で
・HMV:アクリル キーホルダー第2弾(歴代ナイトメアロゴ 5種類ランダム)
・イベント参加券(HMVで行われるイベント店舗共通)

オリジナル特典
「Rebel」 2タイプ(Type-A、Type-B)同時購入で
・Amazon:L版ブロマイド・ソロ5枚セット(A)
・リトルハーツ:缶ミラー(76mm)
・HMV:L版ブロマイド・ソロ5枚セット(B)
・タワーレコード:L版ブロマイド・ソロ5枚セット(C)
・楽天ブックス:クリアファイル (A)(A5サイズ)
・fiveStars:クリアファイル (B)(A5サイズ)

<NIGHTMARE TOUR 2023 Rebel>

2023年
11/12(日) 神奈川・YOKOHAMA Bay Hall
11/22 (水) 大阪・Zepp Osaka Bayside
11/24 (金) 愛知・Zepp Nagoya
12/ 2(土) 福岡・DRUM LOGOS
12/ 3(日) 広島・LIVE VANQUISH
12/ 7(木) 北海道・札幌PENNY LANE24
12/ 9(土) 宮城・仙台GIGS
12/12(火) 東京・ZEPP HANEDA

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