【インタビュー】アリス、ツアーファイナル日本武道館3Daysを前に語る。「音楽って終わりはない」

ポスト
■同じ歌を歌ってるのに、今は64歳がちゃんと歌ってるなって感じがする

──アリスの場合は“昔の名前でやってます”どころか“今が旬じゃないと”って感じがしてますね。もう一つは3人のバランス。今が一番正三角形になってて、一番バランスが取れてるんじゃないかなと思うんですが。

谷村:それは3人ともそう感じてるんですよね。やってて楽しい。音楽ってこんなに楽しいんだなっていうのを実感できたツアーですよね。

──活動停止した時には皆さん別々のことをされてて。

堀内:そういうのがまた交差してね。あの頃はあの頃でよかったんですよ。今はまた全然テイストが変わって、同じ歌を歌ってるのに、今は64歳がちゃんと歌ってるなって感じがする。あまり技量的に落ちなかった。自分が言うのもおこがましいけどそれが支えてるんじゃないですかね。「今のほうが絶対うまいぞ」って。昔はチンペイさん(※谷村)の声聞いて低い声が出るのがうらやましいと思ってました。やっと追いつけた。

谷村:ベーヤン(※堀内)が低いキーがすごく出るようになってて、前より輪をかけて二人の声が似てきたかも。

──矢沢さんもドラム上手くなってますよね。

矢沢:だんだんだんだん上手くなるんだけど、散る前の……

谷村:やめなさい(笑)

■武道館は僕らにとって特別な場所
■音楽って終わりはない

──いよいよ武道館3日間。アリスは78年に3DAYS新記録。79年に7日間。そのアリスがまた戻ってきて3DAYS。武道館3DAYSは今のアリスにとってどういう位置づけなんでしょうか?

堀内:やっぱり特別な場所だったから。時代を超えてそこでまずライブができているってことが凄いと思う。

谷村:初めて武道館を3人でやったときに、あの国旗が上に吊ってある場所のを見た時に、それまで“ここは武道をやるところなんだ”って思ってたけど、ビートルズがライブをやってくれたおかげで音楽がやれるようになって、ああそこに自分たちもいるんだってことに感激して。今でもまた行くと武道館ってそんな感じがするんだと思います。

──今回の追加公演3日間について、内容は?

谷村:ツアーでやっているメニューがあるんです。大阪城ホール2DAYSもやるんですけど、ツアーに来られなかった方も結構いらっしゃるんですよね。だからツアーはこんな感じでしたよって匂いを残しながら、ツアーでやれなかった曲を入れていこうと思って、リハーサルに突入しました。だからちょっと違った感じになると思います。

──行けない人もたくさんいるわけですから。

谷村:ツアーの感じも感じてもらえるように。それで武道館ならではの楽曲でまたやりたい。

堀内:僕らもそうだし、見る人も「アリスまたこの場所でやるんだ」ってそういう気持ちありますね。

──武道館が最終ホールになりますよね。ここまできて、もしもう一回やるってなったらどうしますか?

谷村:武道館は僕らにとって特別な場所なんで。またやれるチャンスがあればできるだけやりたい。

──とりあえず全国ツアー行かれて、武道館3DAYSやっていただくと。その後は?

谷村:今のところはまだ何も考えてないです。それぞれのソロにまた戻っていくので。今回のツアーでコンサートに久しぶりに来たって人も多かったし、小学生も多かった。3世代。その人達もまたそれぞれのソロの世界を応援して欲しい。またみんなの声があがってきたり、やりたいなってタイミングが来たら、またアリスを。

──最後に、40年以上やってきてて、でも生臭いことをやり続けててなかなか殿堂入りにはならない感じですが、自分自身をかきたてるものは何ですか?

堀内:いや、しがみついてんじゃないですかね。大好きだから振り落とされないように。それが無くなったらやめればいいじゃん。そこはまだ芯のところに種火が残ってる。さしずめ目標は70歳までいきたいなって思ってる。そしたら「あともう一年やったら」って言われるでしょ。それを待ってる。まだ燃えてますよ。その齢なりの燃え方があるからそれをやっぱりお見せしたいですね。

谷村:次の世代も、その次の世代も音楽で生きていこうとしてる人が多いじゃないですか。アリスは3人64歳になって、こうやってまだ全国ツアーできる。そんなグループがいるってことが、彼らにとっての一つの目標じゃなくて、目印になれば。こういう生き方もあるんだなって思ってもらえればすごい嬉しいと思うし。

音楽って終わりはない。自分が終わりだと思わない限り終わりはないし、今回新しいアルバムを作って、それぞれがまだまだすごくいい音楽性やメロディラインを持っているのが嬉しかったし、また切磋琢磨して次の機会を虎視眈々と。それを狙ってソロで頑張っていければいいなって思いますね。

矢沢:なぜ音楽をやっているかって話。「好きだから」しかないんですよね。朝起きてギター弾いて、ドラムのフレーズを「ああこうしたほうがいいかな」ってまだ考えられる。昔からと全然変わってない。このまま自分で終わりを告げない限りはやっていくんだと思いますね。

──アリスが頑張ってるんだから俺もがんばらなくちゃいかんっていう人がいると思うんで、アリスが存在している事自体がそれがメッセージだと思うんですよね。なので死ぬまで(笑)私も従軍記者としてがんばります。

谷村:一緒に頑張りましょう。

進行●富澤一誠(音楽評論家)

<アリス コンサートツアー2013 ~It's a Time~ FINAL 3DAYS>
2013年10月31日(木) ~11月 2日(土)
日本武道館
全席指定 ¥8,400
[予約・問い合わせ]
キョードー東京 0570-550-799
http://kyodotokyo.com/
※未就学児童入場不可

◆アリス特設サイト
◆iTunes Store アリス(※iTunesが開きます)
この記事をポスト

この記事の関連情報