【インタビュー】アリス、ツアーファイナル日本武道館3Daysを前に語る。「音楽って終わりはない」

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アリスが自身初の47都道府県ツアーのうち59公演までを終え、10月6日(日)の愛知公演で全都道府県を一周した。追加公演である10月31日(木)からの日本武道館3DAYS公演を前にして都内で行われたインタビューをお届けする。進行は音楽評論家の富澤一誠。

◆アリス 画像

■47都道府県、全箇所満員になった。ってことは、今までそれをおろそかにしていたってこと

──全国ツアーお疲れ様でした。よく生きて帰ってきたなと(笑)まず振り返ってみて59本、どうでしたか?

谷村新司(以下、谷村):やりがいがありましたね。スタートするまでは気が遠くなるぐらいの感じだったんですけど、最初の一週間ぐらいを過ぎて徐々に体が慣れてくると、ペース的に色々なことを思い出して。各地で待ってるって人が多かったので、そのエネルギーに随分癒された感じがします。

堀内孝雄(以下、堀内):いいムードのままノリノリで来られたから乗り越えられたね。

──アリスさんぐらいになると出たいところだけ出るというやり方もあったと思うんですけど、そこを47都道府県全部回っていくわけだから体力的にも大変だと思うんですよ。あえてまず自分にムチ打つようなことをしたのはなぜ?

矢沢透(以下、矢沢):昔だったら大きいところだけ回ったりとか、せいぜい20箇所だったりとかってあると思うんです。今こうして47都道府県、全国回って、一応全箇所満員になった。ってことは、今までそれをおろそかにしていたってことじゃないですか。だから「あ、なんか悪かったな」って気も若干しましたよね。

──大きい会場って行けない人も多いですもんね。

谷村:アリスって最初は3人で楽器持って全国回ってた原点があって、その頃の、本当に初めて行く街とかもいっぱいあって、そういう所にもたくさんの出会いというか待っててくれる人たちがいてっていう初心を思い出しました。だから47都道府県全部行こうっていうね。それと東日本の震災。東北3県に4年前のツアーでは行けなかったんですけど、今回は仮設住宅でのライブを3人で、ツアーが休みの日にやりました。「ライブを届けたい」って思いがあって。いろんな思いがありましたね。

──4年前のツアーの40本との違いは?

堀内:まずは新しいアルバムかな。

──20年ぶりのニューアルバム、全部新曲ともなると曲を作るのもレコーディングも大変だと思うんですが、そこもあえてベスト盤ではなく新作?

矢沢:大変だってのは傍で見て判断しているわけで(笑)実はやってる方は楽しいですし。意外と疲れを感じないですよ。

谷村:2009年のツアーは懐かしい曲をたくさん皆さんに聞いてもらおうということをメインにやって、2013年ではアリスの今の気持ちとか、今だから伝えられることをアルバムにできました。だからツアーでも現在進行形のアリスを見てもらいたいな。結構勢いがあるステージになりましたね。

──タイトル<It’s a time>がキーとなっていると思うんですね。皆さんが64歳(※堀内は10月27日で64歳)。『ALICE XI』から今のメッセージを言うなら?

谷村:一曲一曲に違うメッセージが入ってるんです。例えば堀内の作った「ユズリハ」とか、自分たちの次の世代、その次の世代を感じながら書くっていうのは若い頃にはなかった発想だし。キンちゃん(※矢沢)とやった「Western Dream」とかは僕らがほんとにアメリカやイギリス音楽に影響を受けて、それで彼らに憧れてひたすらかっこいい音楽をやっていたっていう。そんな部分があったから“自分たちのオリジナルを作らなくちゃ”って思えた。本当に今ならではの作品になったと思います。

──アルバムの中のメッセージをステージでも表現したわけですよね。お客さんの反応は肌でどう感じました?

堀内:11枚目を作っておいたおかげで、何が新しくて何が古いか、その辺がうまくミックスされたというか……懐かしさをほじくり出したわけじゃなく、うまく融合した。結果やっぱり何だかんだ言っても、今が一番だと思いますね。今見てもアリス一番だな良いバンドだなって。それが僕らの背中を押す力になるというか、それは自負してないと駄目だと思いますね。

──活動停止を発表した時にも“解散ではない”と。つまり復活するたびに毎回進化してるってことですよね?

堀内:気持ちがみんな前向きだから。それがやっぱりあるうちは前進し続ける。嬉しいですよね。

◆インタビュー続きへ
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