韓国号泣ホラー映画『箪笥』のキャンペーンソングを歌うトルコの歌姫

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韓国+日本+トルコのコラボレーションがここに!

7/24に日本でも公開されて観客を驚愕させている韓国ホラー映画『箪笥』。
スティーブン・スピルバーグが史上最高額でリメイク権を獲得したという話題作だ。
このアジアン・ホラー最高峰映画のキャンペーンソングとして
お茶の間に流れているのが、トルコの歌姫セルタブが歌う「Here I Am」。
トルコではトップ・ミュージシャンとして活躍し、
'03年のユーロヴィジョン・コンテストでは、あのt.A.T.uを破ってグランプリを獲得。
そんな彼女が『箪笥』公開記念として来日し、試写会では「Here I Am」を観客の前で披露し絶賛された。
トルコからの最高のプレゼント、セルタブの独自の歌声とニューアルバムについて話を訊いた。

このアルバムを聴いて音楽的な国境みたいなものを越えられればいいと思う

セルタブからのコメント映像!
コメント映像、スタート!

▲上の画像を

最新アルバム


『No Boudaries』

SICP-585 \2,100(tax in)
2004年7月7日発売

01.Here I Am
02.Breathe In Deeper
03.Every Way That I Can
04.Got Me Like Oh
05.I Believe (That I See Love In You)
06.Leave
07.It Takes More
08.Back To The Beach
09.Storms
10.Love Bites
11.The One
12.Here I Am (Jason Nevins Radio Remix)

『箪笥』試写会でのパフォーマンス




――あまりの歌唱力の素晴らしさに驚いています。普通のポップス歌手とはまったく違う声と歌唱ですが、これまでどのようなトレーニングを受けてきたのでしょうか。


セルタブ:褒めてくれてありがとう。私は音楽学校で6年間ソプラノのトレーニングを受けていて、クラシックなオペラ歌手になるために必死で訓練してきたの。その後、英語でカヴァーソングを演るバンドで活動して、イスタンブールのほとんどの小屋で演奏したわ。その時にCMや有名ミュージシャンのバックヴォーカルなどもやった。だから初めてアルバムを出すころも無名の新人ではなかったの。

――オペラではなくポップスシンガーの道を選んだのは?

セルタブ:6年間という長いトレーニング期間を経た後、やはり自分の言葉で、自分の音で、自分の音楽で自分自身を表現したいと思ったの。オペラ歌手になっても自分自身が表現できないわけじゃないけど、それは決まったルールの上でやらなければならない。私はポップスのように自分の言葉とスタイルで、自由にやれる世界で自己表現をしていきたいと思ったわけ。

――小さいころはどんな音楽を聴いていたんですか?

セルタブ:子供のころは音楽学校に通っていたくらいだからクラシック音楽を聴いていたわね。でもそればかりじゃなく、ポップスをよく聴いていたわ。でもなによりも私にとって大きかったのは父親なの。とても声の良い人で、伝統的なトルコ音楽を歌っていたの。そういうものをすべて吸収できる環境にいて消化することができたので、自分独自のスタイルを作れたんだと思うわ。

――このアルバムには、欧米の音楽のさまざまな要素を含んだ幅広い楽曲が入っていますが、トルコというのは欧米の音楽を吸収しやすい場所なんですか?

セルタブ:トルコではありとあらゆるタイプの音楽を簡単に手に入れて聴くことができるわ。

――具体的には、どんなアーティストにイマジネーションを刺激されましたか?

セルタブ:一人に絞ることはできないわね。普段から聴いているのはスティングミッシー・エリオットビョークね。パフォーマンスで素晴らしいのはバーブラ・ストライサンドティナ・ターナー。あとロックがすごく好きなのでローリング・ストーンズレッド・ホット・チリ・ペッパーズエヴァネッセンスもよく聴くわ。シャーデーも。キリがないわね。

――このアルバムは、トルコの伝統的な音楽とそういう欧米のポップスがうまく融合していて、とても新鮮に聴けます。

セルタブ:それはまさに私が狙っていたこと。ユーロ・ビジョン・コンテストに出場した時に歌った「Every Way That I Can」は、私の中にあるすべての音楽的要素を融合させたものなの。それがベースになって今回のようなアルバムを作ることができたわけ。私の思惑通りだし、それはトルコ人の血のなせるワザだわ。

――“No Boudaries=境界線がない”っていうアルバム・タイトルがすごくいいんですよね。このタイトルへの思い入れを聞かせてください。

セルタブ:旅をする機会が多いんだけど、これだけ世界が近くなったのにどこにも国境というものがある。文化の違い、考え方の違い、システムの違いはあるけど、私のなかでは国境はない。少なくとも音楽には国境はないと思ってるの。このアルバムを聴いて、音楽的な国境みたいなものを越えられればいいと思うわ。トルコの人以外では聴きなれないものが入っているから距離感を感じるかもしれない。でもいろいろな要素がミックスされているから、聴いているうちにその距離感がなくなって、音楽的な国境がないと感じてもらえればいいと思うわ。

――6曲目の「Leave」という曲が印象的です。ありとあらゆる“声”の表現を聴けますね。あなたが一番気に入っている曲は?

セルタブ:私も「Leave」が、これまでのすべての私の曲のなかで一番好きな曲なの。これは私にとって特別な曲で、この曲を歌うたびに何か新しいものを感じるし、メロディを変えたりして実験的なこともできて、新しい曲になったりもする。自分の声でいろいろな音階を披露することもできるし、とても魅力的な曲なの。「アシュク」というトルコの曲がベースになっているのよ。

――「Here I Am」はホラー映画『箪笥』のキャンペーンソングになったわけですが、どんな気持ちですか?

セルタブ:こんなこと初めてなので、不思議で奇妙な感じね。でも、この映画のストーリと「Here I Am」の歌詞がうまく合っているの。それに私はホラー映画が大好きなんだけど、恐怖映画を観てもあまり怖いと思うことがないのよ。ティーンエイジのときに『エクソシスト』を観て、観客は大絶叫なんだけど私は冷静だったの。でも家に帰ってきてベッドに横になってから「ベッドが揺れるんじゃないか」と思ったら怖くなって、それから1週間はママと一緒に寝てたわ(笑)。

取材・文●森本智
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