Dir en grey、ヨーロッパ最大級ロック・フェスに出演
日本武道館2daysを45分で完売させ、7月26日にはニュー・シングル「凌辱の雨」のリリースも決定し、日本国内でも異様なほどの盛り上がりを見せている、Dir en grey。そんな彼らが、ドイツでのワンマン公演を経て、ヨーロッパ最大級のロック・フェス<ROCK AM RING>に出演を果たした!
日本に先駆けて夏フェス・シーズンを迎えた欧州。なかでもドイツはニュブルクリンクで3日間にわたって開催される<ROCK AM RING>は、欧州最大の老舗野外フェスティヴァルとして知られているが、今年も6月2日に開幕を迎え、その初日公演にDir en greyが出演した。
日本のバンドとして初めて同フェスに参戦を果たした昨年度は、いわゆるセカンド・ステージに出演した彼らだが、現地でのセールス/動員実績やファン・ベースの確かさを評価された今年は、センター・ステージに4番手として登場。本格再始動が期待されるガンズ&ローゼスをはじめ、トゥール、コーン、デフトーンズといった世界最高峰のバンドたちとステージを共にした。スリップノットのコリー・テイラー率いるストーン・サワー、新ヴォーカリストを迎えて復活を果たしたアリス・イン・チェインズよりもDir en greyの出演が後であるという事実が、このバンドの現地における状況がいかにホンモノであるかを物語っている。
午後5時15分、「朔-saku-」で幕を開けた彼らのステージは、全14曲、約1時間に及ぶもの。ステージ自体も、この日のために用意された背景を覆うバックドロップも、規格外のビッグ・サイズだ。会場はF1レースが開催される巨大レース場だが、8万枚のチケットが事前にソールド・アウトになっていたという事実を裏付けるように、場内は日中からぎっしりと人で埋め尽くされた状態にあった。もちろんそこに詰め掛けていたのはDir en greyのファンばかりではない。が、彼らの演奏が始まってから、その場を立ち去ろうとする観客の姿はほとんど見られなかった。
“Fuckin' awesome!(すさまじかったぜ!)”
終演後、彼らの楽屋を訪れたコーンのフロントマン、ジョナサン・デイヴィスはメンバーたちにそう声をかけ、健闘を称えた。
“夏が楽しみだ。一緒に楽しもう”
そう、Dir en greyはこの夏、コーンの主催する大型パッケージ・ツアー<THE FAMILY VALUES TOUR>に参戦し、約8週間にわたって全米をサーキットすることがすでに決定している。同ツアーの首謀者ともいうべきジョナサンは、しっかりと彼らのポテンシャルの高さを自らの目と耳で確認していたというわけだ。また、90年代に一世を風靡したシアトル産ヘヴィ・ロックの代名詞、アリス・イン・チェインズのジェリー・カントレルは、やはり楽屋を訪れ、ステージ上で流血した京(Vo)に“クレイジーなパフォーマンスだった。出血のほうはもう大丈夫? ものすごいインパクトだったよ”と声をかけていた。
先頃オリコンDVDチャートでNo.1を獲得したライヴ映像作品『TOUR05 It Withers and Withers』の濃密な内容にも裏付けられている通り、近年のDir en greyはライヴ・バンドとしての説得力を着実かつ飛躍的に高めつつある。端的に言えば、“ここ一番”に非常に強いバンドになりつつあるのだ。実際のところ、日本国内でも対峙したことのない規模の大観衆を前にしたこの日のパフォーマンスも、高い演奏クオリティとささくれだった刺激とが同居する彼らならではのものだった。しかし彼ら自身はそこで満足するどころか、手ごわい観衆を相手にしたことで、逆にさらなる進化に向かううえでのヒントを手に入れたようでもある。実際、国内にあってはその演奏力等について正当な評価を受けることが余り多いとは言えない彼らだが、現在の彼らが体現するタイトに研ぎ澄まされたバンド・サウンドが放つ殺気、ステージ・パフォーマーとして稀有であるだけでなく、実は過剰なほどにエモーショナルな歌い手である京の真価は、もっと高く評価されていいはずだ。
このフェス出演に先駆け、5月27日にはベルリン、28日にはケルンでの単独公演も大盛況のうちに終了させている彼ら。この<ROCK AM RING>出演後には、約24時間後に控えた<ROCK IM PARK>(両者は姉妹フェスのような関係にある)の開催地であるニュルンベルクに向け、ツアー・バスで長距離を移動。こうした欧米的なツアーのあり方も、今後、彼らにとってはごく日常的なものになっていくことになるのだろう。
<THE FAMILY VALUES TOUR>ツアー参戦直前にあたる7月31日、8月1日に行なわれる日本武道館での二夜連続公演のチケットも発売後わずか45分間で完売となり、日本国内のファンの飢餓感も最高潮に達しつつあることが証明されているDir en grey。7月26日には待望のニュー・シングル「凌辱の雨」のリリースも決定している。欧州では、ドイツのみならず欧州全域をサーキットするような本格的ヨーロッパ・ツアーを望む声も高まっているし、アメリカからの好反応については言うまでもない。今後、Dir en greyの動きから目を離すことは、いくつもの歴史的瞬間を見逃すことに直結すると言っていいだろう。
<Rock am Ring>
開催日:2006年6月2日(金)
都市: Eifel(アイフェル)/Germany(ドイツ)
会場:Nuerburgring(ニュルブルグリング ※F1ワールドグランプリ開催地)
【出演順】
1.BLOODSIMPLE
2.STONE SOUR
3.ALICE IN CHAINS
4.DIR EN GREY
5.DEFTONES
6.KORN
7.TOOL
8.GUNS N‘ROSES(スペシャルゲスト)
日本に先駆けて夏フェス・シーズンを迎えた欧州。なかでもドイツはニュブルクリンクで3日間にわたって開催される<ROCK AM RING>は、欧州最大の老舗野外フェスティヴァルとして知られているが、今年も6月2日に開幕を迎え、その初日公演にDir en greyが出演した。
日本のバンドとして初めて同フェスに参戦を果たした昨年度は、いわゆるセカンド・ステージに出演した彼らだが、現地でのセールス/動員実績やファン・ベースの確かさを評価された今年は、センター・ステージに4番手として登場。本格再始動が期待されるガンズ&ローゼスをはじめ、トゥール、コーン、デフトーンズといった世界最高峰のバンドたちとステージを共にした。スリップノットのコリー・テイラー率いるストーン・サワー、新ヴォーカリストを迎えて復活を果たしたアリス・イン・チェインズよりもDir en greyの出演が後であるという事実が、このバンドの現地における状況がいかにホンモノであるかを物語っている。
午後5時15分、「朔-saku-」で幕を開けた彼らのステージは、全14曲、約1時間に及ぶもの。ステージ自体も、この日のために用意された背景を覆うバックドロップも、規格外のビッグ・サイズだ。会場はF1レースが開催される巨大レース場だが、8万枚のチケットが事前にソールド・アウトになっていたという事実を裏付けるように、場内は日中からぎっしりと人で埋め尽くされた状態にあった。もちろんそこに詰め掛けていたのはDir en greyのファンばかりではない。が、彼らの演奏が始まってから、その場を立ち去ろうとする観客の姿はほとんど見られなかった。
“Fuckin' awesome!(すさまじかったぜ!)”
終演後、彼らの楽屋を訪れたコーンのフロントマン、ジョナサン・デイヴィスはメンバーたちにそう声をかけ、健闘を称えた。
“夏が楽しみだ。一緒に楽しもう”
そう、Dir en greyはこの夏、コーンの主催する大型パッケージ・ツアー<THE FAMILY VALUES TOUR>に参戦し、約8週間にわたって全米をサーキットすることがすでに決定している。同ツアーの首謀者ともいうべきジョナサンは、しっかりと彼らのポテンシャルの高さを自らの目と耳で確認していたというわけだ。また、90年代に一世を風靡したシアトル産ヘヴィ・ロックの代名詞、アリス・イン・チェインズのジェリー・カントレルは、やはり楽屋を訪れ、ステージ上で流血した京(Vo)に“クレイジーなパフォーマンスだった。出血のほうはもう大丈夫? ものすごいインパクトだったよ”と声をかけていた。
先頃オリコンDVDチャートでNo.1を獲得したライヴ映像作品『TOUR05 It Withers and Withers』の濃密な内容にも裏付けられている通り、近年のDir en greyはライヴ・バンドとしての説得力を着実かつ飛躍的に高めつつある。端的に言えば、“ここ一番”に非常に強いバンドになりつつあるのだ。実際のところ、日本国内でも対峙したことのない規模の大観衆を前にしたこの日のパフォーマンスも、高い演奏クオリティとささくれだった刺激とが同居する彼らならではのものだった。しかし彼ら自身はそこで満足するどころか、手ごわい観衆を相手にしたことで、逆にさらなる進化に向かううえでのヒントを手に入れたようでもある。実際、国内にあってはその演奏力等について正当な評価を受けることが余り多いとは言えない彼らだが、現在の彼らが体現するタイトに研ぎ澄まされたバンド・サウンドが放つ殺気、ステージ・パフォーマーとして稀有であるだけでなく、実は過剰なほどにエモーショナルな歌い手である京の真価は、もっと高く評価されていいはずだ。
このフェス出演に先駆け、5月27日にはベルリン、28日にはケルンでの単独公演も大盛況のうちに終了させている彼ら。この<ROCK AM RING>出演後には、約24時間後に控えた<ROCK IM PARK>(両者は姉妹フェスのような関係にある)の開催地であるニュルンベルクに向け、ツアー・バスで長距離を移動。こうした欧米的なツアーのあり方も、今後、彼らにとってはごく日常的なものになっていくことになるのだろう。
<THE FAMILY VALUES TOUR>ツアー参戦直前にあたる7月31日、8月1日に行なわれる日本武道館での二夜連続公演のチケットも発売後わずか45分間で完売となり、日本国内のファンの飢餓感も最高潮に達しつつあることが証明されているDir en grey。7月26日には待望のニュー・シングル「凌辱の雨」のリリースも決定している。欧州では、ドイツのみならず欧州全域をサーキットするような本格的ヨーロッパ・ツアーを望む声も高まっているし、アメリカからの好反応については言うまでもない。今後、Dir en greyの動きから目を離すことは、いくつもの歴史的瞬間を見逃すことに直結すると言っていいだろう。
<Rock am Ring>
開催日:2006年6月2日(金)
都市: Eifel(アイフェル)/Germany(ドイツ)
会場:Nuerburgring(ニュルブルグリング ※F1ワールドグランプリ開催地)
【出演順】
1.BLOODSIMPLE
2.STONE SOUR
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5.DEFTONES
6.KORN
7.TOOL
8.GUNS N‘ROSES(スペシャルゲスト)
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