この男がシーンを未来へと導く!最高傑作がここに完成!<特集INTERVIEW>

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――その“ヴィジョン”とは?

ジャスティンまず、どの曲もすごくフューチャリスティックな傾向が強いってことに気付いて、その方向性を貫くことにしたんだ。そしてもうひとつは、良質のロックが持つナマな感情表現やセクシーさを取り入れるってこと。スタイルとしてロックをやるんじゃなくて、例えばデヴィッド・ボウイやイン・エクセスのマイケル・ハッチェンスみたいな人が持ってたエッジが欲しかったんだ。プリンスにも当てはまるかな。

――そういった音楽もよく聴くのですか?

ジャスティン:最近彼らの作品をよく聴いてて、かなりハマっていたんだよ。で、表題曲を書き上げてタイトル付けをする時に、“future”“sex”“love”“sounds”の4語が、歌詞やサウンドやあらゆる面でアルバムを的確に総括していると悟って、アルバム・タイトルに選んだのさ。これはフューチャリスティックでセクシーで、そしてラヴを歌ってるアルバムだからね。



――「セクシー・バック」でもずばり“僕がセクシーを取り戻す”と宣言していますよね。

ジャスティン:ああ。今のシーンには露骨な“セクシー”は溢れているけど、デヴィッドやマイケルなんかが備えていた本物の“セクシー”が欠落してる。ここしばらく、ずっとそう感じていたんだ。だったら、僕が復活させてやろうじゃないか!って思ったのさ(笑)

――“セクシー”の意味は人によって捉え方が違います。あなたはどう解釈していますか?

ジャスティン:そう、確かにみんな定義が違うよね。僕の場合は、一種の“心理状態”と捉えているよ。それが最初から備わってる人と、そうじゃない人がいると思う。例えば、夜どこか素敵な場所に出かけるために、たっぷり時間をかけて用意をして、全てがカンペキだと自分に満足した時の気分……とかね。それも、僕にとってはすごくセクシーな気分なんだよ。


―― 一方、サウンド面ではヒップホップからロック、ファンク、ラテン、ハウスまで、実に多彩なスタイルを大胆にミックスしましたね。


ジャスティン:うん。一度聴いただけではきっと消化しきれないと思うよ(笑)。なにしろルールはひとつしかなかった。何をやるにしてもファンキーにするってことさ。それさえクリアしたら、あとは制限なし(笑)。ギターで曲を書いたり、ピアノで曲を書いたり、ビートを元に書いたり……。ベースとなる楽器が違えばでき上がる曲の感じも変わるし、ストリングスからビートボックスまで、思いついたことはどんどん試して実験しまくったよ。ヴォーカル面でも、具体的に欲しい声っていうのが曲ごとにちゃんとあったから、必要なら遠慮せずに加工したしね。ティンバランドが一緒なら、どの方向に進んでも大丈夫だという安心感があったんだ。そういう、クリエイティヴな意味で理想的な環境を彼は作ってくれるんだよ


取材・文●新谷洋子

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