タイナカサチ、両A面シングル「Lipstick/一番星」インタビュー

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――グッとくる言葉が満載なのは、そのせいですね。Bメロの“形あるものは消えゆく だけど読みたくない 人の夢「儚い」と”なんて、目から鱗でしたよ。

タイナカ:そういうこと、すごく考えるんですよねぇ。形あるものが無くなることは理解できるけど、魂や心という形なきものが何処に行くのかが、まだ私にはわからない。でも、形あるものがすべて無くなり記憶さえ無くしたとしても、今抱いてる夢や大事な人との関係は決して儚いものなんかではない。そう言いたくて、この曲を歌ってるんです……って、重いですよね(苦笑)。

――全然! 他にも“ゴールを目指してるようで 本当は終わりなき永遠求めてるの”とか、所々に普遍的真理が散りばめられていて、非常に心揺さぶられました。

タイナカ:良かった(笑)。例えば、一生懸命準備してきたライヴが成功したら達成感はあるけれど、“寂しい、もっとやってたい”っていう気持ちもある。それは恋愛でも、もっと大きく言ってしまえば命でも一緒ですよね。ずっと生きていきたいのに終わりに向かって歩いてる、やっぱりそれは矛盾だなぁと。

――ピアノ、バンド、ストリングスと音が重なっていくごとに、そんな深遠で壮大な世界観が広がっていって。そこにドラマティックな歌唱があふれ出すのが、本当に感動的でした。こういった深いテーマを、ぜひ今後も歌っていってほしいですね。

タイナカ:ありがとうございます! アレンジも最高だし、嬉しいことにライヴでの評判もいいんですよ。私、曲作るときって、ホントに悩むんですね。もう、自分で自分が嫌になるくらいグチグチ考えては、“絶対才能ないわ!”って自己嫌悪に陥る。その分、“良かった”って言っていただけると、すごく嬉しいんです。

――悩むのはいいことですよ。「一番星」のサビ前にも、“命あるもの全て輝く 命あるもの全て苦しむ”って書いてるじゃないですか?

タイナカ:あ、そうだった(笑)。輝いて、苦しんで……その繰り返しなんだから苦しくても大丈夫、っていう希望もココには込めてるんですよ。

――聴き手の胸に沁み入る素晴らしいバラード。なのに、同じシングルには「Lipstick」のように対照的な楽曲が収められている、それがまた面白い(笑)。

タイナカ:まぁ、誰だって“今日”が人生で一番若いですからね。思い立ったとき、一番若いときに“恋心歌っとけ!”みたいな(笑)。そんな恋したい盛りのキャピキャピした自分も、命について考える自分も遠慮なく両方表現できたので、私的にはアルバムと同じくらい内容の詰まったシングルになりました。

――リスナー側からしても、“アーティスト・タイナカ サチ”に対するイメージの幅が広がったし、今後出てくるものへの期待も高まりますよ。

タイナカ:音楽活動を続けていく中で、いろんなことからドンドン影響も受けるし、やりたいことも自然と増えてくるんですよね。だから、これからは何事も恐れないでチャレンジして、芯の部分を成長させながら新しい自分を見つけていきたいです。その気持ちはCDでも一生懸命届けてますけど、きっとライヴに来ていただけたら、もっとストレートに伝わると思うんですよ。来年3月には東名阪ワンマン・ツアーも決まりましたし、歌手として、もっともっと名前も知ってもらわないといけない今は、インストア・ライヴのような出会いの場も欠かせないものだから、できるだけ増やしていきたいと思ってます。ホント、一人でも多くの人に私の歌を聴いていただきたいので、ぜひライヴ会場に遊びにいらしてください!

取材・文●清水素子

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