キングス・オブ・レオン、魅力そのままに全てをグレードアップ

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これまでもUKのロック・ファンの間では絶大な人気と信頼を得ていたが、4thアルバム『Only By The Night』により(アメリカのバンドではあるものの)国民的バンドとしての地位を不動にしたキングス・オブ・レオン。ツアーを行なうたびに大きくなっていく会場が、2008年のツアーでアリーナまで拡大。そしてさらにビッグになった現在は1都市1公演では済まず、ロンドンだけでも2万人収容のO2アリーナで3公演を開いた。

素っ気無いほどシンプルで、ただ音楽だけがある“いぶし銀”のようなパフォーマンスが売りだった彼らだけに、会場がここまで大きくなってしまうのは正直言って“どうかな”とも思ったが、これはグラストンベリー・フェスティヴァルのヘッドライナーまで飾っている彼らには失礼な言葉だった。人気とともにそのパフォーマンスもビッグに成長していた。

これまでオーディエンスに話しかけることなく、それどころかほとんど動くこともなくプレイし続けるだけの彼らだったが、この夜のフロントマン、カレブ・フォロウィルはオーディエンスに言葉をかけたりギターを高く上げステージを闊歩するなど、大きなステージに相応しい貫禄を見せてくれた。かといって、キングス・オブ・レオンの素朴で土臭い魅力が失われてしまったわけではない。それがグレード・アップしただけだ。

そして驚いたことに、にわかファンばかりだと思っていたオーディエンスも「Sex On Fire」や「Use Somebody」といった『Only By The Night』からのヒット曲だけでなく、デビュー・アルバム『Youth And Young Manhood』からのトラックでも大合唱していた。これは、最新作をきっかけに彼らの音楽に目覚めたとしても、そこで終わることなくバック・カタログまで聴き込んだファンが多いためだろう。要するに、彼らの音楽はヒット・シングルだけに終わらない魅力があるということだ。

現在のところ日本公演は発表されていないが、日本では8月18日にボーナス・ライヴ・トラック7曲を収録した『Only By The Night』スペシャル・エディションがリリースされる。ここで彼らのライヴの醍醐味が味わえる。

Ako Suzuki, London
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